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【解決法】保管方法により品質特性が変化

1.事例紹介

今回は、新商品の開発途中で、品質特性が変わってしまった事例をご紹介します。

2.注意すべきこと

新商品の途中の工程において、新商品の保管方法を変更した場合には、品質特性の変化に注意が必要です。

3.状況

新商品の工程は、工程1→保管→前処理→工程2  の順番で、各工程における製造条件を検討していました。
工程1を通過した商品は通常、専用のケースで保管されていたのですが、保管中に商品の表面状態が変化するため、できる限り短い保管期間で、次の工程へ進めていましたが、保管期間が長くなると商品の品質特性にバラツキが発生していました。

ある時、工程1を通過した後、ケースの予備がなかったため、やむおえずサンプル袋に入れて保管しました。するとそのサンプル袋で保管された商品は、ケースの保管よりも長い期間保管していたにもかかわらず、品質特性はバラツキが少ないということがわかりました。

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しかし、メカニズムがわからなかったので、サンプル袋で保管した商品の表面状態を電子顕微鏡で観察しました。
すると、商品の表面に細かい粉末状の物質が付着していることがわかりました。この物質の分析を行うと、サンプル袋の原材料に含まれていた物質であることがわかりました。

つまり、サンプル袋に入れることによって、サンプル袋から粉末状の物質が商品の表面に付着し、商品の表面をカバーすることにより、長期間にわたって商品の表面状態の変化を防いでいたのです。

4.解決法

ある工程間において、商品を保管する必要がある場合には、保管条件に注意が必要です。特に、保管条件を変更した場合は、後工程において品質特性の確認が必要です。

5.失敗しないためには

工程間の保管条件を変更した場合には、後の工程における商品の品質の確認を、また商品の品質が変化した場合には、前工程において何かしらの条件が変わっていないか確認することを、オススメします。

今回は、商品の工程間における保管条件によって、商品の品質特性が変わる という事例についてご紹介しました。

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