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楽しくはないけれど

日本に帰ってきて1ヶ月が経ちました。元々目的としていたカナダのリーグは今年中止になってしまいましたが、来年また挑戦したいと思います。海外では一人で練習することが多かったですが、現地の選手と一緒に練習、試合をする機会もそれなりにありました。その中でまず感じたことは、トップへの道のりはとんでもなく遠い、ということでした。頭では分かっていたつもりでしたが、トップレベルに近い選手が想像以上に沢山いる現実を目の当たりにし、道のりの遠さを実感しました。北米には身体的に恵まれていて、技術レベルも高く、経験値が豊富な選手がいくらでもいます。そういう選手たちに追いつき、追い越すことがいかに難しいことなのかを思い知らされた半年間でした。日本でも相変わらず自分の上達を最優先した日々を送っており、平日は大学生に混ざって練習、休日は去年同様Stealersの一員としてプレーしています。

好きなラクロスを毎日やることができる生活で、「さぞかし毎日が楽しいでしょう?」「留学楽しかった?」などと聞かれることが多いですが、正直楽しくはないです。基本的に良いプレーをしてもホッとするだけで、悪いプレーばかりが気になってしまいます。練習量に比して成長の度合いが鈍い様な気もするし、特段心踊る様なイベントが近々にないこともマイナスに作用しています。帰国後二週間の自宅待機の影響も尾を引いてか、何と無く活力が湧いて来ない、というのが現状です。カナダにいる時からずっと更新しよう思い続けていたnoteの投稿も、ここまで先延ばしにしてしまいました。モチベーションが上がらない中でも「自分で決めたことだから」と毎日同じ様に練習して、壁当てして、筋トレして、という生活は面白くはないです。

しかし、最近少しずつこの状態から抜け出せつつある気もしています。結局は自分のスタンスの話で、トップを目指す、ということはこういうものなのでしょう。高い目標を目指し始めた時から、心が震える様な喜びは随分先までお預けになり、気楽な楽しさには虚しささえ覚えてしまいます。これはこういうもので、仕方のないものなのかもしれません。

サラリーマンをしながらラクロスをする生活の方が楽しかったです。普通の社会人生活の中にあるラクロスは最高でした。毎週土日が楽しみで仕方なかった。ただ物足りなさを感じていたし、このままでは後悔すると思った。それでこの道を選んだわけですが、この選択はとても良かったと思います。トップラクロス選手への少年のような憧れは今でも抱いているし、この憧れは自分の原動力になっています。ただ当然代償もあり、良いこと・楽しい事ばかりではない。今は「もっと色々できることがあるのでは?」と焦りばかりが募っていますが、自分から色々と行動していきたいと思います。

こんなこと「何を今更」と言うような話でしょうし、それでもまた同じことをぐるぐると考えてしまうかもしれません。でもそんな中でもいま自分がやるべきことをやること、そしてそのプロセスを楽しむことが自分を保つ方法である気がしています。結局、積み重ねていくしかないのでしょう。試行錯誤し、日々の小さな成長に目を向ける。これに没頭する。そうしているうちにいつかとんでもない成長をしていると信じています。


「(バレーは)ほとんど楽しくない。でも、楽しいとか楽しくないのむこう......

1cmとか1mmの、逃げ出したくなるような針の穴のむこうに、何かがあるの。

死んじゃうくらい気持ちいいことが............!!」

(片岡屋で読んだ『昴』より)

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