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娯楽映画研究所ダイアリー 2021年7月12日(月)〜7月18日(日)

7月12日(月)『鹿の王 ユナと約束の旅』(2021年・東宝)・『キネマの神様』(2021年・松竹)・『おしゃべりな真珠』(1965年・松竹大船)

『鹿の王 ユナと約束の旅』

「鹿の王 ユナと約束の旅」。コロナ禍に作られた意義を感じるアニメーション・ファンタジー。後半の展開がなかなかで、原作を読んでいないので、どうなっちゃうんだろう?と身を乗り出した。

『キネマの神様』

松竹試写室で、久しぶりに高田文夫先生にお目にかかり『キネマの神様』をご一緒に。テレビ「男はつらいよ」の衝撃の最終回に、抗議の電話をかけた若者(高田文夫先生)と、山田洋次監督最新作を観るシアワセ。切通理作さんも来ていて、一緒に阿佐ヶ谷へ。僕はこれからラピュタ阿佐ヶ谷で、川頭義郎監督「おしゃべりな真珠」を観ます。娯楽映画研究家なりの松竹映画100年であります^_^

『おしゃべりな真珠』

ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、川頭義郎監督『おしゃべりな真珠』(1965年6月26日・松竹大船)をピカピカのプリントで楽しむ。

伊東ゆかりさんが公開直前の6月20日にリリースしたシングル「おしゃべりな真珠」(作詞・安井かずみ 作曲・いずみたく)をフィーチャーした、大人の世界に踏み出した四人の女の子の、恋と愛と性を、みずみずしいタッチでスケッチしたジュニア小説のような世界。原作は今東光先生、脚色は馬場当さん、木下惠介門下の川頭義郎監督による、モノクロの小品ながら、なかなかの佳作。

『三羽烏再会す』

今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督『三羽烏再会す』(1956年9月5日・松竹大船)を楽しく拝見。

戦後11年、新生松竹の三羽烏、大木実さん、川喜多雄二さん、渡辺文雄さんの、大学のラクビー部OBが、社会人となり、それぞれの問題を持ち前のパワーで粉砕していく明朗篇。原作は「ラジオ東京連続劇」「小説倶楽部」連載の、北條誠作「明日の花びら」を柳井隆雄&中山隆三さんコンビが脚色。

7月13日(火)『渚を駈ける女』(1964年・松竹大船)・『ウナ・セラ・ディ東京』(1965年・松竹大船)・『続・若い季節』(1964年・東宝)・『ハイハイ3人娘』(1963年・宝塚)

『渚を駈ける女』

ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」で、今特集、最大のレア作品。酒井欣也監督『渚を駈ける女』(1964年)をピカピカのプリントで。武智鉄二監督『白日夢』(1964年)でセンセーションを巻き起こした路加奈子さん、松竹入社第一回作品として、斎藤寅次郎監督の御子息・斎藤次男さんがプロデュース。

高峰三枝子さん、佐野周二さん、吉田輝雄さん、川津祐介さんの豪華キャストによる、ピンク映画前夜の愛欲メロドラマ。音楽は伊福部昭先生。トップシーン、ウエディングドレスの路加奈子さんが、渚を駈けてゆく。まさにタイトル通りのヴィジュアルで、伊福部昭サウンドに圧倒される。

『ウナ・セラ・ディ東京』

ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」続いては、番匠義彰&鰐淵晴子さんの松竹”THE LAST FILM" 歌謡メロドラマの佳作『ウナ・セラ・ディ東京』(1965年4月2日・松竹大船)。ザ・ピーナッツの「たそがれ東京」を岩谷時子先生、宮川泰先生がリニューアルしたシティソングの最高峰「ウナ・セラ・ディ東京」をフィーチャー。

『続・若い季節』

娯楽映画研究所シアターは、古澤憲吾監督『続・若い季節』(1964年3月20日・東宝)。NHKの人気バラエティドラマの映画化、2年ぶりの第二弾。前作は、クレイジーキャッツ・ブレイクの『ニッポン無責任時代』(1962年・古澤憲吾)直後に作られ、準クレイジー映画だったが、今回は、フジテレビ「森永スパークショー」で人気の”スパーク3人娘”、中尾ミエさん、園まりさん、伊東ゆかりさんがメイン。1963年の正月映画『ハイハイ3人娘』(佐伯幸三・宝塚映画)に続く、”スパーク3人娘”映画でもある。

『ハイハイ3人娘』

娯楽映画研究所シアターでは、伊東ゆかりさん、中尾ミエさん、園まりさんの「スパーク3人娘」をフィーチャーした音楽青春喜劇『ハイハイ3人娘』(1963年1月29日・宝塚・佐伯幸三)を投影。

フジテレビ「森永スパーク・ショー」で売り出した”スパーク3人娘”はテレビドラマ「レッツ・ゴー三人娘」(1962年7月〜9月)や、映画へと進出。タイプの違う三人娘を映画でジョイントさせるというプロジェクトは、昭和30(1955)年、東宝で美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみの『ジャンケン娘』(杉江敏男)に倣ったもの。

7月14日(水)『いとしい恋人たち』(1957年1月3日・松竹大船)

伊東ゆかりさんトークショー

ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」伊東ゆかりさんトークショー。ゆかりさん、冒頭で「おしゃべりな真珠」をアカペラで歌ってくださいました。そこからのトークはあっという間の1時間弱。同作の助監督で松竹入りした仲倉重郎監督にも客席からご参加頂き、弾けるトークに!1967年「ドラゴン捜査網」(英=香港)の話も!

