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娯楽映画研究所ダイアリー 2021年12月20日(月)〜26日(日)

「佐藤利明の娯楽映画研究所」カツライスの時代〜市川雷蔵『忍びの者』と空前の忍者ブーム


月曜更新! 今回は忍者映画の金字塔!市川雷蔵さんの「忍びの者」シリーズと忍者ブームについて語ります!

12月20日(月)『マトリックス リローデッド』(2003年・ウォシャウスキー兄弟)・「日本沈没」第8話・9話

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、昨日に引き続き『マトリックス リローデッド』(2003年・ウォシャウスキー兄弟)をNetflixで。これも当時の試写以来となるが、この三部作が、個人的に散漫な印象だったのは、この第二部を観たときに『続・猿の惑星』みたいだなぁと思ったからだったと思い出した(笑)前作よりスケールアップしているのだけど、人類にとって最後の砦であるザイオンを守るための、コンピューターVS人類の戦いが、意外と古色蒼然なので。ネオ(キアヌ・リーブス)とエージェント・スミス軍団の闘いのアクションも、やり過ぎ感ありあり。それが『マトリックス』の売りであり魅力なのだけど。一番良かったのが、モニカ・ベルッチ! この頃のモニカは良いですなぁ。とはいえ、今回は、それなりに面白く楽しめた。

 続いてテレビ版「日本沈没」第八話&九話。山際永三監督になると俄然面白くなるというか、番組が引き締まって来るというか。第八話「怒りの濁流」(脚本・山根優一郎)は、ケムール人に消された刑事・柳谷寛さんが、田所博士の古い友人として登場。福島のダム決壊の特撮は高野宏一さんの演出で迫力満点。第九話「海底洞窟の謎」(脚本・石堂淑朗)は、九州佐多岬沖に、熊襲の遺跡があると信じている玉川伊佐男さんと、息子・大和田漠さんがゲスト。これは面白かった。三津田健さんが財界のドンの役で登場。

12月21日(火)『Still Dreamin’~布袋寅泰 情熱と栄光のギタリズム-』・『マトリックス レボリューションズ』(2003年・ウォシャウスキー兄弟)・「日本沈没」第10話・11話

東宝試写室で拝見! 布袋寅泰さんの40年をたどるドキュメンタリー。同じ時代を、同じ世代として生きてきたので、感無量。懐かしさと新さと!

1月7日DIG&PADレーベルからDVDリリース。中平康監督の傑作『その壁を砕け』(1959年)。デジタルライナーノーツを執筆しました。こちらから読むことができます!

今宵は、Netflixで『マトリックス レボリューションズ』(2003年・ウォシャウスキー兄弟)をスクリーン投影。これも18年ぶり、二度目の鑑賞。第三作は、マトリックスの描写は少ないが、ザイオンを次々と襲撃するセンチネルの群れ、ドリルマシンと人類の攻防戦。センチネルと戦いながら、ザイオンに向かうハンマー号。殉教者としてのネオ(キアヌ・リーブス)の最後の戦い。この三つの戦いが同時進行で描かれて、かなり面白い。でラスト、ネオとエージェント・スミスの闘いは、例によってのスーパーバトル。どうも、僕はこの殺陣が気に入らないみたい(笑)飛んだり跳ねたり、肉弾戦という感じがしなくて。でも、久しぶりに観て、色んな意味で満足、満足(笑)これで晴れて『マトリックス レザレクション』を観ることが出来る!

 続いてはテレビ版「日本沈没」第10話「阿蘇の火の滝」(長坂秀佳脚本・金谷稔監督)。阿蘇の異変を調査に行った小野寺と、病気の弟のために噴火の音を生録しようとする青年・大門正明さんの物語。測候所の青年・亀谷雅彦さんと恋人・新井晴美さんのエピソードを交えて。毎回、トンデモ展開、トンデモロジックに、作り手も視聴者も慣れてきているので、大抵のことは驚かなくなっているが、流れ出る溶岩の音を録音するために命を落としてしまう大門正明さん。どうなんだろう?で、その意思を継いで、小野寺くんが泣きながら録音を敢行する。空前の「生録ブーム」を反映してのエピソード。一番驚くのが、広瀬健次郎さんの音楽、今回から「若大将シリーズ」の曲を使っていること。緊迫のシーンに『レッツゴー!若大将』「夜空を仰いで」を歌うシーンの前奏が延々流れたり、初期「若大将」のモチーフが多用されたりと、なんだか得した気分(笑)

