旧銭湯お掃除〜仲間を作る
今、起業プログラム受講でお世話になっている町がある。
そのまちにかつて営業していた銭湯。
銭湯としては何十年も前に廃業し、その後は倉庫などに使われていたと思われる物件。
この貴重なまちの資源を活用しようと、10名程度の人で集まり「お掃除大作戦」を行なった。
旧銭湯内に残された木材や建具、家具家電、食器や調度品、その他様々なものをひたすら運び出し、トラックに積み込んでいく作業。
出てくるものに一喜一憂しながらみんなでせっせと活動するのは、さながら文化祭の準備や片付けのような雰囲気。
家族を連れて行ったんですが、他の参加者の子供も含めて子どもたちも大人を真似て小さなものを運んだりして手伝ってくれていた。
結果、実働4時間ほどの活動で、銭湯を覆っていたほとんどすべてのものを撤去し、かつての銭湯の姿を見ることができた。
満足感たっぷりのお掃除活動。とはいえ、実際にやったことは空き物件の廃材撤去の片付けという無償労働そのもの。
普通なら休みの日を使ってそんな無償労働したくないという人の方が多いだろう。しかしこの活動、掃除としての満足度もさることながら、仲間とともにひとつのことに取り組むという体験に大きな充実感があったように思う。
この物件が何かに再生することで直接的な利益を得られる人はほとんどいない。それでも、みんな満足して帰って行った。
最近、自分のまちでも度々ゴミひろい企画に参加している。
朝早くから集まりゴミを拾うのはもちろん楽じゃない部分もあるけど、仲間とともに自分のまちをキレイにするという活動には、大きな充実感や仲間意識の高まりを感じる。
銭湯を再生させたいだけなら、資本を集めて業者さんに頼んで、どかんと整備すればできる(お金はかかるけど)
けど、今後のまちづくりにおいてはそのプロセスそのものが大切ではないかと感じた。
何かあったら集まれるというコミュニティと、そこから生まれる活動による当事者意識の顕在化。
これが高いまちは、きっと面白くなっていくし人を惹きつけるのではないかと思う。
かつてあった何かを再生、活用する。
その過程を通して関わってくれる人を増やし、たくさんの人と苦楽を共にし、地域の人とコミュニケーションをとり、活動コミュニティをつくり、プロジェクトを育てていく。
そうやって、互いにおもいやりや信頼関係をつくりながら、お互いがいるまちを好きになっていく。
今回は、その活動の一端に関わらせてもらえた気がして、とてもいい経験をさせてもらった。
この経験を自分のまちでも活かしていきたいし、このプロジェクトにはこれからも関わっていきたいと思う。
学びの多い体験だった。
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