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〜微力〜 J1第12節 セレッソ大阪vsベガルタ仙台

明治安田生命J1リーグ第12節 セレッソ大阪vsベガルタ仙台 2020.8.23

試合からかなり時間が経ってしまったので今回は要点だけざざっと書いていきたいと思います。

試合前両チーム状況

セレッソ大阪(2位)

卓越したゲームコントロールのもと昨シーズンJ1最小失点を記録したロティーナ監督のチームは今年も好調。しかし前節川崎相手に5失点。今節こそ威厳を保つべく無失点で勝利したいところ。ここまである程度メンバーを固定して戦ってきているが特にけが人は出ていない。

ベガルタ仙台(15位)

水曜に行われる予定だった11節は対戦相手のクラブ内におけるクラスター発生を受けて試合が延期された。この過密日程においてミッドウィークに試合がなく、しっかりと状態を整えられるのはある種アドバンテージかもしれない。その利を活かしアグレッシブに戦ってほしいところ。

スタメン

セレッソは前節スタメン高木に代わってデサバトを起用。仙台は3試合連続同じ11人でスタートする。

前半ースペースに立つために

442をベースにするチーム同士の対戦。そのミラー状態を回避し攻撃時に相手の隙に立つべく、両チームそれぞれ工夫を見せる。

セレッソはCB間にボランチ1枚、もしくはGKが入って後方が3枚に。仙台2トップ脇からの前進を試みる。仙台はそれに長沢+ウイングの中切りから大外に誘導しSBで奪いきるいつもの形をとる。この際広がるCBとSBの間はボランチが降りてカバーすることがこの試合では徹底されていた。内に絞る清武と坂本を監視して守ったら結果的にそこに入る機会が多くなったと言い換えることも出来るかもしれない。

その策の裏を取られたのが1失点目。空いたマイナスのスペースにクロスを送られ清武が合わせた。このマイナスのスペースには吉野が出てシュートブロックしたかったが、メンデスがその進路に立ってうまくそれを防がれてしまった。バスケのスクリーン的な。40分にも似たような形から奥埜にシュートを打たれたがクバが冷静に防いだ。

仙台は保持時関口が椎橋横の左ハーフレーンに降り、中盤を3枚にして組み立て段階でのミラーを回避。清水戦でも見られた形。そうして前進すると両サイドの三角形のコンビネーションで崩しクロスを入れる。ファーに逆サイドのウイングが絞ってSBの背中側から合わせることが徹底されていた。ただ高さがやや足りず致命傷を与えるまでには及ばなかった。

また左サイドの3人はローテーションして立ち位置を入れ替えながら崩すが、右は柳外、真瀬内、浜崎横でサポートで固定されていた。この違いはボールを失ってからの切り替え時のことを考えてのものだと思われる。仙台は切り替え時ボールを同サイドに封じ込めることを第一優先にしそれぞれが立ち位置を取る。蜂須賀からのサイドチェンジが減少しているのも、配置が整ってない場所でボールを失うより、整った状態で攻撃し失いたいという意図があるからだと推測する。この際中のスペースをカバーし、逆サイドへのボールを遮断する役割を担うのがボランチの二人。それがいないと一気に守備が整ってない方へと展開されてしまうため、浜崎はボール保持の段階で予め中央に立っておくことが徹底されていた。彼はそこからのアーリークロスも武器として持っているため一石二鳥ともいえる。

ただ展開を遮断できない場合もしばしば。セレッソの両サイドハーフはいずれもボールが収まる選手。サイドチェンジから彼らにボールを収められ前進される局面が多かった。

そうしてセレッソペースで進められた前半45分だったが、ATに浜崎のコーナーキックを蜂須賀が合わせ同点。イーブンの状態で後半に挑む。

後半ー前に出る仙台

後半のスタートダッシュをきめて主導権を握りたい仙台。積極的に前から出ていく。特筆すべきはゴールキーパーを加えた組み立てへのアプローチ。前半はその対応に苦戦していたが、後半は長沢がジンヒョンに対して明確に出ていき、それに率いられ後方も前に出ていく。その意思疎通が出来てなかったのが2失点目。前相賀前係になる中、おそらく柳が大外丸橋に出れないと判断し、真瀬はCB寄せを行わずSBへ寄せに行く。ただ丸橋には時間があり、開いたライン間の清武へ落ち着いてパス。そこから蜂須賀裏坂元へとつなぎ冷静に仕留めた。セレッソが嫌う局面が素早く入れ替わるようなオープンなゲームになっていただけに、仙台がそれをものにできなかったのは痛恨だった。

後半ーさらにギアアップ

ビハインドになった仙台。前線の3枚を代えて赤﨑、ゲデス、石原を投入。関口が右サイドに移って全体の配置を442のような形にし、SB裏へのフィードや、サイドチェンジなど前半と違って長いボールを用いた前進が増えた。そのSB裏を突く際にゲデスや石原がお互い立ち位置を入れ替えながら内から外に出て受ける動きを繰り返しており、それは効いていたように思う。しかし最後まで決定機は作り出せず。セットプレー以外でセレッソの守備が打ち破られないまま2-1で試合はセレッソの勝利に終わった。

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