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令和日本紀行 -11: 伊勢国の旅

今まで訪れた日本国内の地域の地理・歴史について、記録しています。令和5年の大晦日の今日は、伊勢国について書きます。

近年、年末の帰省の際、伊勢神宮に参詣することにしている。近鉄名古屋から五十鈴川まで、近鉄特急に乗るのが快適であり、桑名、四日市、津、松阪等三重県の主要都市を経由する。

令制国としての伊勢国は、三重県の北中部、愛知県弥富市等の一部及び岐阜県海津市の一部を領域としていた。国府は現在の三重県鈴鹿市にあったが、歴史的に最も重要な存在は、伊勢神宮と言い切ってもよいだろう。

伊勢神宮の正式名称は「神宮」であり、他の神社と区別するために「伊勢」を付けて呼ばれた。最高の特別格の宮とされ、神社本庁の本宗である。内宮(ないくう)と外宮(げくう)から構成される。
内宮の正式名称は皇大神宮であり、主祭神は天照坐皇大御神(天照大御神)である。日本神話に登場する女神であり、高天原を統べる主宰神。日本の皇室の祖先であるとされている。
外宮の正式名称は豊受大神宮であり、主祭神は豊受大御神である。「古事記」によると、食物・穀物を司る女神であり、豊受の「ウケ」は食物のことを指すらしい。

「日本書紀」によると、第11代垂仁天皇の皇女の倭姫命が、天照大御神の神魂(八咫鏡)を鎮座させる地を求め旅をして、この地にたどり着いた時に天照大御神による神託が降りた。これが、内宮(皇大神宮)の発祥である。
ちなみに、私が本日滞在している実家から北方約3kmに近鉄橿原線の笠縫駅(奈良県田原本町)がある。天照大神は、倭姫命の旅の前には、笠縫邑にて、第10代崇神天皇の皇女の豊鍬入姫命に託され祀られていたとされる。笠縫駅付近は、その比定地なのかもしれない。 

倭姫命(やまとひめのみこと)、出所:Wikipedia

昨日、外宮にて参拝した後、「式年遷宮記念せんぐう館」を見学した。過去1300年に亘り、20年毎に、宮処を改めて、社殿や御装束神宝など全てを新しくして、大御神にお遷りいただく祭である。
館内撮影は不可のため、館内から展望できる池の写真を撮った。晴天の下、素晴らしい景色を楽しんだ。

外宮のせんぐう館に隣接した池

さて、伊勢の名物といえば、赤福餅と伊勢うどん。子供の頃、私の父が祖父の出身地(三重県員弁郡)にて用事があった時に、赤札餅をよく買ってきてくれた。
昨日の昼食は、めかぶが入った伊勢うどんにトライした。甘い醤油味の出汁、もちもちのうどんに絡まるめかぶの食感を堪能した。

外宮の表参道で食べためかぶ伊勢うどん

外宮から、徒歩で神宮徴古館に向かう。神宮崇敬の歴史及び日本の文化を展示する総合博物館だそうだ。残念ながら休館日だったので、外観のみ写真を撮った。

神宮徴古館(じんぐうちょうこかん)は伊勢神宮の公益事業として運営されている

徒歩で宇治山田駅に戻った。同駅は、1931年の参宮急行電鉄全通に際し、伊勢神宮最寄りのターミナル駅として、開設された。前年の「御遷宮奉祝神都博覧会」の会場跡地に開設された駅舎は、壮大な高架の駅であり、大阪でも評判になったそうだ。
現在は、一階にストリートピアノが置かれている。私も、今年の発表会で弾いた曲で、弾きこごちを試してみた🎵

神都ライオンズクラブの30周年記念事業として設置されたピアノ(宇治山田駅)

伊勢は、日本の神話の最も重要な舞台の地として、観光・文化に基づく産業振興が期待できる場所だ。私自身も中部経済産業局勤務の頃から、色々と関わってきた地域である。
是非、多くの方々に訪れていただきたい。

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