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帰り道を歩いている途中だった。向こうから異国風の顔立ちの男が何やら切羽詰まった様子で走ってきた。男はぼくのもとに来ると、早口に何か言いながら脇に抱えていた箱を無理やり押しつけてきた。どこの国の言葉なのか、何を言っているのかまるで分からなかった。身振りで拒否したが、男は意に介さずに箱を置き去りにして逃げていった。 中からかすかに音がした。恐るおそる蓋を開けてみると、白いもふもふとした柔毛に全身を包まれた、丸いちんまりした生き物がいた。くりくりとした潤んだ瞳でこちらを見上げて