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アーケードゲームを遊ぶには覚悟がいる 「式神の城」レビュー

2021年ゲームレビュー 17 
3.1時間。イージーで全キャラクリアするまで。
2001年にアーケードで登場した縦スクロール弾幕シューティングの傑作、だと聞いていたが、筆者には合わなかった。「クリアできないからつまらない」などと宣うのは諸先輩方から叱られそうなのだが……。
以下ネタバレ。20年前のゲームにネタバレも何も無いだろうけど。

ストーリー

東京で連続猟奇殺人事件が起こるので、空を飛べる霊能力者たちがそれを解決する物語。鍵となる犯罪者を倒していくと何やら大きな城のようなものが出現し、その中にいる黒幕を倒すことになる。

特徴的なのはストーリーがボス戦前後の会話で表現されること。各キャラの性格や目的が分かりやすくなっている。今は普通に採用されている要素だと思うが、2001年当時は画期的だったのだろう。

キャラクターも個性豊か。玄乃丈さんかっこいい。敵も自機の面々と少しずつ因縁がある。

推しの玄乃丈さん

ゲーム

通常攻撃でまっすぐ進むのは光太郎の通常攻撃くらいで、他はかなり独特。式神攻撃やボムでキャラ付けされているのも面白い。ボイスは少し聞き取りづらいかも。

もともとアーケードゲームという事情のためか、難易度はかなり高い。本作では当たり判定が表示されない割に敵弾は多くて速く、被弾しやすい。最初のプレイではイージーにもかかわらず光太郎君は60回も被弾している。コンティニュー時に自機のパワーが初期化されるのもきつく、コンティニュー直後は戦車に水鉄砲で挑むがごとき無理ゲー感がある。

ボムも1機につき1ボムで、5つまでしか保有できない。ボムはエクステンドやパワーアップ時にも増えるが、つまりそれは上手くならないとボムが増えないし、最大までパワーアップすると逆に後がなくなるということ。1プレイで撃てるボムの最大値が決まっていて、冷静に考えればそこまでおかしいことではないのだが、体感的に難しさが先行する。

本作はプレイの爽快感が薄いというか、正直あまり楽しくない。なんというか、ゲームがこちらを殺しに来て、お金を奪おうとしているのが透けて見えてしまう。ストーリーの薄暗さに引っ張られているのか、ビジュアルも少し地味で盛り上がりに欠けるのが厳しい。

キャラの絵は良いのだけど、画面が寂しい

おそらく、家庭用ゲームでずっと遊んできた筆者にとってアーケードゲームは最初から文化が違うのだろう。よほどのことがなければクリアできるように作られている家庭用ゲームと、簡単にクリアされたら商売として成り立たないアーケードゲーム。困難に挑戦する気持ちが無いわけではないが、それを本作に投入できるほど筆者は硬派になれなかった。

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