映画「ア・ゴースト・ストーリー」とフィービー・ブリッジャーズ新作

テレビで2017年の映画「ア・ゴースト・ストーリー」というのをやっていた。冒頭からすごく惹き込まれる物語だったのだけど、くたびれた一日だったのと長回しのシーンが多かったのとで途中で寝てしまった。あらためて昨日観直してみたら、やっぱりとても良かった。ここ数年で何番目というくらいだった。音楽家の主人公は映画の冒頭であっけなく死んでしまい、主演ケイシー・アフレックはその後だいたいずっと(回想シーン以外は)白いシーツをかぶった幽霊として無言でスクリーンに立ち尽くしている。生き別れたルーニー・マーラ演じる妻も多くを語らないし、生と死を境目にパラレルワールドが交わることもない。観終えた今も、もう一回あの世界観のなかに身を浸したいと思うような映画は久しぶりだった。多分これから好きな映画を語るときに必ず言及する作品になると思う。

この映画に惹かれた要因はその幽霊のビジュアルがフィービー・ブリッジャーズのデビューアルバムの(アーティストAngela Deaneが手がけた)ジャケットアートワークとの共通点にあったかもしれない。リリースになったばかりのセカンドアルバムで、フィービー・ブリッジャーズは今回は骸骨のボディスーツを着て世界の終わりのような場所で星空を見上げている。再生ボタンを押して何秒かで「これはやばいやつだ、傑作だ」と身震いするような、想像以上のレコードだ。このアルバムも生と死を行き来するような幻想譚が10曲収められていて、毎日毎日、日が暮れてからはずっとこればかり聴いている。

ふたつの作品がリンクした有意義な週末だった。

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