おいかわ とっしーの

在米24年のアメリカ料理の料理人。アメリカシアトル近郊の街に妻と犬2匹と共に暮らしてい…

おいかわ とっしーの

在米24年のアメリカ料理の料理人。アメリカシアトル近郊の街に妻と犬2匹と共に暮らしている。休みの日には必ず釣りに行きその釣った魚で料理を作ることを生き甲斐にしてる。その他にも普通のスーパーで買える食材でレストランレベルの一段上の家庭料理を目指している。

最近の記事

レモンとバラのシャーベット

子供の頃に親に連れられて焼肉を食べに行くと最後に必ずと言って良いほど、半分に切ったフルーツの皮の中にこんもり乗ったシャーベットを食べた記憶がある。レモン、オレンジ、林檎、メロンとかがあったと思うんだけど、今回は子供の頃の記憶と現在の自分のイメージとかスキルとかを使って、それを再現プラスもう少し美味しい物にしてみた。  材料白ワイン      250cc 水         750cc レモン       4個分の果汁 レモンゼスト    1個分 バラの花弁     

    • 柑橘こしょう(柚子こしょうもどき)

      昨日でアメリカにやって来て25年が経ってしまった。四半世紀もこの国にいる。自分が日本で暮らしていた時間より多くの時間をよその国で過ごしているというのはとても不思議な感じもする。あまりにも昔にこの国に移住して来たので日本での色々なことを忘れてしまった。そして、すでに前回の一時帰国からは10年が経過してしまった。帰ればおそらくだが、他のアメリカ人観光客とさほど変わらないぎこちなさを見せることは間違いないだろう。 他の国に母国を後にして移住するというのは、毎日が試行錯誤の連続であ

      • 鶏レバーのパテ

          10年以上前の事だけど、妻とシアトルをブラブラと歩きながらデートをしていた時に入ったフレンチの軽食とワインを出すようなカフェで食べた鶏レバーパテはなんとも下処理が甘かったのか、鶏臭い本当に残念な味で妻もこれはまずい。。。と絶句。よくよく考えてみたら自分で作ればいいんじゃんと思い自宅で作っています。鶏レバーのパテの材料はアメリカ(ワシントン州なら)では簡単に揃う食材ばかり。そして工程もとても簡単なので是非とも挑戦して欲しいです。   今年の感謝祭(Thanksgiving

        • フジ林檎とサツマイモと生姜の味噌のクリームスープ 

            僕の父親は岩手県の山奥でフジ林檎と椎茸と米を作る農家の次男坊として生まれた。父は次男なので家業は継げずに高校卒業を卒業して、大学に進学する為に東京に出てきた訳だが、僕の子供の頃はその岩手の実家に年に2回か3回ほど帰っていた。特に秋の林檎の収穫時に帰省すると実家の周りが林檎の良い香りでいっぱいだった。今でも僕の記憶の片隅には僕を抱っこしながら、手を伸ばして林檎をもいで齧り付く父がたまに蘇ってくる。その時の秋風が林檎の甘い香りを運んでいる感じまで僕の遠い記憶の片隅として残って

        レモンとバラのシャーベット

          オレンジマーマレード

              子供の頃はオレンジマーマレードが大嫌いだった。ジャムなのに苦いこのジャムは大人の食べ物とという子供の意識があった。時が経ち40代も半ばに差し掛かるとこのほろ苦さが絶妙な旨さに感じてしまう。大人になるってこういう事なんだろうな。。。 先日、Costcoで大量に大袋に入ったオレンジが安かったので買ってしまった。帰ってからいくつか食べてみたら、とにかく酸っぱい!!思った味と全然違うし、酸っぱいオレンジを15、6個どうすればいいのか。。。。我が家で使うジャムは基本的に僕が作

