食にこだわる「成城石井」 /#9 マーケティングトレース
今回は食に拘りのある成城石井をテーマに #マーケティングトレース しようと思います。
今回何をテーマにしようか考えた時に、何故かふと成城石井が頭に浮かんだので選定しました。この記事を書こうと思った前日の夜に立ち寄ったからだと思いますが。。。
まぁ、そんなことはどうでもいいので早速始めて行きましょう!
会社概要:成城石井を知る
社名 :株式会社 成城石井
創業 :1927年2月
資本金:1億円
代表 :原 昭彦
従業員:6,185人
事業 :スーパーマーケット、輸入、卸売販売、食品製造、飲食店
本社 :神奈川県横浜
経営理念:食にこだわり、豊かな社会を創造する。
成城石井は、おいしい、こだわった、安心・安全な食品を、
世界中、日本中を歩き回り発掘、開発します。商品の本当の良さをアピールし、お客様に、食べる喜び、こだわる喜び、会話する喜び、集まる喜び、を提供します。食にこだわる人たちのための食のライフスタイルスーパーを確立し、幸せに満ち溢れた社会を創造します。
事業戦略:成城石井の事業概要を整理
店舗数推移
成城石井は出店先を選定する上で最も重要視する基準は投資効率。
店前通行料や競合分析などのリサーチや地域における高所得者層の居住比率も出店基準の目安としている。
出店エリア
東北 :宮城県
関東 :茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
甲信越北陸:山梨県
東海 :岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
関西 :滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県
商品戦略:徹底したこだわり
・こだわりを持った商品開拓、商品開発
・生産から販売まで安全基準を設定
・オリジナル商品のアレルゲン表示
・オリジナル商品は、保存料・合成着色料・合成甘味料未使用
【こだわりポイント】
・衛生管理の向上
-「東京都食品衛生自主管理認証」取得
-自主管理体制
・関東物流センター
-最高レベルの定温倉庫
・直輸入
-バイヤーが世界中から直接探してくる良質で個性的な商品
・自家製
-プロの調理人が作った惣菜
人事戦略:継続成長最大のポイントは人材育成
役職別に研修、資格取得制度を充実させている。
PEST分析:外部環境を整理
Politics(政治的要因)
・容器包装リサイクル法
・食品リサイクル法
・省エネ法
Economy(経済的要因)
・買い物頻度の低下
(エンゲル係数の高まり/可処分所得減少など)
・消費増税10%
Society(社会的要因)
・人材不足
・地方の中型店舗への集約(不採算店舗の統合)
・都市部の土地不足による大型店が出店できない
→小型店を複数集中出店
Technology(技術的要因)
・セルフレジの導入により人件費削減
・ECの導入(生鮮品販売に成功している企業も存在)
・ドローンによる配達サービス
・キャッシュレス対応(QRコード決済など)
スーパーマーケット業界は、PEST以外にも自然の変化による影響も強く受けている。例えば、天候悪化や自然災害が原因で野菜不足による価格高騰。
鮮魚の漁獲量激減による高騰など、不可抗力が原因で売上に大きく影響することも往々にしてある。
※以下参考資料※エンゲル係数、人口年齢推移
働き手の高齢化及び少子化により人材不足は今後より顕著に現れてくる。
SWOT分析:機会と脅威の整理
駅近、駅ナカなど通行量の多い立地に絞った出店を強みとし、富裕層をターゲットに絞っていることもあり、商品へのこだわりや人材育成に力を入れている。海外輸入製品を直接買い付けしているのは強みである一方、為替変動や輸入規制などが起こる可能性が脅威である。
5F,3C分析:業界構造とKSFを把握する
富裕層を狙っているとは言え、価格帯が比較的高いスーパーマーケットは多く業界内競争の影響は大きい。競合がユーザーに提供できていない価値を見つけ成城石井のポジショニングを確立していく。
STP分析:ターゲットを決め差別化を図る
ST
所得レンジが比較的高く、適正な価格で食材・食品にこだわりを持ち、おいしく良いものを食べたいと思っている人。
P
安心安全で、他にはないオリジナル商品を適正価格で提供する。
4P分析:マーケティングミクスで全体像整理
Product:商品
・食料品(一般、成城石井オリジナル、輸入)
・お酒
・雑貨
Price:価格
・数百円~数十万
例)2018年1級シャトー・セカンドセット750ml×8本 ¥390,000
Place:販売
・店頭
・オンライン
・ローソン
Promotion:広告
・チラシ
・キャンペーン
・HP告知
・Line pay
自分がCMOだったら?
もし自分が成城石井のCMOだったら、誰をコアターゲットにしマーケティングミックスの何を工夫するか?
【出店地域拡大】
高所得者割合が高い地域を戦略的に狙っているため、現在国内で高所得者割合が高い未開拓地域へ出店拡大する。
以下は、年収700~1000万円の世帯が15%以上超える地域を絞った結果。
(赤色で表示されている地域)
※1000万15%以上は店舗存在しているため、レイヤーを下げて調査。
拡大した地図。
出店数が0か少ない地域を選定。
ここのエリアを次の出店エリアとして検討。
駅近、駅ナカ、モール、コンビニ跡など物件や人通りなどを調査した上で出店の意思決定を行う。
【関西物流センター設立】
現在神奈川県に関東物流センターを設けているが、西エリアへの出店を考える上で物流効率をあげるためにも関西物流センター設立を検討したい。
海外からのアクセスを考えると、大阪南港や兵庫の神戸港あたりでしょうか。(国内輸送ルート、海外輸送ルートについて情報探せず。。。)
しかし、ここで一つ懸念点を潰しておく必要があることとして、関西エリアを積極的に攻めて行く場合関西物流センター設立しても良いのか?がとても重要だと思う。
出店地域が兵庫県より西はまだ未開拓地域なため、マーケット次第では攻めても良い。スーパーマーケット業界シェアはイオンがダントツでセブングループが次いでランクインしている。
東西関係なくシェアをある程度持っているだろうから、東日本でも店舗数を順調に増やすことができている現状を鑑みると西日本物流センター設立は前向きに考えても良いだろう。
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今回は以上です。
今回一通りやってみて思ったのが、KSFの深掘りが足りないこと。
結局ユーザーニーズと競合が満たせていないものはなんなのか?を突き詰めて考えないと表面的なトレースで終わってしまうと感じた。
次回のテーマではKSFの深掘りに注力しよう。
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