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【読んだ本】 「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方/岩田 松雄

この本を一言で言うと...

カリスマ的なリーダーではなく、謙虚で人格が優れているリーダーになるための考え方が学べる本

読んで学んだことは…

①「ついていきたい」と思われるリーダーの「考え方」

● リーダーにカリスマ性の有無は必要ない。むしろ、謙虚さを持ち、人格的に優れている(『ビジョナリーカンパニー2』で「第五水準」のリーダーと定義されている)。
● 第五水準のリーダーは「努力をすれば、必ず報われる」という信念を持つ。人を治める前にまず、自分を修めようと努力し、コツコツ自分を高めていくと、周りから推されてリーダーになっていく。
● 部下は、上司の人間性を見ている。上司として自分をよく見せていないか、自分の出世のためなどの私利私欲がないか、など仕事ぶり以外のことを部下は見ている。
● 自分の上司の顔色を気にする以上に、部下への態度を見直す。リーダーに問われるのは、部下にいかに動いてもらえるかであり、自分より立場の低い人たちへの対応が重要。
● 権力を手に入れるということは、同時に責任を手にするということ。責任を背負えるだけの人格や人間性を磨かなければいけない。
● リーダーはまず自分たちの存在理由(ミッション)は何かを考えなくてはいけない。ミッションは「情熱を持って取り組めるもの」「自社が世界一になれるもの」「経済的原動力になるもの」の3つを満たすものが良い。

②「ついていきたい」と思われるリーダーの「コミュニケーション」

● リーダーの日々の言動、仕事ぶりそのものが、部下とのコミュニケーション。何に喜び、何に怒るのか。部下はそこから何かのメッセージを読み取ろうとする。
● 第五水準のリーダーは、部下の声を聞き、一緒に作っていく。部下が萎縮し、言いたいことが言えない…という状態は良くない。
● リーダーとして部下に話すとき、最も重視すべきは「わかりやすさ」。聞く立場に立ってわかりやすく具体的に話す。また、キャッチーなフレーズを作ると、やろうとしていることを浸透させ、勢いをつけられる。
● 叱る時は自尊心を傷つけないよう、「あなたらしくない」「あなたでさえ」という叱り方をする。ただ、ずるいやり方をしていたり、適当にやっていたり、悪いことをしている自覚がないケースでは、真正面から叱る。

③「ついていきたい」と思われるリーダーの「マネジメント」

●「みんなを幸せにしたい」という思いこそが、リーダーの最大の原動力でなければならない。
● リーダーは、部下に関心を持たなければいけない。いつも気にかけ、一言声をかける。
● リーダーとしての結果は半年後から出すと考える。三ヶ月でおおよその概要を掴み、一つのアウトプットを出す(レポートでも戦略の構想でも)。次の三ヶ月で、それを実践に移す。
● 部下は結果だけでなく、プロセスを見て評価する。それが部下のモチベーションを高めることにつながる。

④「ついていきたい」と思われるリーダーの「人間力」

● 自分に対しての志、なりたい姿の要求水準を高く設定する。自分は未完であり努力しなければいけない、という謙虚な姿勢が「人間力」につながる。
● 人によって態度を変えない。目下の人には目上の人にも、同じような態度で同じように接する。できるだけ謙虚に。
● 成功は目指すべきものではない。人間的な成長こそが、必要。そして人間的な成長をすること自体が成功。
● 無私の心を持つ。自分のことを考える私心を捨てる。このために重要なのがミッション。自分は何のために仕事をしているのかを忘れない。

読んで思ったことは...

このまえ読んだ「リーダーシップとマネジメントの違い」には、リーダシップとマネジメントの違いは次のように書いてあった。

リーダーシップ:
・変化に対処する。
・長期的なビジョンを定め、実現に必要な変化を起こす戦略を立案する。
・同じ方向を目指して一緒に動けるよう、人心を1つに統合する。
・ビジョン実現のため、メンバーの欲求を満たすことで動機付け、触発する。

マネジメント:
・複雑な状況に対処する。
・短期的な目標を定め、その達成に向けて計画と予算を策定する。
・正確かつ効率的に計画を遂行できる組織を編成し、人員を配置する。
・統制と問題解決によって計画の達成を確実にする。

こんな感じでマネジメントと比較すると、リーダーシップにはカリスマ性のようなものが必要なのでは思えてくる。

でも、リーダーに本当に必要なものは、謙虚さをはじめとする「人間性」や「人格」なんだ、というのがこの本の主旨。

たしかに、ウォーレン・バフェットも「人を雇うときは三つの資質を求めるべきだ。すなわち、高潔さ(インテグリティ)、知性、活力である。高潔さに欠ける人を雇うと、他の二つの資質が組織に大損害をもたらす」と言っているし、ドラッカーも「インテグリティこそが組織のマネジメントを担う人材にとって“決定的に重要な資質”だ」と言っている。

でも、「人間性」も「人格」も「インテグリティ」も、わかるようでわからない。謙虚で、誠実で、高潔...?そんなスーパーなこと言われても自分にはできそうもないなあ。なんてことを思っていたら、この本に良い一節がありました。

しかし、強く認識しなければいけないことは、権力を手に入れるということは、同時に手にしなければいけないものがあるということです。それが責任です。
「みんなを幸せにしたい」という思い。これこそが、リーダーの最大の原動力でなければなりません。

責任を全うするため、謙虚で誠実で高潔な自分であるように自分自身を律する。こう考えると自分の中でしっくりくる気がする。自分のために自分を律することは難しいけど「メンバーを幸せにする」「組織のミッションを実現する」という責任を全うするためであれば、自分を律せられる気がする。

謙虚で誠実で高潔な人がリーダーになるというのがベストなんだろうけど、いまの自分はまだまだムリ。リーダーになってその責任を負うことで、謙虚で誠実で高潔な人間になっていこうと頑張る、という順番が精一杯。

目の前のメンバーのため、組織のためなら頑張れるし自分を律することができるから、順番は逆かもしれないけどそんな感じで頑張らせてください。

そんなことを思いました。



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