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組織変革としてのカスタマーサクセス

皆さん、こんにちは!株式会社マツリカの佐藤(@toshi0310maz)です。人事からカスタマーサクセスに異動して早1ヶ月が経ちました。仕事始めに決意のnoteを記載しましたが、その決意とは組織変革屋としてお客様と向き合うというものでした。

実際にお客様とやり取りする機会も出てきましたので、1ヶ月経過したこのタイミングに「組織変革としてのカスタマーサクセス」とは何を意識して、何にこだわっているのか、その3つのポイントを記載したいと思います。

① 態度変容の3ステップ

これは私がリンクアンドモチベーション時代に教わった考え方で、今でもとても大切にしています。社会心理学の父と呼ばれるクルト・レヴィンが提唱したもので、具体的には「Unfreeze(解凍)」⇒「Change(変化)」⇒「Refreeze(再凍結)」の3つのステップを指しています。人や組織を変革するには、このステップで変革プロセスを設計すると有効だと言えます。

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よく「氷の形を変える」というメタファーで話されますが、四角い氷を丸い氷にする場合、無理やり削り始める(Change)と傷がつき、ともすると割れてしまうかもしれませんが、一度溶かして水に戻した後(Unfreeze)に、その水を丸い形の容器に入れて(Change)、改めて凍らせる(Refreeze)と、綺麗な丸型の氷ができることと同じです。

ただ、実際には変革のスピード感を求めたり、結果を早急に求めたりするが故に、Unfreezeを飛ばして、Changeから入ってしまうことが多々あります。これだとなかなか上手くいきません。私はカスタマーサクセスにおけるお客様の支援も同様だと考えています。お客様との関係性を作るとき、お客様の社内でSensesを利活用頂くとき、私は「まずはUnfreezeから!」と心で唱えていますw

具体的に私はお客様と初めてお会いした時に「Sensesのことを教えてくれる人」という認識を揺るがすことを意識しています。当然Sensesに詳しくないといけませんし、それに対して答えることも必要なのですが、私はそこでは勝負しません。それよりも「Sensesを使って組織変革をサポートする人」と認識された方が価値を発揮できますし、結果的に信頼も得られるからです。そのためには時間軸と空間軸を変えてもらう必要があります。

実際に私は初回訪問ではSensesの話をあまりしません。それよりもどういう営業組織にしていきたいのか、そこに至る道で何が問題となっているのかを聞かせて頂き、その上で私が考える原因や課題を素材にディスカッションするイメージです。そして最後にSensesに接続しています。そうすると一気に話せるスコープが拡がるので訪問する理由も増えますし、結果として一緒にChangeに向かう関係性になりやすいのです。このステップがないまま、いきなり我々が「こうしていきましょう!」と働きかけてもなかなか響きません。運命共同体になっていただくためにも、まずは私に対する認識を揺るがす必要があるのです。

これはSensesをチーム内に浸透させていく場合も同じです。いきなり「Sensesをしっかり使いましょう!」と伝えても、人は現状維持バイアスや近視眼バイアスに負けてしまい、変化していくことはできません。まずはUnfreezeが必要なのです。今までの当たり前を揺るがすべく、健全な危機感と変化した先の期待感を醸成しないとダメなのです。実際にどうすればいいのかは3つ目のポイントで触れたいと思います。

② 最初の2割に火をつける

Sensesをフル活用頂ける状態に向けて、私は自分の中での目安を「まずは全体の2割の人達にマスターして頂くこと」と置いています。これはSensesを使いこなせる人というよりも、Sensesにポジティブな印象を抱き、前向きに使ってくれている人を2割創るということです。

何でもそうですが、何かをやろうとした時に、組織の大半の方は日和見状態であることが多いです。“絶対にやろう”とも“絶対にやらない”とも特に決めておらず、周囲がやるならやろう、やらないなら別にいいか、ということが多いように思います。そう考えた時に、そのマジョリティを動かす核となるのが最初の2割だと考えているのです。もちろん最初の核となる人数は多いに越したことはないですが、最低2割に火をつけることができれば何とかなるはずだと思ってやっています。2割に火がつけば、その2割に影響された3割が現れ、その結果として過半数を超え始めると一気に臨界点をも超えていく、そんなイメージです。

もちろん、最初の1名は①で記載したUnfreeze済の方であればよいですし、その方が責任者ではない場合、上長を2人目として巻き込めると素晴らしいと思います。ただし、契約更新頂くためのアクションではなく、あくまでお客様が目指す営業組織への変革アプローチとして書いていますので、意思決定者に火をつけられれば良いという訳ではありません。あくまで変革の火種をつくるという意味合いですので、私は現場の方とコミュニケーションを取る機会を作るように意識しています。当然、火をつけるためにはUnfreeze⇒Change⇒Refreezeのステップは欠かせません。

③ 場とツールによりムーブメントを起こす

これが具体的なアクションとして一番こだわっているポイントです。Unfreeze~Changeを行うためとも言えますし、最初の2割を創るためとも言えますが、場とツールを掛け合わせることで行っていきます。ムーブメントというとやや大げさなのですが(笑)、その組織内に変革の流れを生み出すということです。

我々にはSensesという素晴らしいツールがありますので、私自身が提供するのは「場」となります。特にUnfreezeを行うにはコミュニケーション施策が有効だと言われていますので、場づくりはとても効果的な一手となります。もちろん、導入説明会や活用セミナーも立派な「場」ではありますが、そこでSensesの機能や操作の説明ばかりやっていてはUnfreezeすることはできません。

大事なのは、改めてマインドセットをしていただくこと、その為に時間軸や空間軸を拡げて頂いたり、対話型にすることで思っていることを吐き出していただきながら、変化に向けて気持ちを整理して頂いたりすることなのです。実際に私がお客様の営業チーム向けにやるセッションは、

・環境変化から鑑みた場合、どのような組織が強いと言えるのか?
・なぜPDCAサイクルを回すことが重要なのか?
・モチベーションの観点からはどのようなフィードバックが効果的なのか?

など、そのお客様に最終的に伝えたいメッセージから逆算して、その必要性を適度な危機感と目指す状態の観点からお伝えするようにしています。且つ、できるかぎり一方通行にならないように、時間が許すようであればディスカッションの時間を設けています。ここにSenses云々は関係ありません。

ただ、それをアナログで実践し続けるのは非効率で再現性も担保できないですし、習慣化・定着化の観点でSFA、特にSensesが有効であるということはしっかりとお伝えしています。これは後付けで言っているのではなく、実際にそういう思想で設計している(現場ファーストで使いやすいものになっている)ので、無理なく伝えることができるのです。

これが上手くはまれば、用意した場で「ちょっとやってみようかなという意識(Unfreeze)」と「こんな風にやっていくんだという方向性(Change)」が見出され、実践サポートとしてのSensesがツールとして活きてくるのです(Refreeze)。一定期間後に、例えば貯まってきたデータをどうするかということを考える場を再びつくれば、その組織の中でムーブメントが生まれてくるのです。

さいごに

以上が私の考える組織変革としてのカスタマーサクセスであり、私自身が大切にしているポイントです。組織変革屋としては上記の考えでたくさんのお客様を支援させていただきましたが、カスタマーサクセスとしてはまだまだ仕掛け中ですので、③で記載したムーブメントを起こせるかどうかも含めて2月以降の働きかけに掛かっていると思っています。

そして、こんな感じのカスタマーサクセスを私はやっていきますので、一緒にやっていきたいという同志がいれば、ぜひお気軽にご連絡ください!まずは一緒に語りましょう。


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