「日本沈没」第11話「京都にオーロラが!!」(山根優一郎脚本・金谷稔監督)では、渡老人(中村鴈治郎)と田所博士の芝居場に「若大将」サウンドが流れて、まことに不思議で、ある意味贅沢な気分。高野宏一監督による特撮シーンもふんだんで、東京、京都の上空に現れるオーロラ。クライマックスの京都の山の崩壊シーンは大迫力。前回は阿蘇の火口で大噴火に居合わせた小野寺くん、今回は京都の山の崩壊でクリフハンガー状態で「つづく」となる。御難はまだまだ続く。

12月22日(水)『マトリックス レザレクジョンズ』・『ウエスト・サイド物語』(1961年・ユナイト・ジェローム・ロビンス、ロバート・ワイズ)・「ホークアイ」最終話・「日本沈没」第12話

これから日本橋で、18年ぶりの続篇『マトリックス レザレクジョンズ』。TOHOシネマズデーなので。つまり四日連続で「マトリックス」を観るわけです。

『マトリックス レザレクジョンズ』。予想を遥かに上回る出来。アプローチが素晴らしく、18年後の見事な完結篇。トリニティーとネオのラブストーリーとしても見事! 同窓会ではなく、落とし前をつける映画になっているのがイイ。キャリー=アン・モスとキアヌ・リーブスの変わらなさに驚嘆!

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、スピルバーグのリメイクに期待が高まる『ウエスト・サイド物語』(1961年・ジェローム・ロビンス、ロバート・ワイズ)。久しぶりとはいえ、子供の頃からリバイバル、テレビ、ビデオ、LD、DVD、午前10時の映画祭と、繰り返し観てきた傑作。2時間30分の長尺なのに、たった二日間の「争いと恋」そして「生と死」。争うことの愚かさと、人種問題、そして若さゆえのやり場のないエネルギー。砂糖菓子のようなハッピーエンドが主流のブロードウェイ・ミュージカルが進化を遂げた作品。レナード・バーンスタインの音楽、スティーブン・ソンドハイムの詞、ジェローム・ロビンスの振付。何もかも完璧。ナタリー・ウッド、リチャード・ベイマー、ラス・タンブリン、ジョージ・チャキリス、そしてリタ・モレノ! キャストもi最高。ナンバーも最高! 本当にすごい映画、すごいミュージカル!

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 続いてはディズニー+「ホークアイ」最終話。これまた濃密な1時間でした。先日、久しぶりに観たばかりの『スパイダーマン:スパイダーバース』と繋がり、『アベンジャーズ エンドゲーム』『ブラックウィドウ』の落とし前がつき、新たなホークアイと新たなブラックウィドウの誕生が匂わされるMCU「バトンタッチ」のプロセスを垣間見る思い。クライマックスのロックフェラーセンターでの壮絶なバトルは、クリスマス・アドベンチャーとしても最高!あの顛末は「スコットに聞いてみないと」わからないしね(笑)MCUファンは必見のシリーズだった!

 そしてテレビ版「日本沈没」第12話「危うし京の都」(山根優一郎脚本・真船禎監督)。折り返しの京都三部作のその2。夏純子さんが、小野寺が泊まる京都の旅館の若女将。登場シーンに必ずデューク・エイセスの「女ひとり」が流れる音楽演出。寺内タケシさんの「祇園小唄」など、過剰なまでの音楽の貼り付けが楽しい。クライマックスの京都大地震の描写は、テレビ映画のスケールを遥かに超えて、しかも沈みゆく金閣寺のミニチュアの贅沢! 生きるか死ぬかの緊迫のドラマに、唄子・啓助のしょうもない笑いがインサートされる不思議。でも、この二人が出てこないと「日本沈没」を観ている気がしない。僕らは刷り込まれているわけで(笑)。根上淳さんが田所博士の三高時代の親友の古美術商役で出演。正月の放送だけに、超豪華版!