          オレンジマーマレード

          母ちゃんのジャム

          子供の頃に母はよく春先になっていちごが出回ると近所の農家から買って来ていっぱい大鍋で砂糖とレモンで煮詰めてイチゴジャムを作ってくれました。学校からの帰りに母が家でこのいちごを煮詰めていると換気扇から流れ出た甘い香りが家の周りに漂っていました。それを嗅ぐと居ても立っても居られなくて、ランドセルを背負った小さな身体で全速で家に向かって走るんです。家に入るなり「いちごジャム??」って聞くと優しく「そうよ」と声が聞こえるんです。母はそれを瓶詰めにして人に差し上げたり、我が家で食べたり

          自家製スモークベーコン

            僕が燻製を初めてやったのは17歳ぐらいだったと思うんですよね。たまたま、釣具屋で見つけた燻製入門の本を買ったのがきっかけでした。まずはそこに書かれていたスモークビーフジャーキーを作ってみたいと思いましたが、実家には勿論スモーカーなんてないから、なんか似たような物って考えたら、当時の実家には小さな焼却炉がありました。ちょうどいい感じのスモーカーサイズ。まずは中の灰を全て描き出して綺麗にして親に頼んで当時も凄い高かった牛肉の塊を買ってもらって薄切りにして本通りに漬け込んで、休

          自家製スモークベーコン

          イワナの氷上釣り (Brook Trout Ice Fishing)

          釣りを始めてかれこれ34年ぐらい経ったと思います。最初は小学生の頃にクラスメートに教えてもらって、川でミミズを針に刺してハゼを釣ったのが初めての自力で釣った魚でした。それ以来、色々な魚と出会ってきたけれど、僕の人生で出会った一番の美しい魚はこの氷上にテントを建てて、氷に穴を開けて釣るBrook TroutというChar(イワナ属)の魚だと僕は思います。 アメリカ北西部に位置するワシントン州の冬はとにかく天気が悪い。一日おきに雨が降ると言っても過言ではないほど雨が降る。むしろ

          イワナの氷上釣り (Brook Trout Ice Fishing)

          クラブケーキ

          僕の住んでいるワシントン州の北の海にはこのダンジネスクラブがよく採れる。お店でも買えるけれど、僕は自分で船を出してとりに行く。昔は一年中解禁だったらしいが、今は夏と冬の合計数ヶ月間にのみ採って良い。 昔、オレゴン州の調理学校に通っていた頃に学校のプログラムで街のレストランに一ヶ月半のインターンに行って働いた時期があった。街外れにある高級ジャズレストランバーでジャズを演奏する舞台もあって出される料理もかなり洗練された面白いメニューがたくさんあった。それなりに高いお店で料理人達

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          手作りスモークサーモン

          アメリカ ワシントン州の夏の終わり頃、2年に一度、大挙して押し寄せるPink Salmon(和名 樺太マス)という魚がいる。この魚は大きさはサーモンの中では小型で大体60cmぐらいにしか育たない鮭だ。僕ら釣り師にとって、一年おきに訪れるいわばお祭りみたいな時期。実はそんなにそのままで焼いたり刺身にしても味わい深い魚ではない。旨みが少ないのだ。でも、江戸前寿司の小肌と同じで安い魚は手間と暇を掛けてやることで絶品になる。今回のスモークサーモンもまさにその信念の元に手間と暇と愛情を

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          手作りスモークサーモン

          自分で釣ってきたカレイで煮凝り

          僕は子供の頃、千葉県の東京よりの街の市川市という所に住んでいた。まさに東京のベッドタウンという感じの場所ではあったが、緑も豊かで近くの東京湾では乗合船に乗れば、鰺、鱚、真蛸、鱸、穴子なんかがよく釣れた。もう、かれこれ30年近く前のことだから、今はどうなっているかはわからないけど中学生だった頃、真冬の早朝に親に浦安にある吉野家という船宿によく車で送ってもらって鰈も何回か狙ったことはあったけど、当時ですら数が少ない上になかなか釣れない魚で僕はこのワシントン州に住むまで実物を釣った

