高田徹|マップボックス・ジャパンCEO
コロナ禍に会社をつくった社長が「やって良かった!」と思う7つのこと
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コロナ禍に会社をつくった社長が「やって良かった!」と思う7つのこと

高田徹|マップボックス・ジャパンCEO

こんにちは、マップボックス・ジャパンの高田です。

あっという間に2021年が終わりを迎える12月ですが、実はマップボックス・ジャパンのCEOに就任して1周年となりました。

思い返してみれば、コロナ禍での創業は平坦な道ではありませんでした。同じように会社経営に四苦八苦している方もいると思います。

そんな方々にとって、私が社長として「これはやって良かった!」ということをお伝えすることで、何らかの参考になるかもしれないと考えました。

そこで、経営者として1年を振り返り、こんな時期だからこそ「やって良かった!」と思うことを「7つ」に分けて書き記します。

1. とにかく「自分たちが何者か」を説明する

マップボックス(Mapbox)は、地図情報サービスの開発プラットフォームを提供する会社です。本国アメリカでの知名度はとても高いスタートアップですが、ほとんど日本では知られていない存在でした。

mapbox.com

1年前に書いた自分のブログを読み返してみても、「『結局何ができるの? 何が特徴なの?』と言われることが多かった」と書いていました。創業して間もない時期にいる方々ならば、きっと同じような経験があるのではないでしょうか。

そんな状況だったため、社長に就任して最初にやったことは「マップボックス・ジャパンがどんな会社で、何をやっているのか」について、とにかく説明して回ることでした。

おそらく、数ヶ月のうちに40くらいの国内で地図に関わる会社や組織へご挨拶に伺ったと思います。最初に時間を惜しまず「説明して回った」ことが、後々のビジネスにつながりました。

アポイントを調整してくれたスタッフにはとても負担をかけたと思いますが、あらためて感謝します。

2. できる限り「対面」で会いに行く

緊急事態宣言中を除き、人数や場所などコロナ対策に細心の注意を払った上で、私はできる限り「対面」で会いに行くことを選択しました。

「せっかくオンラインミーティングが浸透したのに?」「米国生まれのITスタートアップなのに?」と思われるかもしれません。しかし、こんな時期だからこそ、対面で会うことに“意味”が生まれると私は考えています。

地図業界の方々には、当初「グーグルマップと同じように黒船のプラットフォマーが日本に参入してきた」と誤解されていました。原因は、ひとえに私たちがしっかりと説明できていなかったからです。

「マップボックス・ジャパンは、みなさんが独自の地図を作成するための基盤を提供する会社です。競合ではなく、パートナーです」と、Zoomで伝えることもできます。

しかし、これを対面で伝えることで、自然と”熱意”や“真剣さ”が伝わるのではないかと私は信じています(もちろん異なる意見もあるかと思います)。

因果関係は証明できませんが、何度も何度も顔を合わせて説明して回ることで、マップボックス・ジャパンのサービスに興味をもってくださる方々の数は1年間で飛躍的に増加しました。

現時点では業界や社名は公表できませんが、2022年にはさらなる多様なコラボレーションが発表できる見込みです。

3. チームづくりはバックオフィスから始める

今でこそ30名を超える大所帯となってきましたが、1年前のマップボックス・ジャパンの正式メンバーはたったの2名でした。毎月のように2、3人ずつメンバーが増えていった計算です。

採用活動においては、CEOである私はすべての方々と面接で顔を合わせますので、おそらく1年間で200人〜300人とお会いしたはずです。

スタートアップの組織づくりに正解はありません。ゼロから立ち上げるときに「どういった人材を採用するか」「最初にどういった部門を整えるか」などは、経営者の方針があるのだと思います。

私の場合は、バックオフィスを安心して任せられる人材をいちばん早いタイミングで採用することにしました。管理部門がしっかりとしていないと、フロントのメンバーが安心して活動できないからです。

実際にどうだったかは、今いるメンバーに聞きたいところですが、私の個人的な振り返りとしては、とてもうまくいった方針だったと思います。

4. 採用面接では「いいことばかりを言わない」

採用では、いわゆる経歴やスキル以上に、次の3点にこだわりました。

1つ目は、「マップボックス・ジャパンの事業に興味があるか」です。経歴やスキルばかりに目がいくと、肝心な“相性”や”熱量”を見落としやすいもの。長く一緒にやっていく仲間になるならば、そもそも「事業に興味がある」ということは欠かすことのできない要素です。

2つ目は、「チームのためにがんばれるか」です。実際にはやってみないとわからないとはいえ、これまでのビジネス経験を通して、成功の成否は「チーム力」にあると私は思っています。いくら能力があったとしても、チームワークがとれなかったり、スタンドプレーばかりでは“サステイナブルな(持続可能な)成長”は望めません。

3つ目は、「次の就職先を一緒に探せるくらいの関係を築けるか」です。これは少し特殊で、私のエゴが入っているかもしれませんが、そのスタッフが将来辞めることになったとき、親身になれるぐらいの関係が築けそうかを大事にしています。お互いに人生の貴重な時間を使って、同じ目標も向かって一緒に走る仲間ですから、「それくらいの思いで採用したい」というのが私のモットーです。

