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違う視点 モノクロ手焼きプリント#10

少し前に、友人と一緒に広島平和資料館に訪れた。小学生の頃や大人になってからも訪れたことのある場所だったが、2019年にリニューアルしてからは初めてだった。展示内容なども新しくなっているらしく、中がどうなっているのか、そして今一度原爆について知る良い機会だろうと訪れた。

平和公園はよく通るのだがここ2年ぐらいは海外の人がかなり多く、訪れた際も資料館の列は海外の方がほとんどだった。おそらく様々な国から訪れているのだろう人々に混ざりながら、友人と一緒に入場を待つ。
資料館の中は、展示されているものなどは以前と同じものがおそらく大半だったが展示の仕方がかなり現代風になっていた。当時を物語る遺品などと他に、パネルを使って壁に大きく写真や文章が張り出されているので混雑していてもちゃんと見ることが出来る。そして展示の後半では核開発に関しての資料もありその最後には2023年の事柄も記されてあって、古い話でなく今現在も続く話であるというメッセージがちゃんとある良い展示だと思った。

資料館を出て友人と話している時、原爆を落としたことへの視点の話になった。日本としては断固として許す事は出来ない事柄だが、人によっては(とりわけ海外の方には)原爆を落とした事によって戦争の早期終結が為されて結果的に良かったという意見もあるという話。これについて私と友人がどうこうという事ではないのだが、友人が「海外の人がどんな顔をして展示を見てるのかが興味があって見ていた」と言ったのに「なるほど」となった。私はひたすら展示を見ていたのだが、確かに日本人ではない人の視点が気になるというのはその通りだと思った。

現在は原爆を作った人、オッペンハイマーの映画が上映されている。一応この映画は原爆を作った事を肯定する映画という訳ではないと聞いてはいるが、この映画をきっかけに少し視点が広がるのではないかとは思う。映画をきっかけにこの場所を訪れる人もいるかもしれない。
かく言う私はこの記事の執筆時にはまだ映画を観れていないのだが、資料館に訪れる前と後で観たのでは何か考えは違うのだろうか、などと考える。


Camera : Leica M2
Lens : Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Aspherical
Film : MARIX 400
Paper : Ilford MGRC

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