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対人間において勝てる交渉術

みなさん、こんにちは
当たり前のことを綴るブログ、第2弾
今回は『対人間において勝てる交渉術』というテーマで僕の研究分野でもある行動経済学や交渉学について少し触れながらみていきましょう。

1.人間は常に不確実性の中で生きている

人間は常に不確実性の中で生きている
常に合理的な答えを求めているわけではない。
それが私の研究分野である行動経済学です。

例えば、次の実験例は有名です。
以下のAとBの医者がいると貴方ならどちらに手術を頼みますか?

A: この手術を受けた100人の患者のうち、90人が5年後に生存している。

B: この手術を受けた100人の患者のうち、10人が5年後に死亡している。

この実験に参加した被験者の回答は、
Aの説明で手術を選択する人84%、Bの説明で手術を選択する人50%でした。

よく見るとどちらも同じ確率なのだが、表現の仕方が違うと、その後の行動に差が出てくる。

これが所謂、人間の不確実性なのです。どこをフレームにするかによって、違う効果をもたらすことから、“フレーミング効果”とも呼ばれています。

これらの研究によって分かったことは、従来の経済学では、人間は常に賢く合理的な判断をするもの、という大前提に立っていたが、実は“人間は極めて感情的かつ不合理に行動している”ということです。

以下の記事では、その他の行動経済学の応用が記されているので良かったら参考にしてみてください。

2.プライミング効果手法

次に、交渉では非常に重要な“プライミング効果”についてみていきましょう。

みなさんはピザ×10回言ってから肘を何というか聞かれたことはないですか??

これ肘なのに膝になっちゃうこの効果こそ正しく、“プライミング効果”です。これは潜在意識によって脳の行動が、変わるという理論です。

ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・・カーネマンの著書「ファストアンドスロー」で紹介し有名になった理論ですが、

実は身近な遊びを通して、誰もがその効果を経験しています。

少し専門的な心理学の研究では、あらかじめ「ライオン、象、キリン」
といった単語を見せておき「スピードの速いものは?」と質問されると、とっさに「チーター」と答えてしまう“つられちゃう効果”。

「光、新幹線、飛行機」など、動物よりも速いものを知っていて、分かっていてもつられちゃう。

先に「ライオン、象、キリン」とかの、動物の単語がインプットされると
答えをなぜだかつられて動物に限定してしまうのです。

「ピザ」を10回言うと、体をの部分を指されると、肘や膝が答えになるのも2文字の短い言葉で、とっさに脳がつられてしまうのです。

世の中のあらゆる交渉においても、これと同じ事が言えるのです。

まず初めに自分から切り出す

例えば、ビジネスシーンでよく見られる値段交渉においては、
売り手側なら、顧客が支払うだろう限界より少し高い価格を提示。

買い手側なら、売り手にかかる費用、時間を考慮した妥当額より少し安い価格を提示。

そうする事によって相手側が初めに切り出した自分側に引っ張られて、優位に交渉が進むといった理論です。

この理論は数学者である西成活裕さんも数式をもとに証明しています。

この著書では人間生活を豊かにする交渉術だけではなく数式をもとに、あらゆる“誤解”の、原因や種類からメカニズム、対策まで、気鋭の渋滞学者によって系統立てて考察されています。

人生を豊かにするために是非読んでみてください。

3.疑う事と嘘の代替案

前章では“プライミング効果”を利用し、
まず初めに自分から切り出すという手法を紹介しました。

この章ではもう一つ交渉において重要なこと
代替案”について説明していきます。

この代替案は、今まで僕が大学院にて交渉の研究を行っていて100〜200本ほどの論文(先行研究)を読みましたが、ほぼ全てにおいてこの代替案が記されていました。

交渉において、もしこの交渉が決裂したらどうなるか、自分はどう行動するか、相手はどう行動するかをあらかじめ見極めておくことは極めて重要です。

代替案は交渉に関する最も重要な古典的概念の一つで、“BATNA(Best Alternative To Negotiated Agreementの略)”と呼ばれています。直訳すれば「交渉で合意することに次ぐ最善の代替案」ということで、「交渉で合意が成立しない場合の最善の案」という意味です。

例えば、転職で複数の会社と面接を続けているとします。1社に内定を持っていると他社と交渉する際に、この内定が「合意が成立しない場合の最善の案」= BATNAとなります。

僕も去年から新卒として就職活動をしていて複数社から内定をいただいたので、とある外資系戦略コンサルティング会社様には、

『配属先は、〇〇の部署でお願いします。でないと御社には行きません。』

こう伝えました。
そうすると、内定承諾後の契約書に希望の〇〇部署が書かれていました。
これは正しく“代替案(BATNA)”があったからです。僕がもし複数社内定を持っていなければこんな事は起きていませんでした。

世の中の多くの人達は、「新卒採用要項などの配属先未定。入社後決定。」などの資料を見て
配属先は選べない。と思ってるでしょう。
いや、広く一般的なコモンセンスとしてその考えを持っているのでしょう。

しかし、僕は代替案があったからこそ
世の中の常識を疑う事”ができました。
その結果、希望した就職先の希望した配属先に
就職が決まりました。

また、交渉時には
嘘をついて代替案を持つこと
も僕は必要だと考えます。

例えば、僕は普通自動車免許を取得してから
長らく普段使い用としてスズキの軽自動車ワゴンRに乗っていました。しかし、5〜6年乗って経年劣化が進みそろそろ手放そうとしていました。

