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星を点像で撮影する露出時間の検証

長野に桜を見に行ったついでに、星景写真における500ルールとNPFルールを確認してみました。

星と風景を一緒に撮影する星景写真は広角レンズを使い15~30秒の露出時間で撮影するといわれています。止まって見える星も1時間に15°動く日周運動している為、星を点像で撮影する露出時間はレンズの焦点距離によって変える必要があります。しかし露出時間が短いほど良い訳ではなく露出時間を短くするほどISO感度を上げねばならず、点像で撮影できる露出時間の上限で撮影することになります。
星を点像で撮影するための露出時間の上限を簡便に計算する500ルールがあります。フルサイズの場合は、500をレンズの焦点距離(mm)で割るだけで上限露出時間(シャッタースピード)の目安がわかります。

500ルール

500÷レンズの焦点距離(mm)=上限露出時間(秒)

16mmの焦点距離の場合は
500÷16mm=31.2秒
露出時間を30秒で撮影すれば点像に撮影できることになります。

焦点距離 16mm シャッター速度 30秒 絞り F2.8
焦点距離 16mm シャッター速度 30秒 絞り F2.8【拡大】

露出時間30秒で、しっかり天の川も撮影できました。でも拡大してみると星が少し流れています。
点像に撮影できるまでシャッタースピードを上げて確認すると

焦点距離 16mm シャッター速度 8秒 絞り F2.8
焦点距離 16mm シャッター速度 8秒 絞り F2.8【拡大】

露出時間を8秒にすると星をほぼ点像に撮影することができました。

星景写真を500ルールでシャッタースピードを決め撮影した場合、拡大すると星は点像になりません。

NPFルール

NPFルールとは、星景写真を撮影する時に星が点として撮影できる上限露出時間を算出する方法の一つで、画素ピッチ、焦点距離、絞り値などで計算します。

NPFルール計算機に次の値を入力すると
センサーサイズ:フルサイズ
画像の横幅:6000ピクセル
焦点距離:16mm
絞り:F2.8

露出時間 8.2秒

星景写真を拡大してみる場合はNPFルールで露出時間を決めるのが良さそうです。

焦点距離24mmでも500ルールとNPFルールを確認してみると
500ルール
500÷24mm=20.8秒

焦点距離 24mm シャッター速度 20秒 絞り F4【拡大】

NPFルール
センサーサイズ:フルサイズ
画像の横幅:6000ピクセル
焦点距離:24mm
絞り:F4

露出時間 6.3秒

焦点距離 24mm シャッター速度 5秒 絞り F4【拡大】

焦点距離24mmでテストしたところやはり500ルールでは星は点像になりませんでした。NPFルールは点像になっていますがISOを上げたるため画質が悪くなっています。

星点像撮影早見表(EOS 6DmarkⅡ)
 ルール       NPF                 500
        F1.5  2.8  3.2  4.0  5.6       ―
  16mm          8.2  8.6  9.5 11.1    31.3
  17mm          7.7  8.1  8.9 10.5    29.4
  21mm   5.2  6.3  6.6  7.2   8.5    23.8
  24mm          5.5  5.8  6.3   7.5    20.8
  35mm          3.8  4.0  4.4   5.1    14.3
  50mm                         3.1   3.6    10.0
100mm                                 1.9      5.0
400mm                                 0.5      1.3

総括

タイムラプスやWebのみで使用する場合は500ルールとNPFルールの中間位の露出時間で撮影。
大きくプリントアウトする場合はNPFルールで求めた露出時間とする。ただしISO感度を4000を超える場合は星空の適正露出まで露出時間を調整する。

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