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サードを見越したセカンドキャリア 後編

前編

「何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何ももてないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ」

この小見出しのセリフは、風の歌を聴けの有名な一節です。はじめてこの文面を見たのはたしか18歳のときで、うーんたしかにそりゃそうなのかもなあ…、でもちょっと卑屈すぎない?といった認識でした。

キャリア形成と言うとなんかうさんくさい感じがしますけど(なにが予定できんねんみたいな)、失くすとか持ってるとかの文脈で話すなら「その繰り返しかも」と言えます。なにかしら失くしたり持ったりしながらライフステージが変わっていくもんですよね、たいていの人は。50年も60年もずっと環境を変えずおなじことを継続する所存!キリッ!っつうのは、まあ…、あんましないのでは。そのうち違うことをやりはじめるかなあくらいには思うんじゃないでしょうか。

スキルセットよりマインドセット

スポーツにしろプログラマにしろデザイナにしろ、多くの場合は「選手」から始まります。いきなりコーチとかマネージャっつうのはそうありません。指揮命令系統の下流の位置に立ち、だんだん上流へ遡っていきます。三浦知良さんはずっと選手のままですけど(笑) 例外的。
で、節目節目で、たとえば選手がコーチになったからといって記憶を失うわけではなく、ましてやザーボンさんやフリーザ様のように体格やキャパシティが急激に変化するわけでもなく、それまでの経験を糧に新たな生活を始めるんですね。過去は失われません。

とはいえ「まだやりきった感じがしないんだよなあ」と、行動の変化が怖いときもあるとは思います。茫漠とした不安感が募るかもしれません。しかし忘れてはならないのは、どうせまた変わるってことです。これから始まる新しい生活もいつかきっと変化します。何度も変化しまくります。

したがって、特定のスポーツでも、プログラミングやウェブデザインでも、目先の課題を解消するためスキルアップするのは当然よいとして、体得したスキルセットを活用するシーンや活用方法が、変化の過程で想定外にさまざま生じると信じてもよいのではないでしょうか。サッカー選手でなくなっても、サッカー選手になる道程にはたくさんの学びがあったはずで、ソースコードを書かなくなっても、後進がハマりがちなトラップがわかるはず。スキルを失くすんじゃないんですね。活用のしかたを変えるだけです。

持つべきはどうにかしようとする姿勢

えいや!とやってみて、期待どおりになることもあれば、思うようにいかない結末もあります。それがどんなに過酷であっても生きているかぎり、すべての結末は通過点です。Aの結末を受けBを、Bの結末を受けCを、の繰り返し切り返しです。特定のスキルセットを得たところでそれも通過点に過ぎず、じゃあそれを活用して次どうすんの?のステージへ。ファーストがこうだったから、セカンドはこうしてみっか、するとサードはたぶんこういうことになるから、セカンドはああしてみたほうがよさそうに思えるな、といったふうに自分の生活や役割や仕事を流れで捉えるにあたって、ひとつ、検討の選択肢に入れてみていただきたいものがあります。プロジェクトマネジメントのスキルセット体得です。

英和辞典で「manage」を引くとわかるように、管理や監視というよりも、うまくやるとかどうにかするとかの意であって、解釈がめちゃめちゃ漠然としているんですが(笑)、要するにプロジェクトマネジメントとは!どうにかして活動を成功に導くことです。次から次へと立ちのぼる障害を予防したり回避したり乗りこえたりして、やがて目標地点に辿りつく力は、仕事かプライベートか問わず、誰のどんな人生においても貴重ではないでしょうか。建設でも展示会でもなんでも、目標が設定される期限つき活動ならどんなものでもプロジェクトマネジメントのスキルセットは活用できます。

ただし小見出しで暗示したように、プロジェクトマネジメントとはスキルセットや体系的知識とも言えるものの、実態としては「現実を受けいれる姿勢」「諦めない心」「最終的にどうにかすればよい」といった精神論です(ほんとうか?)。

誰かを救って自分を救う

私は高卒で、ミュージシャンの道を選び進みました。いろんな挫折があり、35歳のときにITプロジェクトマネジメントをはじめて経験し、それまでの人生が嘘だったかのように苦しみ(笑)、そのおかげでか目が覚めて自分の強みかな?と思えるものを発見して今も生きながらえています。

誰かに助けを請いながらも、逆に誰かを救って役に立つ=自分の存在意義や付加価値を提供するには、一時的に苦しかろうがなんだろうが、誰かの弱みに自分の強みをあてがうしかなかったですね。

35歳当時の、絶対的な優位性なんぞどこにもない私の一縷の望みとなる相対的な強みとは、中途半端な英語力、人生失敗しまくっているのを背景にあんまし物怖じしなくなった心臓と、広義の「インターネット」の浅知恵でした。マークアップやスクリプト言語なんてオレオレコードでちょっと書いてみた程度の腕前しかなく、Debian系ディストリを自作PCにいろいろインストールして遊んでいたので「CUI、わかります」と謎の自信でブリッジSEをやってみて、見事に最初のプロジェクトで大炎上したんです。予防もへったくれもないやり方でした。

だけれども、それだけひどい状況でも、実行する人がほかにいない弱みにつけこんで私は往生際悪くやりつづけました。たくさん失敗するので、私に対し低い評価をくだす人が大半でした。数年後には認めてくれる人も現れたんですがまあ…、慰めてくれただけかもしれません。

うまくいっているうちに次の一手を

ソフトウェア開発プロジェクトに従事し、七転八倒しながら自分自身に伸び代があること自体はなんとなくポジティブに感じとれはしても、同時にてっぺんもすぐそこに見えている気もして、いろんな人に出会い話をうかがう間に次のステージが判明し、弊社YNSにジョインしプリセールスを経て、現在のいろいろ段取り野郎に至ります。

すみません!自分語りが長くなりました。もうすぐ本記事はおしまいです。

みなさんは、ご自身の強みや弱みとともに、どう生きていこうと考えていますか?今それなりにうまくいっているとして、次のステージに向かう先行投資を始めるなら、どんなきっかけを待っているでしょうか。

よかったら、読者のあなたの先行投資について、お話を聞かせてください。採用人事としてそれなりに活動をしてきたので、面接官各位が考えそうなことくらいならいろいろ私からも話せると思います。TwitterのDMをお待ちしています!

おまけ

以下のように、

英語の理解力や表現力を少しでも向上したいIT人材

サードを見越したセカンドキャリア 前編

想定読者を設定しましたので、それとなく伝えておくと、ご自身の英語力の主観的な納得度が30%でもあれば、現場に出るようチャレンジしたほうがよいと思います。どんだけ英語力が上達しても、80%程度に納得する未来なんてまあ〜〜そうとう困難ですよ。時機を待つメリットよりデメリットを憂慮しましょう!

それでは!よいお年を!!!!!

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