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Torus (トーラス) by ABEJA

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Torus(トーラス)は、AIの社会実装を手がける、株式会社ABEJA(https://abejainc.com/ja/)のオウンドメディアです。「テクノロジー化する時代に、あえ… もっと読む
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2019年9月の記事一覧

半径5メートルの違和感を声に出したら、社会のデザインにつながった。

平本沙織さんは、いくつも肩書をもっている。3Dプリンタ専門家、PR・マーケティングコンサルタント、会社役員など。 最近、そこに「ソーシャル・アクティビスト」が加わった。 2度の転職、副業、夫婦起業。自由なはたらき方でやりたいことをかたちにしてきた自分が、妊娠した途端、育児の規範や制度の「はずれ値」にいた。 「詰んだ」といったん絶望してから、胸にしまっていた違和感を言葉にのせ、仲間とつながり「社会ごと」にして仕組みを少しずつ変えていく――そのプロセスから見えてきたこと。

目指せキッザニア!「子どもにAI開発の楽しさを届けたい」大人たちの本気を見てくれ

2019年8月。夏休みも終わりにさしかかったある日、未来のAI人材を育むイベント「AI FOR KIDS」が東京都・港区のオフィスで開かれた。AIについて知識はないけれど、ちょっと興味がある。そんな小中学生たちが集まった。 この日は、AIに学ばせるためのデータを集め、学習させて、AIをLINE botに実装するまでをひと通り体験できるプログラムが組まれた。 プログラミング経験がなくても大丈夫。キッズたちの誰もが「AIモデルの開発者」になれるのだ。 まずは、AIモデルのラ

カウンター・カルチャーの歴史と思想から見えてくる、人間中心のコンピューターの起源

社会を大きく変えた情報テクノロジーが普及した時代をジャーナリストとして40年もの間、見つめてきた人がいる。 服部桂(はっとり・かつら)さん。 私たちが普段使うパーソナル・コンピューターが生まれた時代の空気や影響を与えた人々、それらも含めたテクノロジーの進化をどうみているのかを自在に語ってもらった。自著、コラム、訳書を織り交ぜながら紹介する。 服部)私は1951年生まれで、団塊のちょっと後で戦後の若者文化の第一波を経験した世代です。戦後、社会とテクノロジーが劇的に変わる状

なぜテクノロジーを詰め込むと心が離れるのか。

8月末に一般向けの販売が始まった「LOVOT」(らぼっと)。 数十億円もの開発費を投じ、人に「かわいい」と思われることをひたすら追求して生まれた家族型ロボットだ。初期出荷分の予約は開始から3時間で埋まったという。 機能を盛り込むほど、人の気持ちが製品から離れていく。LOVOTの生みの親・林要さんは、そんな経験があったと語る。 だからLOVOTにはあえて入れなかった機能がある。 生じた余白に、人は自ら想像を込めるから、という。 僕は車が大好きで、大学を出てから自動車メ