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ドラッカー流・時代の変化に負けない商品力

 前回からの続編です。今回は自社が提供する商品やサービスが顧客にとって何なのか、ということを確認してみました。
前回同様、問いは以下の書籍から引用しています。

 ドラッカーが言う「事業の目的は顧客の創造である」ということは多くの方が理解できることだと思います。顧客目線であるということ、顧客の変化や課題を捉えて自社の事業活動に結びつけるという概念は十分に理解ができるし、共有できる部分だと思っています。では、私たちはどの程度の範囲で顧客を捉えられているでしょうか?そう問われた時に、自身を持って答えられる人は少ないと思います。
 目先のビジネスとしてのテリトリー内で顧客と接していただけでは決して真の課題は見えてきません。顧客のビジネスモデル像を俯瞰して捉え、経営者が考える将来像と現状とその合間に存在するGAP、そしてマクロ環境、すべての視点でその顧客と関連性を持たせて見ないといけません。
そして、顧客の真の課題が私達の事業テリトリー範囲外だった場合に、どのようにその顧客に向き合うかを考えさせられるわけです。私もこの事態にはよく出くわし、ジレンマを感じたことを記憶しております。

 今回は3つの問いに対して自身の仕事を振り返ってみました。

1. あなたの会社の商品やサービスを提供したとき、お客様にどんな変化が起きたらいいと思いますか?

 「お客様に何を提供したいか?」という部分にあたるのですが、決して商品や機能的な部分では収まりません。その先に何があるかを考えてみる事です。
私は自動化コンサルタントとして、製造現場等に自動化システムを導入しているサプライヤーです。そんな私がお客様に提供したいものは「現場で働く人が今より活き活きできる環境」です。自動化というと、省人化や無人化等がイメージ化されやすいのですが、実際にはロボットや画像処理技術を使って人手作業の負担を減らすというのが大半です。すると、以前よりも現場で働く人員は減るわけです。そうなると何が問題になってくるかといいますと、人と人のコミュニケーション機会が減ることです。残された人達は少ない人数で現場を担当するわけで、機械と一生懸命に向き合うわけです。しかも従来よりも人との接触が少ない環境で、です。モチベーションが下がるかもしれませんし、疲労感を感じやすくなるかもしれません。それでは自動化が成功したとしても(部分最適)、全体最適とは呼べません。
そうしたことが起こらないよう、人と機械のインターフェイスを新たに構築し、対話式のコミュニケーションが図れる工夫をしています。そして、人が機械と接する中で働き甲斐や喜びを感じて頂けるよう、日々努めています。

2. あなたの会社の商品やサービスが最も役に立つ場面を考えてください。お客様はどんな人ですか?

 この問いは、つまり「私たちにとってお客様は誰ですか?」ということだと捉えました。上記でもお伝えした通り、私の顧客は「人手不足や事業継承に課題を持つ製造業」です。自動化の提供によって社会変化に対応したモノづくりやより効率的な現場を提供することで生産性の向上だけでなく、リクルートやBCP対策にも強力に発揮する現場づくりを支援しています。只、顧客によって価値は変わるものですから、柔軟な視点で取り組んでいく必要性はあります。

3. あなたの会社が最も役に立てるという、そのお客様は日ごろ、何から情報を得ていますか?

 今の時代、情報は様々なルートで収集できます。紙媒体からネット情報まで非常に幅が広い上に超高速に大量データを取得することができます。私の顧客も大半が新聞、雑誌、SNS、ネット、Youtube等の動画を活用したインプットをしております。加えて昨今のコロナ禍においてはネット情報は益々活用の幅が拡大しております。こういった環境を捉え、私も情報提供の仕方を日々試行錯誤しながら実施しています。
ただ一つ忘れてはいけないこと、それは「お客様に届けるもの(内容)は何一つ変わらない」ということです。例えばzoom等を活用してリモートで商品説明会を実施すると、思わず実施した事自身に満足してしまいがちです。情報の「届け方」はあくまで手段です。これは忘れてはいけないことですね。

 今回は商品と顧客の関係性について書いてみました。次回は組織と個人の関係性、個人が行うセルフマネジメントの必要性について書いてみます。
読んでいただき、ありがとうございました。

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