長年、謎だった「ドラゴン捜査網」での歌唱曲、伊東ゆかりさんもご存知なく、宮川泰先生の作曲、安井かずみさんの詩ではないかと推測。初めてピアスをあけた話! パレスホテルの前を通ると『おしゃべりな真珠』を思い出す話。池部良さんの想い出などなど、楽しいトークの時間でした。ありがとうございます。

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『いとしい恋人たち』

今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督研究、『いとしい恋人たち』(1957年1月3日・松竹大船)。原作は佐多稲子さんの「週刊サンケイ」連載同名小説、椎名利夫さんが脚色。SKDから松竹入りして活躍していた野添ひとみさんは、この年、恋人・川口浩のいる大映へ移籍する。その前夜の青春メロドラマ。

7月15日(木)『とめてくれるなおっ母さん』(1969年・松竹大船)・『近くて遠きは』(1957年・松竹大船)

『とめてくれるなおっ母さん』

ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」。7月18日(日)の佐藤蛾次郎さんとのトークを前に、田向正健監督、衝撃のデビュー作『とめてくれるなおっ母さん』(1969年6月7日・松竹大船)をピカピカ、まっさらなプリントで上映!

『近くて遠きは』

今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰研究、鮮やかな、微苦笑の風俗喜劇『近くて遠きは』(1957年4月2日・松竹大船)を惚れ惚れと観た。

毎日新聞夕刊連載の戯作者・飯沢匡先生の「新形式ホームドラマ」を、猪俣勝人さんが脚色。「花嫁シリーズ」で全開する、番匠監督の鮮やかなキャラクター捌きが堪能できる。本当に面白い作品。


7月16日(金)『怪談蚊喰鳥』(1961年・大映京都)・『吹けば飛ぶよな男だが』(1968年・松竹大船)・『明日の夢があふれてる』(1964年・松竹大船)

『怪談蚊喰鳥』

本日開幕「妖怪・特撮映画祭」。スクリーンでは初見となる、森一生監督『怪談蚊喰鳥』(1961年・大映京都)。宇野信夫原作を、橋本忍構成・監修、国弘威雄脚本による「文芸怪談映画」(当時のコピー)。

『吹けば飛ぶよな男だが』

昨夜の娯楽映画研究所シアターは、山田洋次監督のアナーキーでパワフルな喜劇「ちんぴらブルース」改題『吹けば飛ぶよな男だが』(1968年6月15日・松竹大船)をスクリーン投影。本作の脚本仕上げのさなかに、フジテレビ「男はつらいよ」企画が立ち上がり、この年の秋に、車寅次郎が誕生。本作の主人公・三郎(なべおさみ)は、寅さんの若き日の放浪時代ともとれる。

『明日の夢があふれてる』

今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督のラス前の傑作コメディ『明日の夢があふれてる』(1964年12月12日・松竹大船)。「花嫁シリーズ」は、1962年12月19日公開『泣いて笑った花嫁』を最終作と思っていたが、実は『恋とのれん』(1961年4月28日)同様、「花嫁シリーズ」のバリエーションにして、これが最終作と(個人的に)認定!

7月17日(土)『母と子の窓』(1957年・松竹大船)

2021年7月17日、鶴見總持寺。晴天のあじさい忌。石原裕次郎さんのご縁で、さまざまな方々と久しぶりの邂逅もできました。ありがとうございます。

『母と子の窓』

今宵も娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督研究、『母と子の窓』(1957年5月28日)。東京都の母子寮を舞台に、さまざまな母子と、寮母、学童指導員たちが直面する人生の厳しさ、楽しさ、哀しさを描いた、読売新聞連載の竹田敏彦の小説を、猪俣勝人が脚色した、社会派ドラマ。109分の長尺。

7月18日(日)『オンボロ人生』(1958年・松竹大船)

ラピュタ阿佐ヶ谷「蔵出し!松竹レアもの祭」本日、ちょこちょいトリオ(柳家金語楼師匠命名!)の「とめてくれるなおっ母さん」上映後、佐藤蛾次郎さんとトーク! 生涯アウトローの蛾次郎さんと、あれこれ楽しい映画談義❗️ 楽しいひとときでした!

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『オンボロ人生』

今宵の娯楽映画研究所シアターは、番匠義彰監督研究。カラー大作(スタンダード)『オンボロ人生』(1958年1月29日・松竹大船)。加藤芳郎さんがサンデー毎日に連載していた漫画「オンボロ人生」を原作に、沢村勉さんと富田義朗さんが脚色。







よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。