一緒にいればいるほど寂しくなる人と距離を置くことにした。

※作品のネタバレ有※

※とても自己中な体験談です※


「姉の友人」。

私が最近読んで印象に残った漫画である。

未読の方は是非読んでもらいたい。(Twitterトーチwebサイトでも見られる)

この漫画に出てくるるりちゃんは、るりちゃんの姉と両思い(だったけどすれ違ってしまった)の女性に自分でも気づかないうちに好意を寄せる。

るりちゃんはその女性に可愛がってもらうが、その女性の心の中にはるりちゃんの姉しかいない。姉とそっくりなるりちゃんを通して"お姉さん"のことを見ているだけで、"るりちゃん"のことは見ていなかったのだ。

その事実に気づいたるりちゃんは悔しかったり悲しかったり、これは恋じゃないと自分を無理やり勘違いさせようとしたり、無意識に全く別の他人にその女性との共通点を見出したりと、葛藤する。

私はここにひどく共感してしまった。

皆さんの周りにもこういう人はいないだろうか。

「目の前にいる人のことを見ようとせず、もっと遠くを見つめる人」「一緒にいればいるほど寂しくなってしまう人」が。


私は恋愛経験も全然ないし、そもそもそういう願望もない人だった。

私と似たような数少ない友人に囲まれて過ごしていたからというのもあるかもしれない。一人でいろんな場所に行けるし創作には没頭するし極力人とは関わらない、どちらかというと一人でいる時間を楽しめるほうだ。

だから「一人でいるのが寂しい」や「恋人が欲しい」という気持ちは正直よくわからなかった。私はむしろ大人数の中で周りが敵しかいない(仲間がいない)なんて時に寂しいと感じる。

そんな中、Twitterで常に寂しがっている人がいた。

その人のことをここではKと呼ぶ。

Kは自分の寂しさを埋めるために周りのいろんな人たちと通話やオフを繰り返していた。その"いろんな人たち"の中に私はいた。つまりKにとって私はワンオブゼムである。

ただ私は他人から頼られることに自分の存在意義を見出していたので、頼られることが嬉しくて舞い上がっていた。結局私も自分しか見えていなかったという証拠である。

いつもいつも急にかかってくる電話も寝ている時以外は極力出たし、会おうと言われれば会った。

でも気づいた。

会えば会うほど寂しくなることが。

Kは甘え上手のため、私と違い仲の良い友人がたくさんいた。

だからだろう、急に電話がかけられて通話していても「あっ友達から電話がきたわごめんね」と言われて急に切られたりした。

「忙しいから今はあなたには会えないかな」と言いつつ、他の仲の良い友人たちとは遊びに行っていた。

ここまで書いただけでもわかるだろう。

結局私は「時間の埋め合わせにぴったりな友人以下の都合の良い人間」として扱われていたのである。

私が第三者だったら、私みたいな状況の人間に対してもうKと会うのはやめとけって止めるだろう。あまりにも馬鹿だな自業自得だなと思うだろう。

でも当事者になったらだめだった。やめられなかった。はっきりとした理由はわからないが、どうしても心配になってしまうし、自分ごときが力になれるなら力になりたいと思ってしまう。そして会った直後の数日はより一層会いたいと思ってKのことで頭がいっぱいになってしまう。

Kは私に会おうと言っておきながら会っている時も私には一切興味がなさそうで、私の全く知らない自分の好きな人たちについて話してきた。

私が何かしても「前に付き合っていた人もそうだった」「なんだか前に付き合っていた人を思い出す」と、過去を引っ張り出してくる。そして「もう誰も好きになれないと思う」「今も寂しい、誰か他の人と遊んでいる時でも常に寂しいと思う」と言った。

そりゃそうだろうな、と思った。

だって、過去に囚われてて、今目の前にいる人のことを見ていないんだもの。

お互いがお互いを見ていない、そんな虚構を生み出していたんだもの。

最近、Twitterのフォロワーに私と同じようにKの勝手に振り回されているような人を見つけた。このまま私がKと関わっていても、Kも、Kの周りの人も、そして私も、誰も幸せになれないなと思い、もう会うのをやめようとKに伝えた。Kと一緒にいると寂しいなとはっきり感じ始めてから約1年半後のことである。

Kはそれを受け入れ、それ以降お互いアクションを起こしていない。

Kは好きな子に振られるたびに生活に支障が出るほど取り乱して私含めいろんな人に縋ってきた。でも私が会うのをやめようと言ってもKに特に大きな変化は見られず、淡々と日々を過ごしていた。私に対して本当に興味がなかった、Kの中で私は何者でもなかったという証拠である。

私の決断で、ちょっとはショックを受けてほしかったな、と思ってしまった。私のエゴだ。

一方私は自分から会うのをやめようと切り出しておきながらその後何日かはずっとKのことを考えていて頭がほわほわしていた。この選択は間違っていたんじゃないかと何回も連絡を取ろうとしてしまった。でも耐えた。

ここで連絡を取ったら、Kと同じになってしまう。

私は過去にとらわれたくない。今私と関わってくれている人を、他人を大切にできる人を大切にしよう、そう思った。

明るくいろんなことを話しかけてくれるフォロワーさんを見て、自分は1人じゃないな恵まれてるなと思えて少し元気になった。

ただ、今でも思う、私にとって、Kはなんだったんだろうかと。

好き、だったのかな。

正直言って、Kのいいところが思い出せない。むしろ私の苦手な性格で、嫌いなところばかり思い浮かんでしまう。

それでも会いたいと思ってたし、今も会いたいと思う。でももう会わない。

やっぱり、私も自分しか見えてなかったのだろう。

多分このnoteをKに見られたら私はKにかなり嫌われると思う。でも、無関心よりいっそ嫌われた方がいいのかもな、見られたくないけど見られたいかも、と思っている。

でも、多分見られないだろうし、私の気持ちも伝わらない、伝えようとも思わない。それでいい。

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