【読んだ本】 失敗から学ぶユーザインタフェース/中村聡史
https://www.amazon.co.jp/dp/B018JVUW2W/
どのようなことが学べる本か
世の中にあふれているBADUI(バッド・ユーアイ)の事例を通して、人を惑わすUIの9つの特徴が学べる
どのような人にオススメか
① プロダクトやサービスの作り手であり、意識的にUIに関わるデザイナーやディレクター
② 書類の作成・案内板の作成・本棚の整理・ゴミ箱の設置…など、無意識的にUIを作成している全ての人
※UIとは「人が何らかの目的を達成しようとするとき、人と目的との間にあるもの」であり、デザイナーなどでなくても多くの人が無意識にUIを作成している。
どのような内容か
BADUIを生み出す9つの原因について説明している。
1. 手がかりがない
操作の仕方の手がかりを「シグニファイア」と呼ぶ。このシグニファイアが存在しなかったり弱いと、人を惑わせる。
⇒ 事例:引くのか押すのかわからない扉など
2. フィードバックがない
ユーザーが自分のイメージ通りの動作を期待することを「メンタルモデル」と呼ぶ。動作がメンタルモデルと異なる際、適切なフィードバックがないと、人を惑わせる。
⇒ 事例:エラーの内容がわからない入力フォームなど
3. 対応づけがない
操作対象と操作方法の対応づけ(マッピング)ができていないと、人を惑わせる。
⇒ 事例:どこの照明がつくかわからないスイッチなど
4. グループ化されていない
人間はある集合をグループ(ゲシュタルト)として認知する。例えば、距離が近いもの、形が似ているもの、同じ枠に囲われているものなど。このグループ化がうまくいっていないと、人を惑わせる。
⇒ 事例:分類がうまくできていないため目的の本が見つけづらい本棚など
5. 慣習とかけ離れている
ユーザーが今まで経験してきたもの(慣習)とかけ離れていると、人を惑わせる。
⇒ 事例:簡略化されわかりづらいトイレの男女マークなど
6. 一貫性がない
一貫性が欠けていて操作が困難になっていると、人を惑わせる。
⇒ 事例:ハイフンありとハイフンなしが混在した入力フォームなど
7. 制約がない
操作順・操作方法などの制約がうまく提示されていないと、人を惑わせる。
⇒ 事例:+側と−側の形に差異がない電池の差し込み口など
8. メンテナンスされていない
経年劣化や文化の変容に沿ってメンテナンスがされていないと、人を惑わせる
⇒ 事例:赤字のインクだけ薄くなった案内板など
9. その他
上記8つとは別に「詐欺的なインターフェース」なども存在する
⇒ 事例:データをごまかすグラフなど
読んで思ったこと
① たくさんのBADUIの事例を写真付きで解説している本。どこの照明がつくかわからないスイッチ、赤字のインクだけ薄くなった案内板など、あるあるの宝庫で単純に読んでいておもしろいし、身近な例からUIのあり方を考えることができた。
② 一方で、良いUIは使いやすいが故に普段は気に留めることがない。どれも先人の知恵や苦労が詰まっているものだから、日頃から良いUIを意識することで、自分の中の引き出しを増やしていきたい。
③ BADUIのタレコミサイトがおもしろそう→ http://up.badui.org
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