「現像」と「レタッチ」という分けかたはやめたほうがいいと思うのです。
あんまりこういう記事を書くのは気が進まないのです。
きっと誰も喜ばないから。
DTPやらレタッチやら、画像を扱う仕事に関わって20年くらい、自分の作品/プリントを売るようになってから10年が経ちました。
幸運にもどうにか生計も立っております。
そんな感じで世の中の片隅で淡々と生きているのですが、この手の生業をしていると所謂「教える」系の依頼がくることがあります。
写真教室とかセミナーとか。
まあ僕にそんなことを言ってくる時点で人選ミスは明らかなので謹んでお断り申し上げています。
老いてくる脳みそと、劣化する肉体、そんな巨大な敵と戦いながら日々押し寄せてくる「覚えなきゃいけない大量の課題」に四苦八苦しているんです。
他ならぬ僕自身が勉強中なんで人様に何かを教えるなんてできません。
今、正解だと思っていることに、明日になったら間違っていると気づくことなんてしょっちゅうです。
そういう訳で「教える」ことはないのですが、質問されれば答えます。
質問の答えを知っていればですけど。
ようやく本題です。
撮影した後のことなんですが、現像(RAW現像)→レタッチという認識の方が多いようなんです。
これ、ほんとうに困った話で現像は特定の作業を指す言葉なので問題ないのですが、レタッチは作業工程を指す言葉なんです。
だから「どこまでが現像でどこからがレタッチ?」みたいなおかしな問答が繰り広げられちゃう。
レタッチって言葉、もうそろそろお役御免でいいと思うんです。
少なくともこれからPhotoshopだとか、様々なアプリケーションを使って制作をしようとするなら、個々の作業の名称と、一定の作業工程の範囲を示す言葉の違いは理解しておいたほうが独学はしやすいと思います。
では現像/レタッチではなくなんと言えば良いのか?映像関係の方々の言うポストプロダクションという言葉が最も適切ではないでしょうか。
web等でポストプロダクションで調べてみてください。(丸投げ🙇)
それぞれの作業がとても整理されてわかりやすく解説されていますから、これを写真に置き換えて一旦ワークフローを見直すと「レタッチ」というくくりの乱暴さに眩暈がすると思います。
コミュニケーションとしての「レタッチ」という言葉は使わざるを得ないと思いますが、覚えたり勉強したりするときは用語を定義付けしていくことから始めたほうが応用も効きますし、わからないことがあっても答えを手に入れやすいと思います。
ほんとうは答えに困るような質問に困惑しているだけなんですけど。
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