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相手の意見を「理解する」ことと「合意する」ことは違うぞ!という話し。

第16回 相続対策会議です。

最近では、アメリカ大統領選挙はじめ「分断」という言葉がニュースとなっているような気がします。

すいません、個人的に、気づいたのがこのあたりということです。

アメリカでは、多様性を重んじる?多様性を受け入れるという主張の足元でトランプ大統領の支持者グループを排除しようとしているように見えます。

報道の仕方、見え方による強調があるのかもしれませんが。

私は、この場でアメリカの政治や社会環境のことを主張や議論をしたいわけではありません。ただ、「分断ではなく団結を!」という言葉を発している方々が、その実、自分の許容できないグループなどへの「嫌悪感」を抱いて、さらなる分断を招いているような気がします。

このような感覚は、政治世界に限って言えるものではなく、相続現場でも見受けられます。

例えば、「遺産分けは、法律に基づいて分けましょう!」という人ほど、生前中に、亡くなった方からの資金的な援助を受けていたということがあります。

ご丁寧に、遺産分けの相談の前に、私に「遺産分けは、法定通りにしましょう!」という説明をしてください、というお願いもしてきます。

依頼は依頼として、お聞きしますが、やはり、相続人の皆様で検討して頂ければと思います。

最近の「分断」という言葉で妙に引っかかる思いがあるのですが、これだけでなく、次のような発言もあります。

・「お前のこともちゃんと考えている。俺の言うことを聞いておけばいいんだ。」

・「私の方が、あなたよりも考えている。私の考えを聞いて!」

・「何も分からないんだったら、黙って従っていれば良い!お前には難しい話しだ。」

なども、家族間では、普通に出てくる言葉ですが、よくよく考えてみると、家族間と言えども「大きな溝」を作っているのではないでしょうか?

先程のアメリカ大統領選挙での著名人の発言では、「トランプ支持者が、こんなにいるのは残念です。」という主旨の発言をされている方がありましたが、裏を返せば、

・「この方々は、受け入れられない」

・「この方々とは、やっていけない。」

・「こいつらは残念な人たちだ。」

というような、少々、言葉が悪いのかもしれませんが見下した感じを抱きます。

相続現場でも、先程のような、「お前のことは俺が考えている」的な発言は、結局、俺または私のいうことを聞け!ということであり、相手のことを考えていると言いつつ、話し合いや協議に参加させないでいるケースがあります。

相手のことを尊重するのであれば、協議に参加させてちゃんと意見を聞くべきです。

国という大きな単位で起きていることも、家族という小さな単位で起きていることも、単に人数(規模)の違いで、考えや行動の根本は同じです。

家族の中では、「いつも話し合いに参加しないから」とか、「話しが合わない」、「全く考えを変えてくれない」ということから、一部の家族を抜きにして協議することが、返ってトラブルのもとになります。

自分の意見と沿わない意見に瞬間的に反応して感情的になるよりも、一歩引いて、「そういう考えなんだ」というように、まず、考えを理解することが大事です。

ここで大事なことは、「理解」と「合意」を同じ意味合いで考えている方がいらっしゃることです。

違う意見を聞いて理解したのは、あくまでも意見を理解したのであって「合意した」わけではありません。

「理解と合意は、別物」このような姿勢で臨むことが大事です。

あなたが理解するように、相手にも理解してもらうことが第一です。

相続対策は、家族のためにと考えて行われるケースが多いのですが、この考えも、もしかしたら「親の考え」を押し付けているだけとなっていませんか?

いろいろと意見を聞きつつ、相手の立場になって考えてあげてください。

「お前の意見は、聞いいていない!」「あなたの意見は、間違っている」などの発言は、家族と言えども「分断」を生んでいるかもしれませんよ!

家族にも、「分断よりも団結を!」です。

民主的な相続を!

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