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川上とも子(2011年6月9日没)~「お逢いしたことのあるこの人を悼む」第一回。

といふことで結局川上とも子がやってたラジオの
幾原邦彦ゲスト回で「とも蔵」ってニックネーム
(といふか通り名)が定着した、といふのは改めて
生き残ってた棘のコメントで知ったわけですが。

「1998年のルネッサンス・マリア・テアトロ」の
草稿にもあたる1998年7月25日の日記で川上とも子は
水樹奈々らと共に会場入りして、その後はネットラジオ
に直に向かう、とか書かれていたワケですが。

(一応ルネッサンス・マリア・テアトロは一般的には
「TEAM NACS」誕生の地として知られる劇場で、
それより以前は本多小劇場があったところ。1997年から
1999年まで存在しており。その後ルネッサンス・マリア
・テアトロを運営していたところはサッポロファクトリー
近くにあるBLOCHの運営に力を注いでいる。そして
ルネッサンス・マリア・テアトロがホテルの6Fに
あった頃のホテルの名前は結構難題にも数えられるの
だけど、「マリア ェ アンドレア」ってホテル名
だった、と当時の日記にはある)

この頃の川上とも子はなぜかニコイチで(まだゲームの
ノエルに出るまで代表曲もなく代アニのイベントでは
演歌も披露していたり、イベント後に「千秋庵」に駆け
込んでいったとか、店員でアニオタの「千秋庵」の人が
相応に応対した、とかそんな噂も流れていた)水樹奈々
と共に常になんかボケつついる感じの川上とも子の
介助役的な立ち回りをしていたように思う。
今は亡き劇場の下で屯してる中で賢明に手を振って
アピールしていた(本当に堀越で苦労してた頃のコンドー
さんな)水樹奈々とその横で優しく(かつ気怠く)
微笑んでいた川上とも子の姿が本当に忘れられない。

 そして声優評に関しては以前「flower in my head」
ってところに投下していたのだけど、2年ほど前に
消滅した痕跡が観られるので、再構成してリライトを
試みる。

にしても、「レッド・ピッギーズ」を知る者がまた一人
・・・ってことですか(声優として本格的に活躍する
以前は山本正之の「レッド・ピッギーズ」で活動していた
経験も。また後にアニメ化された『怪盗きらめきマン』
の時も積極的にレッド・ピッギーズの一員としてコーラス
参加などをしている(主演だったのだけど))。

初期で認識したのは『ふしぎ遊戯』の張宿(ちりこ)。
この頃から少年役は得意としていた。テレ東深夜アニメの
嚆矢『エルフを狩るモノたち(アネット、エミリィ)』や
『少女革命ウテナ(天上ウテナ)』『バトルアスリーテス
大運動会(クリス・クリストファー)』などテレ東で
1990年代後半に放送されたアニメには滅法強く(因みに
先に書いたルネッサンス・マリア・テアトロでのイベント
はパイオニアLDCのアニメイベントだったので、
川上とも子は夏樹リオと共に大運動会のクリス役として
呼ばれたと)、以降も『天使になるもんっ!(ノエル)』
『宇宙海賊ミトの大冒険シリーズ(ミト)』と黄金期の
最前線を主役で駆け抜けていく。

ゼロ年代に入ると先程の『怪盗きらめきマン(リップ)』
をCDドラマの選考の中から林原めぐみ、宮村優子を
抑えて岡野浩介とコンビを組みこなしていくが、次第に
「ヒカルの碁(進藤ヒカル)」「探偵学園Q(鳴沢数馬)」
などと非情なくらいの電通アニメに費消されたきらいが
強くなる。少年声の限界は「うえきの法則(森あい)」
あたりでリミットに達していたのではないだろうか。
限界までアフレコを待ち収録したと佐藤順一監督の言にも
あったように『ケロロ軍曹(日向冬樹)』は少年役の
集大成にして代表作である、と。

2008年8月から10月にかけて本人のメールマガジンによって、
入院・静養の様子が語られていた。そこからも体調不良は
繰り返されて、いろいろと言われはじめたのもこの頃か。

一方で(1990年代後半はエロゲにおけるバオバブと
主要メーカーの蜜月時代であったことから)源氏名の
公表も早く、艶を磨いた上で「憧れる先輩」にあたる
キャラと「復活劇」を全うした部分において特筆すべきは
『ARIA』シリーズのアテナ・グローリィ先輩とアニメ版
『のだめカンタービレ』シリーズの(遺作ともなった)
エリーゼ(そしてプリリンも)に関して。
しっかりと銘記しておくべき事柄ではあるかと。

ここまでの努力があったにもかかわらず、同じく
『ARIA』シリーズで歌アテナを担当し、「シャ・リオン」
などのヒット曲もあった河井英里さんもまともに取りあえず
弔いもせずにスルーし続けたフジテレビが案の定
「番頭政治末期の地獄絵図タペストリー」を描いて
ゴロゴロと転げ落ちていく10年を観たことにはなるのですが。

2011年6月9日、所属していたプロダクションバオバブの
発表により逝去されたことが発表される(まだFAX時代での
発表なので、でもツイッターも普及してきたあたりだったの
で、冷静に一報を受けてからのコメントが多かったのかと)。

まあ掉尾には「おジャ魔女どれみ ナ・イ・ショ」の第12話
「7人目の魔女見習い~のんちゃんのないしょ~」に関しての
「千人針」なエピソードを持って来ようかと思ったのですが、
それはそれで長くなりそうなので、これはまた「#それは
別件で起こす」シリーズで語ることにしましょう。
件のイベントで川上とも子と夏樹リオが大運動会のキャラソン
(スーパースター列伝4に入っている曲かな)をそれぞれ
歌い、それぞれ歌っているところに乱入してデュエットする、
なんてことは改めて日記を見るまで覚えてもいませんでしたが、
故人の在りし日を想い浮かべるとあの頃のことを思い出す。

といふことで「お逢いしたことのあるこの人を悼む」として
第一回は川上とも子さんに関して思い出して書いてみました。

(まあ今回は書き切れたけど、亡くなった時に一番ショックで
立ち直るのに時間がかかった永井一郎氏について書けるように
なるのはいつの日になるのだか)