12月23日(木)『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021年・20世紀・スティーブン・スピルバーグ)・「日本沈没」第13話

 スティーブン・スピルバーグ『ウエスト・サイド・ストーリー』完成披露試写。リメイクやリブートなどという言葉では片づけられない。1957年のバーンスタイン、ソンドハイム、ジェローム・ロビンスの挑戦を、2021年にスピルバーグが見事に映画化。スピルバーグによる再演で大傑作となった。

 1961年の映画版で、アニタを演じたリタ・モレノさんが、なんと最重要の役で登場。彼女だけが、スピルバーグのオリジナルなのだけど、2021年のアニータが、1961年のアニタと向き合うシーンに心震えた。エドガー・ライトの「ラストナイト・イン・ソーホー」のダイアナ・リグとアニャ・テイラー=ジョイのようなメタな関係でもある。その点では「ウエストサイド・マルチバース」なのだけど、スピルバーグはロバート・ワイズ版を塗り替えるのではなく、限りないリスペクトをしながら、謙虚に2021年版に取り組んでいる。

 ナンバーは、コーラスのタイミング、曲間のセリフまで、オリジナルのまま。なのに、ドラマがより深く、1957年のニューヨークのレイシズムを描いている。ベルナルドやマリア、アニータにとってのヌエバ・ヨークの物語である。その点では「イン・ザ・ハイツ」を踏まえている。「ウエストサイド」を踏まえた「イン・ザ・ハイツ」を踏まえた「ウエストサイド」ってすごいよ!やっぱり。

 ナンバーの変化では「クール」「サム・ホエア」が新たな演出。しかし、それが見事に決まっている。スピルバーグは最低限のリニューアルだけで、オリジナルを2021年に蘇らせ、現代の若者に受け入れられるように、リメイクしている。歴史的建造物をリフォームするように。

 見事なのが、「アメリカ」の演出!ミュージカルを路上に開放した、バーンスタインの『踊る大紐育』、ロバート・ワイズ版と同じ、路上開放のすごいナンバー!これだけでも眼福!

オリジナルと見比べても、本作だけ観ても、バーンスタインの「ウエストサイド」の素晴らしさを体感できる。実にクール!傑作!

ちなみに60年前の今日、丸の内ピカデリーで『ウエストサイド物語』が70ミリで公開されたのです!

帰宅後、アマプラでテレビ版「日本沈没」第13話「崩れゆく京都」(山根優一郎脚本・真船禎監督)。高野宏一監督の特撮による京都壊滅のヴィジュアルは、テレビの枠を超えたまさにディザスターの美学。京都の町家が倒壊するミニチュアワーク。瓦が一枚ずつ落ちていく細かさ。円谷イズム満載。

 しかも真船監督の演出は、大震災の夜、生き延びた京都の旅館の若女将・夏純子さんが、全裸になって小野寺に「抱いて」というシーン。小野寺は玲子がいるから「もっと自分を大切にしろ!」と叱責するが、夏純子さんの覚悟はそんな次元じゃない。全裸の彼女を後ろから抱きすくめる小野寺。

 「そんなきつう抱いたら」のセリフ。そして炎上する京都の特撮カットに、裸の夏純子さんがディゾルブして、さらに弥勒菩薩のイメージが重なる。かなりアバンギャルドなモンタージュだけど、今回のテーマが凝縮されている。小野寺はん、抱きよりましたなぁ・・・

 トンデモドラマで1クール来たところで、傑作回が誕生。後半は、山村聰さんの松川総理が、田所博士の「日本沈没」の警告を70%しか信じられなかったが、再び京都に大地震が発生し、古都壊滅を伝えられて、

100%の確信を得る。そして臨時閣僚会議を招集。でクライマックスは、清水寺倒壊の大特撮!いやぁ素晴らしい! 前半の京都震災では、ワンカット「ニューカーク・モータース」ビルがモスラによって壊されるバンクフィルムあり!

