見出し画像

講座の価格を4倍にして売れるのか?

コロナ禍のなか、ブランド・マネージャー認定協会の講座は、昨年3月以降、集客が本当に厳しかった。

昨年3月~6月は、対面講座は中止せざるを得なかったので、その期間の売上は0だ。対面のビジネスはどこも同様のことだと思うが。

ということで、昨年4月から講座オンライン化を準備し、スタッフのがんばりもあって7月からの開始が可能になったが、コロナ前の対面講座と比べると、売上的には半分にも満たないほど厳しい状況が続く。

昨年7月以降の集客状況を見ながら、いろいろと調べていたが、昨年11月に、このように集客が厳しくなった理由が見えてきた。

シンプルに言うと、オンライン講座は、価格競争に陥っている。

e-ラーニングにいたっては、無料のものもあるので、まともに戦っていては、勝ち目は全くない。

特に当協会のベーシックコースは、対面時には、丸2日間で提供していたのをブレンデッドラーニングという、eラーニングと集合研修を掛け合わせた方法で提供している。※集合研修自体もオンライン対応

ブレンデッドラーニングという方法で、かなりクオリティも高く開発したつもりだが、価格は12万円だ。この12万円の金額が、どうやら最初の敷居としてかなり高いようなのだ。だが、価格は下げるつもりは全くない。

そんな折、昨年9月頃から、いろいろ思惑していたところ、2~3ヶ月かかってしまったが、あることに気づいた。

次のステップアップ講座であるアドバンスコースは、対面の場合、丸4日間かかり、試験費と認定費も合わせると、約30万円かかる比較的高額な講座だ。
だが、コロナ禍では、ベーシックコース受講者数自体は減ったが、アドバンスコースへステップアップする受講者の確率は以前と比べて、明らかに高くなっている。

このことをよく見つめてみると、ある方向性が見えくる。

そもそも価値とターゲット(届ける人)を変換する必要がある。

まず、金額を整理してみる。
ベーシックコース単体で12万円。
アドバンスコース単体で30万円。
上記合計の総額42万円。

12万円の講座を高いと感じる人に届けるのではなく、総額42万円でも安く感じる、お得に感じる人に届けるべきだ。

このあたりの販売戦略は、協会本部コンサルタントと練ってきたわけだが、改めて言語化してみる。

※総額42万円の講座を「ブランド戦略構築講座」と仮に名付けてみる

この「ブランド戦略構築講座」を誰に届けるのかを分類してみる。過去の受講者の属性や、ヒアリングを重ねてきた結果、概ね次の4つに分ける仮説を立てた。

1. 経営や事業の意思決定に関わる職務についている人
2. クライアントへの経営支援領域を広げたいンサルタントや士業
3. コンサルティング業で独立開業目指したい人
4. クライアントへの支援領域を広げたいクリエイターや広告制作会社の経営層

この次に進めるべきことは、この人たちは、それぞれどのような課題を持っているか?
をたくさん列挙してみることだ。

ということで、まずは1の職務の人の悩み、困っていること、いわゆる「行き詰まり」を次のように3つに分類してみた。

①高利益率の商品の開発のためには、どこから手を付けるべきか?
 競合と差別化を図り、もう少し利益率の高い商品やサービスを開発し提供できるようにしたいが、コロナ禍ということで、状況が日々変化していることもあり、なかなかアイデアがまとまらず、あっという間に1年経ってしまった。そろそろこのままではマズいと尻に火が付き始めている。でも、いまさらどこから手を付ければ良いのだろうか?

