走りながら考えるVOL-11

せーちゃんを焼肉屋に呼び出した。4人での話し合い。そしてせーちゃんは女性を連れてきた。焼肉がきてたのか、食べ終わってからか、忘れてしまったが、私が切り出した。「前にも話したと思うけど、今度店をやるんだ。だから店長をやってほしい。」静寂が流れる。「できるはずないじゃん。だってこの前、社長によろしくお願いしますって言っちゃったじゃん」
父も母も黙って頷きながら聞いている。頷く場面ではないと思うけどね。せーちゃんは、諏訪商店に入る意義とか、理由とかそういうことを聞いてきた。父は口籠もる。何かは言っていたけど、理由にはなっていない。母は、戻ってきなさい。こういうのはタイミングだ!の一点張り。なんだか会話になっているのかどうか。
そして、私は渾身の一言を放つ!
「お兄ちゃんの命令だ❗️」
この一言が、諏訪商店を飛躍的に発展させる一言となったと思う。せーちゃんはひとまず了承した。隣の女性は、せーちゃんの彼女。どこかでみたことがある。どこでみたのだろう?「伊藤さん、どこかでお会いしました?」「はい、聖二と一緒に働いています。お兄さんに何度かお茶を出したことがあります」
私は、当時お得意先さまであったせーちゃんが勤めるスーパーから2人も引き抜いてしまった。
「会うのが遠くなっちゃうね」
「私たち結婚します。」
せーちゃんが2度見した。恐らくだが、この時結婚が決まった。おめでとう㊗️
さて、私はスーパーの社長に挨拶に行った方が良いと思い、父に相談するも父はその必要はないという。なぜそんなこと言った?そのあと取引は萎んでいった。

さて、こうやってせーちゃんは入社した❗️3月のオープンまであと3ヶ月❗️とても忙しい日々がやってくる。最初に教えたのは、プライスカードの作り方。エクセルでワードアートとか使いながら、連続コピペを教えたら、「早く言ってよ!」と今までのプライスカードの作り方を悔いていた。そのほかにもいろいろ教えたような気がするがあまり記憶がない。笑いながらチラシを作ったのは覚えている。オープンも差し迫り、商品を陳列する段階で、せーちゃんは私とか、当時の社長に陳列をさせてくれなかった。自分でやるの一点張りで、自分の納得するようにやりたいようだった。こういうところとても頑固だ。私は思いついたように、数名のメンバーで、地域の皆様にお饅頭を配ることを思いついた。私は、オープン前3日間で、300件ご挨拶に回った。他の方の分も含め、1000件ぐらい回ったことになる。

「新生交差点にオープンします。よろしくお願します。」

と言いながら台車を引きながら回っていると、一人の小学生が付いてきた。その小学生は私にいろいろ教えてくれる。ここの家は、若いのと年寄りがいるから2つのほうがいいよとか、ここの家は犬がいるから気を付けろとか。その子にお饅頭をあげたら、次の日も下校中についてきた。ここの家は、午前中しかいないよとか教えてくれる。2日目の途中その数は10人ぐらいになった。お饅頭をあげたよ10人に。そして、3日目、私についてくる小学生は50人ぐらいになった。50人にお饅頭をあげた。小学生は私にいろいろなことを聞いてくる。私は、フォレストガンプの映画を思い出した。意味もなく走り出したガンプに、なぜか最後何百人という人たちが後ろからついてきた場面があったっけ。
妻にその話をすると大笑いだ。「やっぱりあんたガンプに似ているよ」って感じ。まーそんな感じで、せーちゃんがたくさんの生産者と交渉し、野菜もそろい無事オープン!この交渉は結構ハードであったと思う。そして、たくさんのお客様がいらっしゃった。レジにたくさんお客様が並ぶ中、社長が私に言った。「レジに入れ」
当時私がレジ打ち一番早かった。というか私しかいなかったのかな?でもせーちゃんは懇願するように私に言った「いま専務がレジに入ってしまったら、ずっと入ることになるから入らないで」
私より、先を見れてると思った。まー無事オープンということでめでたし、めでたしなんだけど、1週間後かな?2人で道路側から房の駅を見ながら・・・「これからだね」とつぶやく。お客様が閑散としているお店を見ながら、どうしようと思った。

ここでの教訓はこうだ!
「正解は走りながら見つける」

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