その上で、採用面接でいちばん気をつけているのが「いいことばかりを言わない」ことです。もちろん、経営者としては「いい会社」だと思っていますし、そう言いたいところですが、いいことばかりを言って入社後にミスマッチだったことが判明すると、双方にとって最悪の事態となります。

現時点では、こうした方針で採用に臨み、結果として「良かった」と思っています。

5. チームが顔を合わせる機会をつくる

コロナ禍を経て「どのようにチームメンバーとのコミュニケーションをとるか」は、経営者にとっての最大のテーマとなりました。私もコロナの最中はずっと考えていましたし、まだ正解を持っているわけではありません。

現時点では、チームの「対面」コミュニケーションを大事にすることは大切だと感じています。「2」のクライアントやパートナー社の訪問とは理由は違っており、メンバー同士の接点が減少することの問題は、組織への帰属意識が希薄になることです。

物事がうまくいっているときは、チームメンバーの意識はサービス利用者であったり、外部に向く傾向にあるので問題は表面化しません。しかし、なかなか成果が出ないなど、少しでもうまくいかなくなると、突然、内部に目が行き始めるので注意が必要です。

その結果、うまくいかない理由をメンバー個人に求めるようになり、お互いをスペックで見るようになってしまうのです。

「失敗したのは、あの人に能力がないからだ」とか「経験がないから、うまく回せていない」というような、個人攻撃のような状況が生まれてしまうという経験はみなさんにも心当たりがあるのではないでしょうか。

「対面」コミュニケーションが十分にとれていると、不思議とこうしたことが起こりにくくなります。おそらく、自然と目に見えない信頼関係が培われているからだと私は考えています。

こうした理由から、なるべく1、2ヶ月に1回はメンバー全員が集まり、1日でも集まって顔を合わせて議論するような機会をつくる努力をしました。

こうしたリアルなコミュニケーションは、今後も続けていくつもりです。

6. リモートでも“共通体験”できる仕組みづくり

チームの「対面」コミュニケーションを大事にするといっても、やはりコロナの影響もあり、対面での接点を増やすのには限界がありました。そこで、リモートでも“共通体験”できる仕組みづくりにチャレンジしました。

たとえば、チームでのリモート飲み会を企画し、事前に同じ銘柄のビールをメンバー全員の自宅に送りました。参加する場所はそれぞれであっても、「同じ味の飲み物を飲む」という行為を共有するためでした。

実は、これは私1人のアイデアというよりは、かつての上司であり、元ヤフー社長の宮坂学さんから「そういうときは、ご飯を食べる回数を増やしたほうがいい」と言われたことがあったからでもありました。ようは、同じ釜の飯を食う仲間になれということなのだと思います。

リモート飲み会と同じように、お昼にオンラインで集まり、同じランチのメニューをいただく企画もしました。

リモートでも“共通体験”を持つことで、対面のコミュニケーションに近い雰囲気づくりができたという実感があります。これも「やって良かった」ことの一つです。

ご参考までに、以前「経営者は”リモートワーク”と、どう向き合うべきか?」というテーマでnoteを書きました。もしご興味ある方は、参照ください。

7. SNSで発信を続ける

どんな経営者でも、その日常はとても忙しいものだと思います。そのなかでも、2021年はTwitterやnoteなどのSNSでの発信を続けました。

「社長は発信しなきゃダメだ」という言葉も、宮坂学さんからいただいたアドバイスです。まちがいなく多忙な東京都副知事になっても発信を止めない宮坂さんは「本当にすごい」と、経営者として人前に立つようになって実感しました。

マップボックスの“地図情報サービスの開発プラットフォーム”という役割は、一般消費者(コンシュマー)向けのToCではなく、事業者(ビジネス)向けのToBが中心なのでイメージがしにくい存在だと思います。

その一方で、「地図」そのものは身近な存在です。1年前のブログでは「美しい地図づくりを支援する会社」と表現しましたが、自分たちのPRだけではなく、地図に関する話題を発信することでマップボックスを身近な存在に感じてもらうように心がけています。

個人名義のTwitternoteですが、続けるにしたがって「読んだよ」とお声がけいただくことが増えました。

発信するには日々の「インプット」や、考えを言葉にまとめるための「思考」が必要です。外向きだけではなく、内向きにも効果があると感じており、「やって良かった」と思います。

まとめ

2021年を書きながら振り返っていましたが、思い返してみても「コロナ禍での創業」は、とても特殊な経験だったと思います。

上記の「やって良かった」と思った7つのことが、同じように「どうすればいいだろうか」と日々あたまを悩ませる方々の何らかのヒントになれば、とてもうれしいです。

最後に、あらためて取引先のみなさまには、マップボックス・ジャパンをご支援いただき感謝を申し上げます。また現場でがんばるメンバーにも、この場を借りて、御礼を伝えたいと思います。2021年、1年間を走り抜けていただき、本当にありがとうございます!

引き続き、密を避けながらリアルな交流を増やしたいと思っています。お時間がありましたら、ぜひ美味しいご飯を食べにいきましょう。

では、また次回。



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ありがとうございます!
高田徹|マップボックス・ジャパンCEO
米国Mapboxの日本法人CEOです。「デジタル地図」で世界を変えることにチャレンジしてます。ソフトバンク投資部門を兼務。好きなマンガは『美味しんぼ』。→ https://twitter.com/torutakata