滅多に無い時間を過ごす。

令和4年3月9日ゼロ円ハウス163日目。

バイトの日のアラームで起きる時間よりも少しばかり遅くに自然に目が覚める。アラームで起きるのと自然に起きるのでは寝起きの良さが違う。何か久しぶりにバイトをしない日を過ごすような感覚があって、何もないことが非日常に感じている気がする。

天気も良くて午前中から暖かい。ご飯を作って外で食べる。食べ終わったら椅子に座り、外でゆっくりする。午後からは尾道に行こうかなと考えてはいるものの体が準備に向かわない。少しばかり、日向ぼっこすることを自分に許してから準備をする。準備を一段落させてからKさんに伝えたい要件があったので電話をさせてもらって、お互いに要件を交換して電話は終わり、原付きに乗って尾道へ向かう。

天気も良い。ついこの間までに比べたら風も冷たくない。本当に休日に外出するかのようにゆっくり向かう。途中でコンビニに寄ったりしながら時間を贅沢に使う。とりあえず向島に原付きを置いて、そこからフェリーに乗って尾道に到着した。

そもそも場所を楽しめない自分が何故、懲りずに尾道に来たのかと言うと、もうすぐホワイトデーなのでお返しとみんなに渡せるものを探し求めてやって来た。

さきちゃんがバレンタインの時にみんなにチョコやらお菓子やらを渡していた。自分はそんなことより経済的なピンチでそれどころじゃなかったしそもそもそう言うイベント事?に疎いところがあるから尚更、スルー案件だった。さきちゃんもきっと余裕があった訳じゃ無いだろうけど、そう言った事を大切にする姿勢は凄いなと思う。

そう言った事もあって、今はバイトもさせていただいてるし少しばかりお金もあるのでホワイトデーは自分がみんなに渡そうかなと思えたので尾道に来た。

調べた感じだと百貨店?デパート?みたいなのとチョコレート専門店的なお店が主に候補かな?って自分の中では2つほどあったのでまずは前者の方に向かう。

到着するとデパ地下のようにお店が並んでいて、食料品売場と混在しているような感じになっていた。鯛焼きやお総菜に目が眩みそうになった。いつかお金を大量に握りしめて、食べれるだけ買って食べ尽くしたい。デパ地下で1度はやってみたいことである。そんな想いに寄り道しつつ、洋菓子のお店を見つけた。店頭にチョコやホワイトデー詰め合わせ的な物が少しばかり並んでいたがあんまりピンと来なかったのと詰め合わせとかじゃあまりにも味気無いしお店のせいでも商品が悪い訳じゃ決してないけど、みんなの事を大して考えずにホワイトデーに何かを渡すと言う事だけをただ形として果たすことがしたい訳じゃないなと思い店を後にした。形を果たすだけならスーパーでお菓子買って、ハイどうぞ。これで良いわけだ。別にそれがしたい訳じゃないしそれはホワイトデーじゃなくても出来る事だなとも思う。

次は後者のお店に向かう。そこは路面店だったので入るのに結構緊張した。自分はお店に入る時に割りと緊張する方なのでメンタル的な影響でお店の扉が重かった。

中に入るとチョコレートを中心としたお菓子が並んでいた。詰め合わせもあったけどパッケージや容器も自分から見たらお洒落な物ばかりだった。そしてその一角に様々な種類のテリーヌが並んでいた。思わずそれに目を惹かれた。味も色々とあるしテリーヌの色も勿論違うのでこれを複数購入して組み合わせて、自分がイメージするみんな。これを考えてそれぞれの組み合わせを考えようと思った。

味の種類に統一感を持たせるか?色で攻めるか?自分から見てどんなイメージだろうか?てか勿論だけど渡すなら喜んでほしいな、喜んでくれるだろうか?そんな事を頭に巡らせながらどのぐらいお店に居ただろうか。自分の事は考えることはあっても、こうして他者の事を考えることって普段は無いからかなり集中した。結構周りが見なくなるほどに。

多分お会計まで含めたら1時間とは言わないけど数十分はお店に居た。

なんとか考えて、自分から見たみんなのイメージを固めて購入することが出来た。店員さんが箱に詰めてくれたり、どれにどの味のテリーヌが入っているか等を全て分かりやすく付箋で書いてくれたりしてくれた。

お店を出た後は直帰した。買った物を本当に慎重かつ丁重に扱ってゼロ円ハウスに戻った。

帰って最初に遭遇したのがこうた君だったので最初にこうた君に渡した。こうた君は良く、お茶を飲んでいるので、テリーヌを選ぼうとした際にそれが頭に過ったのでテリーヌの味を全て茶攻めにした。色とかデザインよりは味でイメージを固めた。

