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良いとこ取りのオスプレイ 操縦は難しいのか


V-22 (航空機) - Wikipedia

数か月前の2023年11月、米軍の輸送機オスプレイが墜落し、アメリカ政府はオスプレイ全機を一時飛行停止にした。今は飛行再開されたが、英国BBCによれば原因はチィルトローター(プロベラ部を傾ける)部の部品の不具合とのことだ。

私はヘリコプターの免許は持っていないが、飛行機の免許はもっているので、飛行のことは多少分かる。
それで私は、ヘリコプターの良さである垂直離着と、飛行機の良さである高速&長距離飛行の「いいとこ取り」をしたオスプレイの操縦は難しいだろうと思っていた。

だが、同機の米軍パイロットに訊いてみたら、「別に難しくはないよ」とあっさりと言う。

私は内心、そんなことは無いだろうと思った。
だって離着陸時はヘリコプターの操縦操作を行い、巡航速度で飛ぶときは飛行機の操縦操作をしなくてはならない。
つまり二つの操縦要素を持ち合わせなければならないし、一番難しいと思ったのは、その切り替え時だと思ったからだ。つまりプロベラ部をチィルト(傾ける)させる時だ。

それでさらに訊いてみた。
「あなたのオスプレイでの飛行時間は何時間ですか」
すると約600時間だという。これは決して多い方ではないが、少なくもない。この機が世に出てまだ新しいからそんなものかな、と思った。
それよりもなぜ彼が「別に難しくはないよ」というのかと思って、さらに質問を重ねると、理由は簡単で「コンピューターが行ってくれるから」だった。

なるほど納得!
それなら、ある程度訓練を受ければ、操縦は可能だと思った。

操縦席というよりも、これではまるでコンピューターゲーム室のようだ。

では、免許は何が必要なのか? 飛行機の免許とヘリコプターの両方の免許なのか?
その疑問を投げかけてみたら、これも簡単なことだった。
つまり、この機は民間使用ではしていないので、軍専用の資格があればOKという。
アメリカでは「パワードリフト機」に分類されているとことだ。

一般的に、ヘリコプターは部品の数は飛行機の3倍、操作の難しさも3倍と言われる。操縦免許を取るのも3倍の費用と言われている。

そして、日本においての飛行の免許は、大別して4つに別れる。
1・飛行機(固定翼機)
2・滑空機(グライダー)
3・回転翼機(ヘリコプター)
4・飛行船

すると、もしオフプレイが民間機として使われるようになったら、国交省はこれに「チィルトローター機」あるいは「パワードリフト機」を加えるのだろう。

オスプレイの愛称は、タカ目の猛禽類「ミサゴ」の意である。
オスプレイは、アメリカ海兵隊においては、中型輸送機として、ヘリコプターのCH-46の後継機材として導入された。
その能力はCH-46に比べてMV-22オスプレイは、速度約2倍(巡航速度241㎞/h→446㎞/h)、航続距離約5.6倍、行動半径4倍、輸送兵員数2倍、飛行高度約3.5倍、物資積載量約3倍となっている。


ヘリコプター CH-46


その性能は素晴らしいし、いいとこ取りのオスプレイの発想と実用化したことは素晴らしいと思う。
でも、墜落だけはごめん蒙りたい。

何の世界でも、新しいものが世に出ると、予期せぬ問題が起きる。
関連して思い出すのは、1953年から発生した、世界最初のジェット旅客機であるイギリスのコメット連続墜落事故である。金属疲労による空中分解である。

世界初のジェット旅客機 英国のコメット。
4発エンジンの実に流麗な機体であったが、
金属疲労が原因の空中分解事故を連続して起こした。

オスプレイの完成度が上がることを願うばかりである。そして空飛ぶ棺桶の汚名を返上して欲しい。
だって、我が家のすぐ近くを時々オスプレイが飛んでいるから。

2014年9月撮影。横田基地にて。

#オスプレイ #横田基地 #コメット #ジェット旅客機 #飛行機 #ヘリコプター


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