『一斉授業をハックする』から⑦
自分のキャリアを考える出前授業への応用
先日、お世話になっている高校で出前講義をする機会があり、教育学部の紹介も合わせて行ってきた。小規模の高校で、私の講座には7名の高校2
年生が参加した。そのほかにも、理工系のブース、医学系のブース、保育関係のブース、そして大学教育とはなんぞやのブースがあり、それぞれに大学教員が入って、講座を担当していた。
教育分野の担当者は、今回小学校以上の学校教育の担当1名(私)と、保育関係の担当1名、計2名だった。しかし、教育関係の話題はもっと幅広い。それをできるだけカバーする方向で開催されたイベントの一つに、「TOKYO教育Festa!」がある。下記のウェブページにおけるブース一覧表をみると、参加者は自分のニーズを見極めながら、あるいは潜在的なニーズを引き出されながら聴講できそうである。
高等学校における進路講演会や出前授業はこのように、生徒の進路希望に応じて複数の教室、複数のブース、複数の講師、複数のテーマが用意されることが多い。その複数が、同じ時間帯で同時並行的に展開されている。つまり、出前授業は「学習センターとして」展開しているといえるのではないか。
本書の著者は、こうしたキャリア教育における展開も想定しながら次のように述べている。
日本では進路説明会や就職説明会ですでに実現していることでもある。自分の学びたいことを選択して学ぶということがそこでは行われている。「ゲストを招く」というかたちを使えば、地域の教育資源を学校教育に取り入れるカリキュラムマネジメントの一環にもなる。やはり準備は大変ではあるが、それだけ生徒のニーズに応えることが可能になる。本書の副題に「学校と社会をつなぐ学習センターを教室につくる」とあるが、このような形を使えば、まさに教室が学校と社会をつなぐハブとして機能することになる。
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