次にさきちゃんに渡した。さきちゃんのを選ぶ際には味のイメージは考慮しなかった。デザインに振り切った。見た目のバランスと可愛さ(こればかりは自分の主観を越えられない)食べる物、その物よりも容器等に標準を当てて選んだ。

自分から見て、2人の反応を見る限り喜んでくれたと思う。渡して良かったなと思った。でもきっとさきちゃんがバレンタインで行動を起こしてくれなければ自分は今、こんな事はしていないだろう。何となくスルーして過ごしていただろう。

こんなことを言ってはなんだが、考えている時間は振り返ればとても楽しく有意義な時間だった。そして欲も強く感じた。先にも書いたけど喜んで欲しいし喜んでもらいたい。何が良いか?これか?それともこれか?イメージを固めることにも色々と頭を巡った。こんなに考えた事は今までを振り返ってもパッとは出てこない。この刺激を求めて過剰に他人の喜びを得ようとする事はあまり良いことじゃ無い気もするけどたまに行う分には人として大切な事が含まれている気もする。

尾道から帰ってきた頃には夕方になっていた。その後はご飯を食べたり、部屋で日記を書いたりYouTubeを観たりして過ごしていた。

またまた乃木坂46の話。YouTubeで帰り道は遠回りをしたくなる。という曲のPV?を観ていた。そのPVには西野七瀬さんと言う方が主人公的な感じで恐らく高校生の設定。朝の通学のバスに乗れた自分。乗れなかった自分。そこを分岐として平行して1の人の別々の道が描かれている。絵の道に進む自分とアイドルになる自分が居て、最後は絵の道に進んだ自分がアイドルになった自分のライブを見に行く。その会場でアイドルになった自分は絵の道に進んだ自分を想像し、絵の道に進んだ自分はアイドルになった自分を想像してお互いがお互いを想像して重ね合わせて絵の道に進んだ自分がアイドルになった自分へありがとうとスケッチブックに書いてアイドルの自分も絵の道に進んだ自分に対してありがとうと指で書いてPVは終わる。

自分にはこう見えたPVだった。

ターニングポイントや過去。人はこれらを1度は考えたことがあるんじゃないだろうか。PVを観てそんな事を考えていた。

ここでこうしておけば、ああしておけばとか、これを選んでいたらどうなっていただろうとか、Ifの世界を考えたり。先にしか進めない事は分かっているし過去の事を考えてもどうあがいても戻れないし変えられない。分かってはいるけど後悔や未練を残していた場合、どうにか出来たのでは?と可能性を感じたり、受け入れられなかったりすると受け入れられない物を作った選択をどうしても変えたいと思ってしまう。そんな事を考えてしまう時はあると思う。

自分の世代的にはプロポーズ大作戦だったけど過去に戻ってやり直したい。それを描いた作品にハマった時もあった(自分は)

でも過去へのタラレバを繰り返し、ある程度の量をこなした結果なのかは分からないが1つの答えにたどり着いた。

確かに過去に色々な可能性を感じてしまうのはゼロにはならない。だけど思ったのが、例え過去に戻れたとしても自分がもう一度その境遇に立てても恐らくは他の選択は出来ないと思う。雑な話、勉強しとけば良かったとか言うありきたりな後悔的な物があるとしてとそれを口にしている人の大半は戻れたとしても勉強はさほどしないと思う。それを証明出来る根拠は無いけど少なくとも自分は人は変わったように写ったり見えたりすることはあってもそれは変わっている訳じゃないと思っている。人は根本的には変わらないから過去に戻っても選択することは大差が無いんじゃないかと思ってる。

勇気が出せなかったとか、◯◯が出来なかったとかも恐らくは戻れたとしても出来ない自分だと思う。そして今の自分が戻れば...なんてのは自分を過信しすぎだと思う。それがやれてるなら今そうなってない。今がそうなっていると言うことはそう言うこと。今、◯◯することをしない、出来てないのに過去に戻って出来るハズもないのに。しかし仮に悔い改めて今、出来たら過去に戻りたいと思ってないだろう。

今出来ないやつは戻れたとしても出来ないし今出来るやつは戻りたいとも思わない。結局は出来ることしか出来ない。それは時が変わろうと変わらない事なのかもしれない。時が変われば自身が別人になれるとでも思ってしまうのは都合の良い話だなと自分に対して思う。

あの時...なんて考えるよりも、何故他の選択を出来なかったのか?自分には何が起きていたのか?それを考える方が自分の為になりそうな気がする。

なんて事を考えていた。

そんな考え事をそこそこに寝る準備をして布団に入り、アラームをセットして眠りにつく。

休日で緩みきった自分が明日、ちゃんとエンジンをかけることが出来るだろうか?完全にエンジンが休日によって止まっている感覚がある。とりあえず頑張ろう。

ゼロ円ハウス163日目終了。


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