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予想もしなかった突然の死別



心の準備も出来なかった事


2023/7〜タイ移住したtoshiです。
35年連れ添ったタイ人の妻とタイ移住して4ヶ月で妻をコロナ感染により突然失う事になった顛末については過去記事に記しましたが、妻(家族)との死別でも 病死と事故等による別れでは遺された人間の感覚に大きな違いがある様に思います。
病死の場合 (私の妻もコロナ感染と言う事で病死は病死なのですが、状況的には事故死に近い程突然でした)妻の様な突然の病死以外は亡くなるまでに幾らかの日にちがあって 納得するしないに関わらず考える時間と言う物は存在する事になります。
覚悟を決めると言うか心の準備をする事が可能な時間を持つ事が出来ると思います。
その間の遺される者の辛さは突然死であっても病気発覚から時間があった病死であったとしても変わらないのでしょう。
私の妻の様に突然コロナに感染して 亡くなる日の昼食まで普通にしていたのに、3時過ぎに具合が急変して30分で他界してしまった様な状況だと、本人も含めて周りの人間も全く死ぬ事など考えていないので、心の準備処ではありませんでした。

楽しかった事も想い出に

ありがとうも言えなかった事

何も言う事が出来ませんでした。
35年間外国である日本で生活して社会に溶込みしっかりと子育てしてくれた事に
ありがとう
も言えませんでした
右も左もわからない日本に連れてきて 戸惑う妻に時々は辛く当たってしまった事に
ごめんね
も言えませんでした
さようなら
だけは息を引き取ってからどんどん体温を奪われて行く妻に対して言う事が出来ましたが、本当に聞いて欲しかった
ありがとう
ごめんね
は聞いてもらうことが出来ませんでした。

妻には感謝の気持ちしかありません。

脳が緊急避難して感情麻痺に


45分位前に普通に話をしていた妻の息が止まって人工呼吸と心臓マッサージをする事になるとは1ミリも考えていませんでした。
多分本人も自分が死んでしまうとは思っていなかったでしょう。
「やっぱり病院行くよ」
なんて流れから突然
「ちょっと苦しくなってきた、救急車呼んでいい?」
になって 自分で救急車を呼んで救急車が到着する前に息を引き取ってしまったので何も考える余裕は無かったでしょう。
それは横に居た私も同じで さっきまで普通に会話していた妻が自分の腕の中で息をしなくなってしまった事に
「えっ、なんだよコレ!」
と言う感覚が一番強かったと思います。
状況は判るのですが理解することを私の脳が拒んでいます。
実際にはショックが大き過ぎたのか感情が麻痺した様な状態になってしまい、殆ど外部からの刺激に脳が反応しなくなってしまったようでした。
そんな感じだったので葬儀の時も
(涙は流れるが泣いている訳ではない)
様な状態で正常な感覚からは程遠い感じでした。
恐らくは人生にとってとても大きな衝撃に対して心を守る為に脳が防衛体制をとって外部の刺激の入り口を思い切り絞って 内部に刺激が届かないようにしたのかもしれません。
感情の起伏の少ない人間らしい反応が出来ない状態になっていました。
そのままだと多分危険な精神状態だったのだと思いますがトイプードルのサクラの世話をする事で少しずつ回復して行くことが出来ました。
2ヶ月半位掛かりましたがなんとか少しずつ感情の起伏が正常に近く回復してゆきました。

感情が麻痺していた頃

半年が過ぎて思う事

今 妻の死から半年が経過して、想い出と妻の抜け殻の様な遺品に溢れていたコンドミニアムを引き払って新しいコンドミニアムで再スタートしました。
トイプードルのサクラとの2人暮らしですが、サクラが居るおかげで割と規則正しい生活が送れています。

サクラのおかげです


私も大動脈解離の手術の事後診断で1ヶ月半に1回病院に通う事になりましたが、親戚達の近くに引っ越したのでサクラを預けたり、病院でのやり取り等もすっかり親戚達にお世話になりながら生活しています。
居なくなってしまった妻に対しては
「結婚してタイに連れてきてくれた事」
「物怖じせずにポジティブに生きる事をおしえてくれた事」
を 益々感謝して暮らす様になりました。
タイに来ても日本に居る時と同じく廻りに親切な方々が沢山居てくれるのは妻の性格のなせる技なのだろうと思います。
タイに移住する決断をして本当に良かった。
移住のきっかけを作ってくれた妻にもう一度言います。
本当にありがとう!」

妻は海に





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