12月24日(金)『キングスマン ファースト・エージェント』(2021年・マシュー・ボーン)・『獄門島』 (1949年・東横・松田定次)・「日本沈没」第14話

 マシュー・ボーン『キングスマン ファースト・エージェント』。大好物のスパイアクション。1902年から第一次世界大戦終結まで、歴史の影で暗躍してきた「悪」「キングスマン」の創始者たちの闘い。
サラエボでの、オーストリア=ハンガリー帝国の帝位継承者フランツ・フェルディナント大公暗殺事件。怪僧ラスプーチンの暗躍。レーニンによるロシア革命。アメリカはなぜ、なかなか参戦しなかったのか? 陰謀論めいた裏側を、懐かしきスパイ映画のタッチで描いていく。

 つまり、わが市川雷蔵「忍びの者」シリーズと同じアプローチ。面白いなぁ。「キングスマン」スタイルのアクション、あのルーツ、この原点を織り込みつつ、ジェットコースターのように展開していく。盛り込みすぎが丁度いい。

 レイフ・ファインズが八面六臂の大活躍。ジェマ・アンダートン演じるポリーがカッコいい。ジャイモン・フンスーのショーラの頼もしさ! 151分の長尺を飽きさせることなく、絵巻物やマンガを読んでるみたいな紙芝居体験!「007/私を愛したスパイ」のあの手もあり、ニヤニヤしながら楽しんだ!

今宵の娯楽映画研究所シアターは、片岡千恵蔵御大as金田一耕助の第二作『獄門島』 (1949年・東横・松田定次)。お馴染みのストーリーを、自由脚色した敗戦四年の探偵スリラー。喜多川千鶴さんの白木静子のテキパキした助手ぶり。小杉勇さんの清水巡査は、流石に上手い。

金田一の有能な助手・白木静子(喜多川千鶴)

 1975年1月5日放送「日本沈没」第14話「明日の愛」(脚本・長坂秀佳 監督・長野卓)。特撮は川北紘一監督。正月に相応しく、田所博士が餅を焼いたり、小野寺と玲子が凧揚げをしたり、羽子板で遊ぶ。唄子・啓介さんの夫婦喧嘩もいつもより増量。こうした長閑なシーンは、子供の頃「そんなことしてる場合じゃないだろ?」と違和感があったが、そのアンバランスが今やこのドラマの味でもある(笑) で、玲子の高校生の時のボーイフレンドに五木ひろしさんがゲスト出演。船員だけど主題歌「あしたの愛」がタップリと流れるサービスもある。

 それでも「日本沈没」なのでディザスターは、群馬県の工事現場で、大陥没が起き始めて、取り残された作業員たちのドラマ。現場監督に穂積隆信さん、その相方に柳生博さん。つまり2年前まで、同じ時間枠で日テレで放映していた「飛び出せ!青春」の江川教頭(穂積隆信)と塚本先生(柳生博)のコンビである。さらに現場には「青春とはなんだ」「これが青春だ」の生徒役の矢野間啓司さんがいる。というわけで河野先生が江川教頭と(その息子たち)塚本先生を助けに行くのがクライマックス。

 川北特撮による陥没シーンは迫力がある。少しずつ周りの崖が崩れていくなか、現場事務所と宿泊所だけとなる。その緊迫のドラマと、田所博士たちの正月描写の暢気さ。ああ、これぞ「日本沈没」だなあと。五木ひろしさんが、玲子に持ってくるプレゼントの包み紙が「銀座松屋」(浅草もだけど)の昔のデザインで、それが懐かしい。

12月25日(土)「僕のフレンチ」(ゲスト・ダイヤモンド☆ユカイ)・「日本沈没」第15話

高泉淳子さんのステージ「僕のフレンチ」。ダイヤモンド☆ユカイさんゲストの今夜、楽しませて頂きました! ミュージシャン、キャストの皆様ともお久しぶりで、楽しいクリスマスとなりました!

高橋くんとユカイな仲間たち!

