「カリ城」と3月のライオン第2シリーズ最終話に見えたもの
とりあえず三題噺っぽいものを書き上げたけど、
ちょっとロジックに破綻する部分が編集段階で
見つかりベンド的に破棄。今日のうちの更新は
諦めて、もう1本何か別のテーマで「終わりと
はじまり」に関わるテーマで一本、と行こうか
とは思いまして(ただではめげない)。
で、見つかったのは以前書いた『3月のライオン
第2シリーズ』に寄せてコメントしたものを
リライト・再構成して観ることにするかと。
で、主題は「カリ城」です。
昔、「無認可校」に入る以前の体験入学の段階で
「ルパン三世 カリオストロの城」を3日連続で
観たことがあります(確かシアターキノで)。
むろんそれはアフレコ実習がセットになっており、
その中にはイレギュラーな事態が起こって図らずも
◆島本須美[フリー]さんの生クラリスアフレコ
なんてものにも遭遇することは出来たわけですが。
また「カリ城」のアフレコ台本の中でもとりわけ
ジョドーのセリフの「おはやく」がなかなか言い
づらいタイミングだったので、その時の秘訣を後に
一期一会で逢えた永井一郎氏にぶつけて解答を
得られたこともあったのですが、それはまた別のお話。
作品自体は何度も金曜ロードショーでかかるたびに
人気を博して遂にはペイ出来た、といふエピソードも
素敵ではあるのですが、基本的には「ニモ」制作が
目的で作られた半個艦隊のテレコム・アニメーションの
習作の一部としても製作された事実はあり、この蓄積と
繋がりがやがて初期の『アイカツ!』の太線タッチにも
継承されるわけですが。
なお、岡田斗司夫「オタク学入門」には「匠の眼」の
章においてオープニングアニメの「匠」な部分について
詳細な説明があったりします。
といふことである程度「カリ城」の筋立て(生まれながら
にして既に古典、とか言われていた)を理解した上で、
そこに出てくる一部のシーンとシンクロするような
シーンが実は『3月のライオン 第2シリーズ』にも
現れていたのではないか、といふ話をここに持って
来ようかと。
>3月のライオン 第2シリーズ 21・22話(最終話)
22話の冒頭の義理の母の話はある意味いじめ回よりも
しんどい。
でもここのモノローグをしっかり◆島本須美[フリー]さん
が一身に引き受けていることで、ある意味「カリオストロの
城」の位相性をはらんだようなテイストに仕上がっている
ような感じになってる演出が良かったような。
(カリオストロの城からてんでからがらに戻って寝込んだ
ルパンに寄り添う犬、ってなようにここでもポイントに
なるのは老犬なんだけど)。
「カリ城」もまたそのシーンでの語り部だった宮内幸平
(アルムのおんじ)も山田康雄も亡くなり、執事ジョドー
をやってた永井一郎も伯爵やってた石田太郎も数年前
(2013年、になるのか)急死したので「カリ城」の
オリジナルキャストも遠くなりつつはあるのですが。
いずれにしても「もうここには戻らない」ことを決意した
ルパンのようにケジメをつけて、
「もうここに(あの子)は戻らない」と育ての母親が悟る
あたりはなかなか眩しい演出でした。
まあベンド(保留)にしたけど、これくらいはこちらに
寄せてもいいか。「終わりがあればはじまり」なので。
そろそろ2022年第3クール(夏)の新番組が
ちらほら来ていて、1話初完走は『リコリス・
リコイル』なんだけど、シティー・ハンターや
異世界ファンタジー(ないしはディストピア)
の一種と割り切れるならばテンポもいいし、
なんとかついていけそうだけど、A-1 pictures
の作画班がグリグリと先走り過ぎて攻殻とか
ベン・トーアニメ版に近い感じの「画と描写
だけで説明抜きに展開はやっちゃいますからぁ」
で突き抜けられちゃうと、必ずどこかで脱落
してしまいそうな。
といふあたりで「カリ城」と3月のライオン
第2シリーズ最終話に見えたもの、でした。