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『ブラタモリ』から考える、地図の楽しみ方

マップボックス・ジャパンの高田です。先日からTwitterを再開しましたが、ひさびさにnoteも書いてみようと思います。

突然ですが、「地図」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?

子どものころ、社会の授業で使った「地図帳」「地球儀」。海外旅行で頼りになる「ガイドマップ」。スマートフォンで毎日のように「地図アプリ」を使っている人も多いと思います。決済アプリでも、地図から店を探すことができます。

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最近では、コロナ禍の巣ごもり需要で利用が急増したフードデリバリーでも「配達員にとっての地図」は欠かせないツールとなっています。「ポケモンGO」などの位置情報ゲームも、「デジタル地図のデータ」の存在なくして成立がむずかしいコンテンツです。

スマホやタブレットをかざして見る「ほぼ日のアースボール」なんてものもあります。最先端のAR(拡張現実)技術を使って楽しむ地球儀です。

それとは反対に古き良きものを愛する、「古地図(こちず)」を趣味で楽しむ人もいます。日本のように歴史のある国では、地図を使って「過去と現在とを行き来する」といった楽しみ方も可能です(歴史があり、道が複雑だからこそ、地図製作会社は苦労するわけですが……)。

その好例が、タモリさんが全国各地を旅する番組『ブラタモリ』。土地の構造や傾斜といった情報はもちろん、なぜこの土地が栄えたのか、戦において、なぜこちらの軍勢が有利だったのかといったことも、地図から読み取れたりするのです。

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タモリさんの地図好き、地形好きは有名で、「日本坂道学会」(タモリさんは副会長のようです)を立ち上げ、『タモリのTOKYO坂道美学入門』という本まで出版されています。

私たちの日常では、スマホで地図アプリを使うので、「地図は目的地にたどりつくためのツール」というように、機能として捉えてしまいがちです。でも、地図はもっと多様性があって「おもしろいもの」のはず。

もともと地理が好きだった私ですが、マップボックス・ジャパンの代表に就任して、すぐにこんなことを考えました。その答えを探すべく、真っ先に訪れた場所が、日本橋にある地図専門店です。

ぶよお堂 (http://www.buyodoshop.com/)

公式ツイッターには「さまざまな地図と地図関連製品を販売する地図の専門店」とありますが、看板に偽りなし。国内外の地図はもちろん、鳥瞰図、逆さ地図、鉄道路線図、復刻古地図など、さまざまな地図が所狭しと並んでいます。

楽しすぎて、ついつい地図関連グッズをたくさん購入してしまいました……。東京駅、あるいは日本橋駅をご利用の際は、ぜひ足を運んでいただければと思います。

では、そもそも、ぶよお堂で扱っているような地図であったり、みなさんが日ごろ使っているデジタル地図は、どんな企業が制作しているのでしょうか?

私たちマップボックス・ジャパンも地図製作ツールを提供しているわけですが、今回は、みなさんも一度は耳にしたことのある地図に深く関わる4つの組織・企業をご紹介したいと思います。

(1) 国土地理院 (https://www.gsi.go.jp)

国土地理院の歴史は古く、明治時代まで遡る必要があるそうですが、今は国土交通省所属となっています。本拠地はつくば。

小学校の頃、社会の授業で習った「三角点」や「水準点」などを管理しているのも、この国土地理院になります。また、陸だけでなく、潮位についても国土地理院の管轄となっているのは、あまり知られていないのではないでしょうか。国土地理院のHPを見るだけでも勉強になります。

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(2) ゼンリン (https://www.zenrin.co.jp)

国内最大手の地図情報会社。今では全国区のゼンリンですが、もともとは大分県別府で観光事業(観光文化宣伝社)を手がけていました。

地元の観光マップを製作したことがきっかけで、全国の地図を作るようになったそうですが、そのプロジェクトが完了するのにかかった年月はなんと約30年!(『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』で放送された「列島踏破30万人 執念の住宅地図」は書籍化もされています)

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2021年にリニューアルオープンした「ゼンリンミュージアム」(福岡県北九州市)には、貴重な地図の数々が展示されているそうなので、近隣の方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、ゼンリンという社名は「善隣」という言葉に由来があるそうです。

(3) 昭文社 (https://www.mapple.co.jp)

旅行好きの方にはおなじみの「まっぷる」「ことりっぷ」シリーズを手掛ける昭文社。現在はホールディングスの傘下に、昭文社、マップル、MEGURUなど、複数の会社が存在し、アナログからデジタルまで、さまざまな地図を手がけています。

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正確性はもちろんですが、出版社ということもあり、地図の描き方や配色など「昭文社スタイル」ともいえる”わかりやすさ”が特徴です。

(4) Yahoo!地図 (https://map.yahoo.co.jp)

ヤフーが手がける「Yahoo!地図」。私も所属していました。インターネット上では最もポピュラーな地図の一つとなっています(2005年に「アトラス」シリーズで有名なアルプス社がヤフーグループ入りしたことで、「Yahoo!地図」の進化速度は格段にアップしました)。

今回は、モバイル端末等でも使い勝手のよい‎「Yahoo! MAP-ヤフーマップ」のアプリについて紹介したいと思います。

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アプリの説明にもあるように、「テーマに応じた専用の地図機能を搭載」している点は差別化ポイントの1つになります。また、電車だけでなく、駅や施設周辺の混雑状況や、今いる場所から近い飲食店を検索できたり、雨雲の動きがわかる機能まで搭載しています。さらに事件が発生した場所を知らせる防犯マップ機能が追加されたりと、日々進化していますので、引き続き注目いただければと思います。

「拠点・本社所在地」を見比べると、おもしろい

ここで「地図を楽しむ」ための視点を1つ。ご紹介した国土地理院・ゼンリン・昭文社・Yahoo!地図(ヤフー株式会社)のHPには、もちろん拠点・本社所在地を紹介するページがあります。では、地図を専門に扱う組織・企業では、どんなツールが使われているでしょうか?(もちろん飲食店や一般企業であれば、グーグルマップを使用しているところも少なくないと思いますが……。)

1. 国土地理院:「国土地理院地図」(ページ下部の「詳細地図」)

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2. ゼンリン:HP

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3. 昭文社:マップル

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4. ヤフー株式会社:会社情報

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地図を専門に扱うだけあって、もちろん四者四様。それぞれ独自のツールを採用しています。この4つを見比べるだけでも、地図のおもしろさ、多様性を感じられますね!

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今回は「地図は、もっとおもしろい!」という思いから、いろいろな地図の見方をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?

地図ソリューションの開発プラットフォームである米国Mapboxの日本法人CEOに就任してから8ヶ月。今、思うのは「地図は奥深い世界だ」ということです。また定期的にnoteを書こうと思うので、よかったらフォローください。

最後に宣伝ですが、マップボックス・ジャパンでは採用を強化中です。「デジタル地図」で世界を変えることにチャレンジしたい方、ぜひお話しましょう。採用ページはこちらです。

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