          自分で釣ってきたカレイで煮凝り

          プリン

             僕が調理師学校の生徒だった19歳だった頃に授業で習ったプリン。あれから考えてみたら25年ぐらい経ってしまったんだけど、この料理は相変わらず、いつ食べても幸せな気分になる美味しいデザート。僕の実家はこういう洋風のお菓子などは一切作らない家だったので、授業で習った日はとても嬉しくて、オーブンのある叔父の家にいって数日後にまた作らせてもらった。学校で習ったのはクラシックな生クリームは使わない牛乳と卵のみで作る昔ながらのプリンでしたが、やはりリッチなこくが少し欲しいので、僕はH

          カナダ バンクーバー島釣り遠征⑤ 最終日 3日目の釣り

          三日目はとうとう一日中通しで釣りが出来る最終日。とは言え前日もいっぱい釣れているので、自宅に持ち帰る魚の確保が出来ている分、気持ちは物凄い楽ちんな感じで、朝を迎えてゆっくりと朝食をいただいて6時過ぎに出発。とは言え二日目に続いてまたしても物凄い霧で先は全く見えない状態。昨日と同じ条件の中、昨日釣れたポイントまでひたすらGPSを頼りに船を進める。怖いのは他の船との衝突や流木、岩への激突。気をつけながら運転。30分ほどでポイントに到着すると霧がそこだけないではないか!!これは素晴

          カナダ バンクーバー島釣り遠征⑤ 最終日 3日目の釣り

          カナダ バンクーバー島釣り遠征④ 2日目の釣り編

          前日に到着してクタクタの体でしたが、サクッと起きて朝飯を食べたら6時前に出港。近場から攻めるも全然釣れず、むむむ。これはまずいぞと師匠と無線連絡。南下してみようということになったが物凄い濃い霧。これは経験豊富な師匠丸の後ろをつかずはなれずくっついて周りは全く見えない中をGPSを頼りに30分ほどでポイント到着。開始するも周りの船も見えないために、恐る恐るトローリング開始。でも釣れない。ルアーか?スピードか?はたまたま魚がいないのか?色々なことが頭を駆け巡る。10時も回る頃やっと

          カナダ バンクーバー島釣り遠征④ 2日目の釣り編

          カナダバンクーバー島釣り遠征③ 到着した日の夕方編

          到着してチェックインを済ませると、宿から今日は夕飯は午後釣りに行くフィッシングツアーの為に夜の8時半ですと伝えられました。念のため説明ですが、ここの宿のお客さんはほぼ全員(30人ぐらい)がここの専属のフィッシングチャーターガイド船(8船ほど)に乗って釣りをします。なので夕飯はそのツアーのスケジュールに合わせるわけです。僕らのように釣り船を自分で運転してくる人はガチ釣り師はここでは非常に珍しく今回も師匠丸、及川丸ともう一隻のみでした。とは言え朝ごはんをホテルで食べて以来何も食べ

          カナダバンクーバー島釣り遠征③ 到着した日の夕方編

          カナダ バンクーバー島釣り遠征 2023年②海上移動そしてロッジへ。

          8月3日(木) ポートアルバーニで一泊した翌日は早朝に起床。ホテルで朝食を取った後に車に積んであった大量の荷物を船に積み込む作業からその日の仕事が始まった感じです。僕の4runnnerに満載の荷物を船に相棒のMK君と積み込んで、海上を走行中に傾かないように平均的に左右の重量がなるよう気にしながら荷物の配置。その後、ローンチ(船を水に下ろす施設)に向かい受付を済ませて船を水に下ろして車を駐車。いざ出発!!といきたかったんですが、干潮からの満潮に向かう時間でとにかく目の前の川の

          カナダ バンクーバー島釣り遠征 2023年②海上移動そしてロッジへ。