②今回のコロナで限界。根本的な対策はないか?
今日まで何とか自分の経験側でうまく回ってきたが、今回のコロナでもう限界。根本的に対策を取り組み直さないと本当にマズいと危機感を持っている。でも、どうやって取り組んでいいのか? どこから取り組むべきなのか? お金も時間も無駄にしたくない。

③コンサルへの依頼は敷居が高い。自身で効率的にできないか?
コンサルティング会社に頼んだら時間も費用もかかるため、とても敷居が高い。何とか自分で経営課題が解決できるようにと、いろいろなセミナーを受講しているが、所詮、知識習得や情報収集に過ぎず、そもそもの経営課題の解決に至っていない。時間が無いなか、効率的にできる方法は無いのか?

上記の分類以外でも、「行き詰まり」は、まだまだある。
・売上高を上げ、利益を出したいが、その方法が良く分からない。
・もう少し利益率の高い商品を販売したいがその方法が分からない。
・競合との差別化がうまくできないため、いつも値引きや値下げばかり。
・実務経験は豊富でありながら、これまでのやり方ではなかなか新しいアイデアが生まれない。
・いままで場当たり的で何とかうまく調整できたけど、そろそろ限界を感じている。
・自分にはいろいろと理論知識はあるものの、どこから手を付ければ良いのか整理がつかない。
・「学ぶ」というより知識を整理し、効果的に戦略を組み立てたい。
・立場上部下がいる手前、いまさら恥ずかしくて会社で公に分からないことが聞けない。
・会社というより自分のノウハウにして、会社の成長に活かしたい。
・経営塾に行くほど、時間に余裕が無い。
・コロナショックにより、うちの会社も雇用の変化が起きそうで不安だ。
・「メンバーシップ型」から「ジョブ型」雇用へ移行されていくと言われているが、スキルをもっと身につけないとまずい。

次に、「行きづまり」をどのように解決・解消するのかを言語化する。

「ブランド戦略構築講座」で受講者が得られること
・「ブランド力」を武器に、会社の成長戦略の骨格とその具体策が設計できる
・短期間でスキルとノウハウがワンセットで習得でき、自社の課題解決糸口がちゃんと整理できる
・ブランド構築のスキルとノウハウの能力を認定する 「ブランドマネジャー1級」 資格が付与される
・汎用性があり、分かりやすい 「ブランド構築フォーマット」 が手に入る
※ブランド・ステイトメント全23ページ

「ブランド戦略構築講座」で期待できる経営効果
・収益性の高い商品やサービスの開発や販売取組が全社的に取り組める(収益率の改善)
・取り組むべき事業の精査ができ、経営資源のムダ遣いが抑制できる(経営資産の効率化)
・戦略設計後のPDCAが見えやすく検証や改善もし易いため、社内共有が速い(人材の有効活用)

次は、これらをメッセージとして変換し、LPなどで伝えていくわけだが、最大限にメッセージを練り込んで、上手く届いたとしても、いきなり総額42万円の講座に申し込んでもらえることは、あり得ない。
※今まで何度も経験しているが、高額商品は直接的に販売することは無理だ。

そこで必要なことは、敷居を下げるための階段で例えると低い「踊場」が必要となる。その役目を果たしてくれるのが、今回のケースだと、フロントセミナーや説明会となる。その踊場は、接近戦となるので、さらなる課題の顕在化、課題解決法を伝え、既にその課題を解決した事例(卒業生)を、その人にできるだけ合わせて見せる必要がある。

その場で未だ悩みが解決・解消していない人には、まだやることがある。一人一人に説明する場を設ける。これらを全てオンラインで行う。

このように、

・届ける人を見極める
・上手く届くメッセージ作る
・踊場を作る
・踊場で上の階段に上がる策を設計する

を、設計し、素早く実行し、定点観測する作業が必要だ。

jまずは1つ目の人に届けるため、たった今、実際に整理し準備を進めているところだ。

このような生々しい裏側の内容を記載するのもどうかと思うが、試行錯誤を書き溜めておくことで、自分を「しつこい」実践をやらざるを得ない環境を作っておく。

まずは、1つ目の人に届ける作業をやりつくすことだ。
別の機会で、そのプロセス、そして成果も共有したいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?