映画【草原の実験】感想・まとめ

※ネタバレしまくりです。見たくない人は戻りましょう!
※筆者は説明が苦手で、整理しながら書く練習も兼ねてこのページを書いてます。
※誰かに向けた解説・レビューではなく、筆者が気づいたポイントをただまとめているだけです。(誰かの参考になるようなまとめ方なんて出来んっ!)

——————

<見たきっかけ・見終わったざっくり感想>

絵が美しそうだなと興味を持った。
核実験の実話を元にしているので、事前にオチだけを見てから鑑賞。(残酷描写があると怖いので。血とかはない。)

1回目見たとき、物語の後半にいっても映像から状況が読めず、きのこ雲だけは分かった。見終わった後に他の人の解説などを読んで自分の無知を思い知る。

この映画は、1回目鑑賞(なにも分からなくてよい)→一旦解説などを調べる→さらに調べる→2回目鑑賞だと、訴える恐ろしさと、未だ苦しめられる人がいる現実を知ることができる。

——————

<以下、伏線と自分なりに気づいた点>
※時系列順ではない

<土地と娘>
・父が死に、出て行こうとするものの、謎の鉄線に阻まれて家に戻る
→家周辺の土地が、生まれた時から実験地とされていた

・お家は豊かとは真反対のなにもない、かろうじて草が生えている土地にポツンとある
・枯れた大きな木
→もう何回も実験の被害にあっている土地であることを伺わせる

・上へ飛ぶための翼がない飛行機
→実験の物の耐性を確認するためらしい

<父>
・元パイロット(と思われる)

・なにもない土地なのに生きた羊を持ち帰る
→動物実験から盗んできたか、譲り受けたか

・必ず道の途中で娘を車から降ろす
→その先は父の勤め先と思われる、原爆実験施設だから、関係者以外は入れない

・帰ってきた途端、飛行機の真似をしながら倒れた、汚れていてひどく錯乱した様子
→次の項目にあるが、なにかを盗んだか、なにかを見てしまった

そしてなにかの探知機を持った男たちにチェックされ、羊、車の荷台から出てきた箱となぞの物体、そして父の身体まで探知機が反応(映画の意味が分かると、探知機もった男たちが帰った後も豪雨の中佇んでいたことや、布を持ってきた娘に一瞥もくれず部屋に戻ったことの父の気持ちがまた違って見えてくる)
→最初に持ち帰ってきた羊の時点で、父も被曝している

・助けを求めた許嫁?が呼んできた医者が、軍医だった
(普通なら、軍服着た人はセットで来ないだろう)
・病気と分かると、軍医が病院へ持ち帰る
→やっぱり原爆実験施設

・戻ってきて、身だしなみを整えた後、大木の元で太陽を見ながら絶命する(このとき、生き絶えて頭が垂れていくシーンは、ラストの太陽と同じというか、娘の未来も表していて、2回目は余計ゾッとする。しかも、ラストの爆発で父が出てきてしまうのも怖かった。)
→もう助からないと判断されたんだろうね

<異国の青年>
・カメラを持つ
・映写機?を持ち出してくる
→実験施設で働く記録係的なポジションの青年かと思われる。映写機は、実験の様子を記録するためのものかと。
・馬の少年との決闘後、砂浜で遊ぶ幻覚を見た?
→もしくは原爆実験によって出来た穴にたまった水で遊んだから被曝したか。

<馬の少年>
・決闘に使ったバイク
→ロシア製のバイク?
 ロシア製のあれで轢き殺そうとしたんだから、この土地に生まれた非情さに相当な恨みがあるのでは?でも、彼女が好いた上に本気と分かり、殺せず泣く。ああ、だからこそ、ラストで煙に突っ込んでいったんか?自殺に近い

・爆発が起きたとき、煙に突っ込んでいった
→すでに実験地だと知っていた?
 少女の父も原爆施設勤めと分かっているだろうし、あの映画でなにも知らないのは、少女含めた子供達なんだろうな

——————

<さいごに>

さくっと調べてから2回目見ると、元々いかに残酷な世界かが分かり、美しい映像、呼吸や心臓まで聞こえてくる音によって、ラストの衝撃がより悲劇的に伝わります。
もっとも非情なのは、”草原の実験”という世界内でもこれは定期的に起こっているであろう、ということ。そして、人生が生まれた時からすでに最期が決定づけられ、一瞬で全てが「無」にされる。それが現実でも起こっていた、という人間の愚かさです。

核による被害は、日本では長崎、広島、そして福島。
どれも、人災ですね。
戦争を起こさせないのはもちろん、わたしがおばあちゃんになるころまでには、再び福島のような人災による事故が起きないよう、やっぱり原発は止めるべきなのでは、と思います。ほかの電気供給の道を模索し続ける方がいい。人の一生が一瞬で無にされるより。
それを動かすのは政治、そのケツを叩き続けるのは他でもないわたしたちです。
果たして、それを自覚している人は何人いるだろうか…。

——————

●調べるのにおすすめキーワード
「セミパラチンスク核実験場」「セミパラチンスク核実験場 羊」「An-2E」「ZIS-5」「ZORKI-1」「Atomic Lake」「カザフスタン ウラン」

●解説参考
https://note.com/yoshizawa/n/ne44c6d70556b

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?