テレビ「日本沈没」第15話「大爆発・海底油田」(1975年1月12日・脚本:長坂秀佳・監督:長野卓)。今回は秋田篇。ゲストに浜美枝さんと新克利さん。京都地震が引き金になり、マントルの流れ日本沈没を早めていた。小野寺の義弟・岡本信人さんの兄・新克利さんは、秋田の海底油田に命をかけていたが、海底地震でダメージを受けていた。しかも政府は油田の権利を買い上げてしまい、仲間たちは失業。地元の信頼も失っていた。そんな新克利さんに想いを寄せている居酒屋の女将・浜美枝さん。やはり油田の権利を持つフランツ・グルーバーさんの甘言で、新さんは海底に時限爆弾を仕掛ける。それが爆発すると日本沈没が早まってしまう。小野寺は阻止しようとするが時すでに遅し。川北紘一監督の特撮は大迫力! 新克利さんのキャラはどう考えても問題ありありで、身勝手で思い込みが激しく、結果的に大惨事を誘発してしまうのだけど…

12月26日(日)阿佐ヶ谷ネオ書房「佐藤利明の娯楽映画研究所SP」本年最後のイベント「ザッツ・ニッポン・エンタテインメント!2021 年忘れ 銀幕スタア紅白歌試合」・『三つ首塔』(1956年・東映・小林恒夫、小沢茂弘)

本日千穐楽! 高泉淳子さんの「僕のフレンチ」2021。最高に素敵なショーです。本日は、レ・ロマネスクのTOBIさんがゲストです。「ズンドコ節」をフランスで流行させたノヴェルテイソングの偉人です!高橋くんのテンションもMAXで、映画ファンは、うんうんと頷くところ仕切り。配信でも楽しめますので、是非是非! 会場のテーブルに置いてある「僕のフレンチ」DVDのフライヤー裏面は、不肖、ワタクシによるレビューであります。

【佐藤利明の娯楽映画研究所SP】
ザッツ・ニッポン・エンタテインメント!2021「年忘れ 銀幕スタア 紅白歌試合!」12/26(日)15:00〜ネオ書房で開催

 阿佐ヶ谷ネオ書房「佐藤利明の娯楽映画研究所SP」本年最後のイベント「ザッツ・ニッポン・エンタテインメント!2021 年忘れ 銀幕スタア紅白歌試合」。満員御礼のなか、無事2時間余のエンタテインメントの旅、終了しました。

 宝田明さんVS江利チエミさんに始まり、1963年の渥美清さんの応援。今年最大の驚きだったあのヒーローの原点の発見。日米ジャズソング合戦。十六歳の大村千吉さんの至芸(笑)。焼け跡のエンタツ・アチャコ。笠置シヅ子さんVSエノケンさん。さらにヒットキットショー。坂本九さんと特撮。東京五輪→ビートルズ来日→万博まで、歌と笑いと発見、驚嘆の旅を、ナビゲートさせて頂きました。

 来年からは「娯楽映画の昭和」シリーズを開催します。次回は2022年1月30日(日)。正式な告知は来年早々に!

阿佐ヶ谷ネオ書房でイベント納め!

 帰宅後、片岡千恵蔵御大as金田一耕助『三つ首塔』(1956年・東映・小林恒夫、小沢茂弘)。原作は、前年に発表されたばかりの新作。ヒロイン宮本音弥 (中原ひとみ)が受け取る資産が、原作の100億円から10億円にスケールダウン。比佐芳武脚本は、さらに「多羅尾伴内」寄り^_^

 金田一探偵社の敏腕助手・白木静子には高千穂ひづるさん。等々力警部には、テレビ版「日本沈没」のヒール・佐々木孝丸さん。その部下の刑事が山本麟太郎さんなので「警視庁物語」っぽい。また堀井敬三役の南原伸二さんが、前半は不敵なワル風、後半は…というのも楽しい。金田一のキャラは完全に多羅尾伴内の藤村大造。変装もするし、拳銃も所持している。で、要となる「三つ首塔」でのクライマックスは「死亡遊戯」のセットみたいで楽しい。事件の真相が明らかになったところで、大炎上のスペクタクル。千恵蔵御大が、最後にロープで脱出する!カッコいい!

原作を知っていても、まったく別な世界。未見の「多羅尾伴内」を観ているようで楽しかった!

ダンディな千恵蔵御大の金田一耕助!


よろしければ、娯楽映画研究への支援、是非ともよろしくお願いします。これからも娯楽映画の素晴らしさを、皆さんにお伝えしていきたいと思います。