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土佐物語とは

長宗我部家関係でよく引用されている「土佐物語」
しかし実はこれ、後世に書かれたものです。

作者は吉田孝世。元親公の家臣であった吉田政重の孫にあたる人物です。
孝世は土佐藩記録方御用を務めていた人物です。
元親記などの二次資料に加え、一次史料にも依拠しつつ書き上げたそうです。
元親公の容姿について「生まれつき背が高く、色白、柔和であり、容姿も見事で非常に優れていた」と書いていたのもこの土佐物語です。

一条教房の土佐下向から高知城築城までを記しています。いま知られている長宗我部氏のエピソードの中には「土佐物語」の記述も多く知られているが、事実であったかどうかは注意を要する点があります。
平井上総氏や津野倫明氏などの著書を拝見すると、一次史料と比較して誤りの記述なども見受けられるそうです。

(参考文献)
『長宗我部氏とその時代』高知県立歴史民俗資料館、2022年
平井上総『長宗我部元親・盛親』ミネルヴァ書房、2016年
津野倫明『長宗我部元親と四国』吉川弘文館、2014年


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