見出し画像

どうなる!?日本の名刺文化

オンライン会議が主流になり、名刺交換の機会が極端に減っています。日本のビジネスシーンの象徴でもある名刺交換はこのままなくなっていくのか?

握手文化と名刺文化

はじめに世界と日本の文化の違いに触れておくと、日本で名刺はその人の顔と同等の役割を持っていますが、海外の多くの国では、挨拶の場で重視されるのは名刺交換ではなく、「握手を交わすこと」や「自己紹介」などです。日本ほど名刺が重く扱われている国は他にないのではないてましょうか。欧米での挨拶で重要なのは、握手をして、相手の目を見て自分が何者なのか、自分の存在価値を簡潔に伝える能力と言われているようです。

例えばこんなシーンを自分なりに想像してみると。。。

机越しにこんな風にナチュラルな挨拶が自分にできるのだろうかと、思ってしまいます。なんて爽やかでcoolなんでしょう!


エレベーターでさりげなくこんな風にできるだろうか。偶然居合わせたら、ちょっと目を合わせて軽く会釈。その後はもちろん、階数表示をじっと見つめますよね・・・。欧米式の挨拶はレベルが高過ぎます。


相手はおじさんや、男性だけとは限りません。当然女性との挨拶の機会も多くあります。こうなってくると、自分が何者かを簡潔に説明する前に、手汗が気になることでしょう。


自分が欧米式の挨拶ができるかどうかをイメージしてみて気づいたのは、自分もそうですが、多くの場面で日本人は、はじめてお会いする方とご挨拶する時、粗相がないようにという意識が強いように感じます。

だからこそ、名刺交換においては共通見解(ルール)があるのかもしれません。相手の名刺より下に、いただいた名刺の並べ方、複数人による名刺交換の際は職位の高い方から順番に列ができます。日本人の奥ゆかしさでもあり、主張の弱さが象徴されているように思います。

もちろん名刺文化にも良いところはあり、名刺のデザインを通して自分の所属する企業や組織の空気感を伝えることができます。紙の斤量や、印刷加工ひとつで、個性を見える化することも可能になります。また、1日に何人も名刺交換をすると、名前と顔が一致しないこともあります。そんな時は、いただいた名刺を眺めながら、自分の中でおさらいすることも可能です。そう考えると、日本の名刺文化も、まんざらでもないように思います。

コロナ禍における名刺の行方

色んな方とお会いする機会が多い私は、名刺が減るのも早いのですが、リモート会議が主流になり、名刺交換をする機会がほとんどなくなりました。はじめてお会いするのがリモート会議だと、お名前と顔が一致しないことも多く、ビデオがオフの方に至っては、声からお顔を想像するしかありません。それはそれで、面白かったりもするのでますが。また、会議の参加人数が多い上に、画面共有をすると、お一人おひとりの顔が小さくなり、もうカオスです。

そんな中で、先日ご自身の名刺を背景画像にしている方がいらっしゃいました。なるほどと思う反面、日本のビジネスシーンの象徴である、腰を斜め45度に折り曲げながら名刺交換をする場面がこのままなくなっていくのかと思うと、寂しい気持ちにもなりました。

ちなみに当社の名刺はとても分厚く、箔押し加工に加えて、縁を手塗りで仕上げる贅沢仕様になっています。分厚いが故に名刺入れにあまり入らないため、私は常に名刺入れを2つ持って歩いています。不自由もありますが、それも個性だし、大事なコミュニケーションデザインです。
このまま、リモートが定着していっても、相手が欧米人であっても、私は自信を持って名刺を持ち続け、お配りしたいと改めて思います。

コロナ禍により様々な局面において、いづれ到来する未来が早くにやってきていると言われています。ビジネスシーンでも働き方改革が進み、今後も若い世代を中心に新しい価値観が、次々に生まれてくるはずです。リアルでの対面の機会も減り、ペーパーレスが進む中、日本のビジネスシーンの象徴でもある名刺文化を若い世代が残すべきコンテンツと判断するのかどうか、とても興味深いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?