見出し画像

店子はモンスターでも子も同然 「メゾン・ド・魔王」レビュー

2021年ゲームレビュー 20 

9時間。メインクエストをすべてクリアするまで。

魔王となってアパートを経営するタワーディフェンスゲーム。1画面に収まるミニマムさや量産型なのに個性豊かなキャラクター、一筋縄ではいかない歯ごたえも加わって、きめ細やかな作り込みを感じた。
以下ネタバレ。

ゲームの目的は魔王が手に入れたアパートを大きくしていくこと。アパートには様々なモンスターを住まわせることができ、家賃を得ることでお金を貯め、アパートを改装していく。平屋建てのボロ長屋から始まり、2階建て、3階建てを経て、最終的には4階建ての魔王城となる。

魔王は屋上の自室を出て日光浴することも

各部屋にはそれぞれ個別に家具を置くことができる。住人によって適切な家具は異なり、例えば生きた水槽のような見た目の「ミズニン」であれば暑さに弱いので扇風機やクーラーで冷房を用意してあげるべきだし、逆に体が燃え上がる「メラミン」であれば炎獄床暖房を置いてあげなければ病気になってしまう。住人となるモンスターの種類は全部で7種族×4枠の28種がおり、満足の行く家具と家賃が揃えばステータスにボーナスが乗る。

ステータスは天候にも左右される

アパートは文字通りモンスターの巣なので、アパートには人間の冒険者が頻繁にやってくる。冒険者は魔王の部屋まで行ってお金を奪っていくので、住人に頼んでこれを撃退する。

うーん、今までいろんな勇者をやってきたけど、魔王にとっては強盗みたいなものだったのかも。

伝説の村人とかもいる

難易度は微妙に難しく、いろいろな種族を適切に強化し、かつ十分な数を揃えていくことが大事。「魔族」(住人が天に召されるほど魔王への好感度が高くなる種族)オンリーで捨て鉢プレイをしてみたが、3階建てから4階建てにするためのキークエストで勝てなくなってしまった。

使ってて心強かったのは、優秀な前衛である「ゾンビー」と遠距離から強い攻撃をする「ユキンド」。それぞれ代を重ねてステータスを強化すれば伝説の勇者とも十分に戦える。


育てていけば攻撃力は100を超える

冒険者との戦いだけではなく、アパートの住人の生活を眺めるのもまた一興。アパートに住み始めたモンスターはいろいろな職業に就いていて、さらに昇進もしていく。

「コンビニの深夜バイト」など現実感のある職業もあれば、
「弥生時代専門のイタコ」など意味不明な職業もある

また住人は最初は独り身だが、次第に恋人ができ、愛を語り、子供が産まれ、育ってゆく。住人たちの人生を大家として見守っていくのには独特の感慨があった。

モンスターたちの姿が非常に細かく描かれているビジュアルもポイントが高い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?