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当時の情景が伝わってくる・・・映画「窓際のトットちゃん」
■リアルに描き出された戦時中の情景と、トットちゃん
この映画を見ずして、年は越せない・・・と思うほど、黒柳徹子著の「窓際のトットちゃん」に惹かれた。
本と、それを基にした映画は「別物」と言われるが、この「窓際のトットちゃん」は、かなり原作に近い形で作られていた。
著述した本は、詳細まで分かり面白い。だが、挿絵が無いので情景は想像するしかない。
それを基にした映画は、詳細はカットされているが、逆に映像があるので、情景が伝わってくる。
戦前、そして戦中の東京の自由ケ丘や、「大東亜共栄圏」などと書かれた街並みの情景が、当時を彷彿とさせる。
この本や、映画に興味を持たれたら、本からでも、映画からでもよいので、是非読んで欲しい、観て欲しいと思う。
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■ 誤解
つい数か月前まで、黒柳徹子さんのことを、「物知りで、頭の回転が速い、玉ねぎ頭のお姉さん」くらいにしか思っていなかった。
世界的なベストセラー「窓際のトットちゃん」も、そんな芸能人が書いた「単なる一冊の本」くらいにしか思っていなかった。
だが、私が浅はかだった。
あるキッカケから、本を読み、その実話の内容に惹かれた。
本の舞台である東京の自由が丘、九品仏などは、私が住んでいた等々力から自転車で行ける近いところなので、土地勘があり、なおさら実感が湧いた。
彼女は、自由な校風のトモエ学園の校長である、小林宗作校長先生のことを書き残したい一心で書いたものだった。
近年読んだ本で、まれに見る面白い本だった。
それが映画化された。
いや、映画化の話はもっともっと前からあった。でも彼女は「小林宗作校長先生を演じられる役者は、日本にはいない」として、映画化を断り続けた。
でも、ここにきてアニメで製作となり、実現したのである。
私はワクワクしながら、映画館に向かった。
物語の展開は、ほぼ本のとおりなので、次にどうなるか分かる。
でも、昭和16年の太平洋戦争への突入、そして昭和17年、18年、そして20年とシーンが展開していく毎に、世相を反映した画像が描かれているのを見ると、本では得られなかった光景が映し出されてくる。映像の訴求力を、改めて感じ入った。
最後には、観ながら涙がでてきた。
空襲で無残にも燃え崩れるトモエ学園。それを見ながら、本当は気も狂わんばかりであろうに、気丈に「今度は、どんな学園を造ろうか」と言う小林校長。
私は、多くのに人に、見てもらいたい、そして読んでもらいたい、と強く思った。
これだけ大変なことを、明るいタッチで描いたトットちゃんこと黒柳徹子さんに、心からの感謝の意を表したい。
■ 叫びたい!・・・天国の小林宗作先生へ
そして、叫びたい。
天国にいる小林宗作校長、貴方の育てたトットちゃんが、貴方のことを書き残したい一心で本も書き、映画にもなりました。
どうぞ天国から今一度、降りてきて、もう一度、子供たちを育てて下さい。もし私が子供に戻れたら、私もトモエ学園に入れて頂けますか
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