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Torus (トーラス) by ABEJA

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Torus(トーラス)は、AIの社会実装を手がける、株式会社ABEJA(https://abejainc.com/ja/)のオウンドメディアです。「テクノロジー化する時代に、あえ… もっと読む
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#ロボット

ロボットが「ロボット」を卒業する瞬間。

ロボットの要となるソフトウエアの世界を牽引してきたクリエイター、吉崎航さん。横浜に計画中の「動く実物大ガンダム」など、話題のプロジェクトにもかかわってきた。 そんな彼にあえて聞いた。「人間がいるのに、なぜ代替物のロボットに興味を持つんですか?」 語りだした、吉崎さんの世界観とは。 吉崎:「人間がいるのに、なぜ代替物のロボットに興味を持つのか?」という質問、すごく面白いですね。そうか、そういう風にロボットを見るんだなあ、と思いました。 ロボット=代替物という考え方は一面

なぜテクノロジーを詰め込むと心が離れるのか。

8月末に一般向けの販売が始まった「LOVOT」(らぼっと)。 数十億円もの開発費を投じ、人に「かわいい」と思われることをひたすら追求して生まれた家族型ロボットだ。初期出荷分の予約は開始から3時間で埋まったという。 機能を盛り込むほど、人の気持ちが製品から離れていく。LOVOTの生みの親・林要さんは、そんな経験があったと語る。 だからLOVOTにはあえて入れなかった機能がある。 生じた余白に、人は自ら想像を込めるから、という。 僕は車が大好きで、大学を出てから自動車メ

「当事者のエゴが時代を変える」。吉藤オリィが参院選で見たある風景

2019年7月22日の投開票の参院選。「れいわ新選組」が擁した筋萎縮性側索硬化症(ALS)と脳性まひの当事者2人が比例区で当選した。 病気や障害、引きこもりなどで外に出られない人のために「分身ロボット」を開発してきた吉藤オリィさんは、感慨無量でその結果を受け止めたという。 「寝たきり」の候補者が会見に臨み、街宣で人だかりに囲まれて思いを訴え、開票結果をともに見守った風景。 オリィさんは、そこにテクノロジーや制度の進化、人々の汗を見たという。 当事者本人の「やりたい」と