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【TTT #01】Illuminate war

『Illuminate war』


【TTTとは】

『悪鬼斬』の記事でもお伝えしましたが、

技術的なチャレンジを盛り込んだ作品を撮っていこう!ということで始動したのが【Tosaka Trial Theater】です。

撮影技術・編集技術、あるいは試してみたい演出やお芝居などなど、とにかく失敗を恐れずにやってみようと思ってます。

ですので作品のクオリティを担保するものとは、ちょっと性質が違うと思ってください。次回以降の反省や課題もこちらの記事で赤裸々に綴っていきます。

【本作の企画経緯】

今回の撮影部の聖太郎と、かなり前にローライトで何か撮りたいという話をしていて、ロケハンまで行ったのに企画が流れてしまったということがありました。それからずっと夜ないしは暗所でなんか撮りたいなぁと思い続けていました。そこから、

夜に何か撮りたい

男女が望まない戦いをするビターなお話にしよう

(登坂トイザラスをブラつく)

ラ◯トセーバーで戦おう!

結果、夜中にライト◯ーバーで痴話喧嘩する2人という頭の悪い企画に落ち着きました。

【今回のTrial】

そんな夜中にライトセー◯ーで痴話喧嘩する2人を表現する上での技術的な挑戦は以下です。

1、スローシャッター
2、まさかのS5投入
3、INDUSTAR-61 L/Zで星ぼけ

ひとつずつご説明します。

■Trial 1 スローシャッター


29.97fpsに対してシャッタースピードを1/15秒まで下げました。
普段だったら1/100秒とかが多いです。

これによって明るさを稼ぐ狙いと、光源(ライトセ◯バー)残像を出せないかという目論みがありました。結構キレイに剣の軌跡が残ったのではないでしょうか?

この撮り方の都合上、プレーヤーはゆっくり立ち回りする必要があったんですけど、テンション上がるとやっぱ速くなっちゃいますね笑

■Trial 2 まさかのS5投入

聖太郎からある日LINEが入りました。機材テストを兼ねていいかとのこと。

何を使うのか尋ねたらところ、LUMIX S5と返ってきました。どうやら買ってしまったようです。と、いうことで今回は下記のような機材構成です。

カメラ:LUMIX DC-S5

レンズ:LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6

レンズこそやや暗いものの、暗所でのフルサイズ機の使用は願ったり叶ったりでした。

ここで聖太郎からコメントをもらったので掲載します。

今回は、シャッタースピードを落として、光の軌跡を印象的に見せ、原則ノーライトでどこまで撮影できるかを試みた。


サイリウムなどを振り回す"ヲタ芸"の記録映像の多くでは、光の軌跡が強く残るように撮影されている。

これはシャッタースピードを意図的に遅くしているためで、多くは1/20~1/25辺りで記録されているように見受けられる。

しかし、今回の撮影で使用するライトセーバーは、サイリウムほど速く動かすことが難しいため、更に遅いシャッタースピードで撮影する必要があった。

シャッタースピードを遅くしすぎると人の動きもブレて見えづらくなってしまうため、両方のバランスを現場で判断し1/15で撮影を行った。(補足すると、通常の撮影では1/50~1/100が一般的である。)


意図的にシャッタースピードを落とした画を見てみると、編集上で若干早回しすることで、視覚的に面白い表現ができるのではないかと感じた。

等倍では、シャッタースピードの遅さによりコマ落ちしているような印象も否めないが、YouTube上で1.25倍速にすると光の軌跡が印象的でありながら、特に違和感なく見ることができる。

その場合は、早回しすることを想定して遅めに演技するなど、撮影段階での工夫が必要になるが、今後なにかの撮影に活かせるかもしれない。



また、今回は撮影日当日に届いたLUMIX S5のテストも兼ねて撮影を行っている。

レンズは、各レビューでも好評なLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6を使用している(S5のキットレンズでもある)。


ISO感度については、特別明るいレンズではないことと、光源が公園内の電灯と補助的にポータブルLEDを一部使用するだけの原則ノーライト撮影だったため、ISO3200で撮影を行った。

GH5では常用が厳しい感度ではあるが、S5ではそれほど気にならないノイズ感になっている。

一方で、デュアルネイティブISOを搭載するS5では、V-Log撮影の場合にISO4000以上で撮影を行うことで、高ISO用の回路に切り替わる仕様になっていたため、ISO3200から一段階上げて撮影をしていれば劇的にノイズが減っていたようだ。

HLGや通常撮影など、スタイルによって回路が切り替わる感度が異なる仕様になっているので、今後はデュアルネイティブISOの特性を十分理解した上で撮影に臨みたい。


ノーライト撮影については、光源によるメリハリが少なくなってしまったために、少々寝ぼけた画になってしまったことは否めない。顔を照らすライトセーバーのカットは、ライトセーバーをより印象付けるためにポータブルLEDを補助的に使用したが、他の場面でもLEDをやや強めに用いるか、照明のメリハリが感じられるロケーションで撮影をするべきだったのかもしれない。

■Trial3 INDUSTAR-61 L/Zで星ぼけ

これは本編じゃなくてエンドクレジットの裏に流れてるイルミネーションの部分なんですけど、INDUSTAR-61 L/Zというソ連製のオールドレンズを使用しました。

このレンズ、絞り羽根が星型になるのが特徴で、点光源を星型にボカして撮ることができます。

使ってみたかったのでこの機に買ってみました。
エンドクレジットの部分は後日登坂が撮りに行ったのでカメラはGH5です。せっかくならS5との暗所性能比較を兼ねて同じ設定で撮れば良かったですね。そこまで頭が回りませんでした。

【まとめ】

僕としては満足度はそんなに低くない仕上がりになりました。強いて言えば、聖太郎が言ってたのと重なるけど顔まわりはもう少し照明足しても良かったかなぁ。

後、大人でビターな切ない戦いはいつかちゃんとやりたい笑

今月の作品はこんな感じです。
来月は何を撮ろうか…

リクエストやアドバイスもお待ちしてます。ここのコメントでもYouTubeでもTwitterでも良いので書いてやってください。

それでは、また来月のTTTでお会いしましょう。

■クレジット

【TTT #01】『Illuminate war』

【出演】
登坂義之
阿川祐未

【スタッフ】
編集・監督:登坂義之
撮影:髙坂聖太郎

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