当初、見積もりに来た会社の営業マンは口を揃えて『売れても2万ですかね〜』
そう言って帰っていきました。

しかし、ワゴンRの正常なエンジンは、単体でオークションサイトでは相場30万で落札されていること、内装や外装に大きな目立った傷や損傷が無い事から、僕は25万では売れると判断していました。

そして、次に見積もりに来た会社さんにこういう“嘘の代替案”を提示しました。

〇〇(企業名)さんでは、25万で買い取ると言われました。

案の定、見積もりに来た会社さんは、
『26万で買い取りましょう。』
これで決着がついたのです。

要するに、何が言いたいか。
この世の人達は、
お金に敏感なのにも関わらず、過払金を取られすぎている

世の中の常識に常に疑問を持つこと
これをまず実践し、“つくべき嘘をつくこと
をできていたらより良く生きれるのでは
ないでしょうか。

引越しにおいても同じことが言えます。
僕はこれを“引越し業界の罠”と呼んでいるが

僕は一時期アルバイトとして🐜さんマークの会社で汗水垂らしていた時期があった。

灼熱の真夏に3人乗りのトラックに乗り
人件費3人体制で1日4軒ほど回る。
これはもう、地獄である。

そのうちバイトが2人1.2万/日
社員1人だいたい1.5万/日
÷4件=1軒あたりの人件費9750円


移動距離にもよるけど関東圏内なら
その他の交通費や諸々考慮しても
1軒の引越しに必要な経費は、多くて2万円と仮定できます。

しかし、引越し会社の営業マンは口を揃えて
1人暮らし〜2人暮らしの荷物でさえ
8万〜10万が基本料金と言う。

これが、正しく“引越し業界の罠”です。

僕はこの時にも

〇〇(企業名)さんは、3万でやってくれるそうです。

このように“嘘の代替案”を提示しました。
そうすると、即決3万円でやってくれました。

7万円もの不当な過払金の取立てから逃れたのです

人生はこんな事の連続です。
初めの章で説明したように

人間は、不確実性の中で生きています。
世の中の常識に常に疑問を持つ事”で
“機械的(AIの様に)にその不確実性を確実にしていく事”

僕はこれを常に心がける様にしています。

4.広告代理店やコンサル業界は要らない?

前章で“過払金には気をつけよう
と言う話をしたので今回は最後にその延長戦でもう少し話をします。

皆さんはTVCMにて過払金のご相談はアディーレに!といったな文句を聞いたことはないでしょうか?

あれはそもそもアディーレと言う会社自体が“過払い金取立て業者”だと僕は考えています。

自分で出来ることは自分ですること
自分で減額したらいいだけです。

アディーレがやっている事は顧客である過払金を払ってしまっている人たちから
更に過払金を取立てるだけの事です。
そんな事は、正直どこの弁護士でも司法書士でもできます。

そういうことを言うときりが無いんですが、
世の中のあらゆるコンサルティングといわれるサービス、また広告代理店が行うサービス
も所謂“過払金取立て業者”だと僕は考えています。

リクルートなんて正しくそうです。
近頃、リクルートのサービスを利用しリクルーティングを行う企業が増えてきました。
しかし、そうなってくると
何の為に人事がいるの?
何の為に人雇ってるの?
こうなってきますよね。

人事に向いている社員を雇って適材適所で人事部に配置している。
にも関わらず、他の企業にリクルーティングを頼む。そんな無駄な事は無いですよね。

でも世の中の多くの企業はこれを当たり前にしているんです。
これも“世の中の常識に常に疑問を持つ事
ができてないからなのです。

常識に疑問を持つ事ができていたら
普通に考えてリクルートなんてサービス必要ないんです。


しかし、一方で売り手側商売してるリクルート側、こういうコンサル系は、

相場がない無形商材なのでいくらでも高額提示できる。

そして、いくらでも儲けることが出来るのです。だから、今後もこういった企業は増えていくだろうなと僕は予想しています。

僕は絶対頼まないですが(笑)


要するに、

売る側になるなら良い稼ぎになる為良し!、でも買う側になるのは考えた方が良し。

買う側になるのであれば、
それが本当に必要なのか、妥当な金額なのか
十分に検討を行うべきでは無いでしょうか。

実際に、僕もwebコンサルティングなどSIerのような事業から商材にかなりの付加価値をつけて店舗の販売戦略などを行う商社のような事業も行っていた時期がありましたが、

言い値で取引ができる為、お金稼ぎにはちょうど良いし、かなりおいしい。

ただ、“事業をしてて面白くない。
とずっと感じていたのです。
過払金を取立てることなんて、ある程度の偏差値とコミュニケーション能力がある人であれば、誰でもできます。

ただの“過払金取立て業者”なのに
少し塩胡椒をして
クリエイティブ”だとか“DX”だとか
言わせて、事業を行なっている人達(1年前くらいの自分もそうだった)には、

長くて100年しか生きられない人生の中で自分は何をすべきなのか、何をしたいのか、

Rethink”して欲しいと思います。

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今回の記事の重要ポイント3点
1. “人間は常に不確実性の中で生きている”
2. “世の中の常識に常に疑問を持つこと”
“Rethink“
3. “機械的(AIの様に)に不確実性を確実にしていく事”



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