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歴史:否応なく持ち運ばれていくもの

 本を読むことは歴史を持ち運ぶことでもあるーー。村上春樹の下記の本を読んで、そのような考えが浮かんだ。本を読むことで、そこに描かれる人物の歴史を受け継いでいくことができる。著者がそのような考えを持つに至った理由や、その背景にある価値観。読書はそういったものを受け継いでいくことでもあるのだろう。

「歴史は過去のものではない。それは意識の内側で、あるいはまた無意識の内側で、温もりを持つ生きた血となって流れ、次の世代へと否応なく持ち運ばれていくものなのだ。」

村上春樹『猫を捨てる 父親について語るとき』
文春文庫、2022年、p.120より

懐かしさを感じさせるイラストは本文中にも

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