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ほぼVPNなしにテレワークに移行した話

ついにビサイドでも先週の政府の緊急事態宣言を受け、原則テレワークに移行しました。もちろん、その前の段階、東京都からの自粛要請がでた段階から徐々に移行していたのですが、先週から原則として全員がテレワークに移行したことになります。

テレワーク時にVPNなどを活用している会社さんも多いと思いますが、ビサイドでは一部のどうしても社内からのアクセスが必要となる業務を除き、ほぼVPNが必要ない状態でテレワークに移行しています。というのもこの数年間、ビサイドでは社内サーバへの依存を下げ、積極的に外部サービスの利用を進めてきました。というのは、ゲーム制作以外の管理コストを削減し、社内スタッフのリソースをゲーム制作により集中するためです。そのおかげで、今回のテレワークへの技術面での移行はかなりスムーズに進めることができたと言えると思います。どちらかというと準備で必要だったのは、どういうルールでテレワークを行うか、などの話でした。

せっかくなので、ここ数年で取り組んできた社外のサービスを利用する取り組みを簡単に紹介したいと思います。

必要なファイルはG Suite の共有ドライブ
 多分現在では知らない人はいない有名なサービスですね。以前は、WindowsServerの共有ドライブでファイルをやりとしていましたが、G Suite で「共有ドライブ(当初はTeamDrive)」が提供される様になってからは、ファイル共有を完全にそちらに移行しました。これによって、ファイルサーバの容量を気にすることがなくなったこと、バックアップに関してハードウェアのトラブルを気にすることがなくなったことが、メリットとして挙げられます。一方で、共有ドライブを容量無制限で利用するためには、Businessエディッションの契約(1ユーザあたり月1,350円)が必要になるのですが、管理コストの削減効果と、Microsoft 365 の利用をやめて、OfficeツールもG Suite に乗り換えることによることで効率化を計りました。
 当初、G Suite のSheets (エクセルみたないツール)はイマイチだったりもしたのですが、日々、改善が進んでいる様で、今ではほぼ問題なくSheetsやSlides(パワポみたいなツール)で業務を行えてます。また、G Suite なので社内/社外かかわらずブラウザで参照できたり、社外の方との共有も簡単なこともテレワーク向きだと思います。
 さらに、テレワークですごく役に立っているのはGoogle Meetですね。100人以上のテレカンも安定して動作しているので、社内全員集めての会議なども対応できています。残念ながらレスポンスなどはZoomの方が良いのですが、あちらを利用しようとすると少々高めの料金(1ユーザーあたり、月2,000円)が必要になったり、プラグインのインストールが必要だったりするところ、Google Meetだと G Suite にまとめて料金が含まれていること、ChromeかFirefoxならばプラグインも必要ない点も評価ポイントです。

社内の情報共有はSlackとScrapbox
 社内の案内やプロジェクトの情報共有はSlackを基本にしています。そして、Slackで少し前からスタートした「共有チャンネル」機能によって、取引先の会社さんもSlackを利用してくれている必要がありますが、社内での情報共有と同じ様にクライアントさんとも同じSlack上でやり取りできるのも便利ですね。以前は、Chatworkを利用していたのですが、サービスやアプリを含め、進歩が遅かったので数年前に多少高くても高機能な Slackに乗り換えてしまいました。
 また、Slackでは情報が流れていってしまうので決定した情報をまとめていくWikiとして Scrapboxを契約して利用しています。以前は Pukiwiki のサーバを社内に立てたり、Google Sites を利用したりしてきましたが、現在は Scrapboxに切り替えています。ポイントとしては、Scrapbox には階層構造がなく、新規に情報を追加使用する場合に迷いがないので、誰でも気軽に追加できる点や、タグによる柔軟な情報の管理、操作の敷居の低さ、コード表記対応などなど、日々、とても便利に活用しています。

ソースコード管理はBitbucket
 現代のソフトウェア開発で必須ともいえるソースコードのバージョン管理システムですが、ウチも以前は社内にSubversionのサーバだったり、Gitサーバを立てていました。しかし、そうするとそのサーバのメンテナンスであったり、増大するHDDの容量対応だったりと、本来のゲーム開発意外に割かなくては時間が必要となっていましたので、こちらも社外のサービス利用に切り替えました。一番メジャーなGitHubではなくて、Bitbucketにしたのはコスト面の問題でこちらが安かったからです。
 また、外部のサービスにすることでクラウドビルドや、社外の方と連携もVPNなしに行えますからこちらも便利になりました。

BTSはRedmineとBacklog
 これも以前は社内にサーバを立てていたBTS(バグ・トラッキング・システム)でしたが、社外のサービスを利用しています。主に社内のタスク管理にはBacklogを、QAの会社さんやクライアントさん含めたバグの対応などにはRedmine.jp さんのサービスを利用する形で Redmine を利用しています。これも、社内にサーバを立てていたりしてしまったら、VPNやポートをあけての対応などめんどくさいところでしたので便利になりました。

アカウント管理
 外部のサービスを利用する上で気になるのはセキュリティですよね。外部サービス利用で便利になっても、管理が複雑化してめんどくさくなってしまっては本末転倒です。一応、上記のサービスはほとんど(Redmine をのぞいて)G Suite のGoogleID に紐付けて管理しています。そして、GoogleID に関しては、携帯電話による2段階認証を義務付けており、万一、IDとパスワードが漏洩してしまってもアカウントの情報が漏れることはありませんし、アクセス権が必要なくなったユーザーもGoogleIDを削除することで、上記のリソースには一切アクセスできなくなります。

勤怠管理はジョブカン 
 これはソフトウェア開発に限らない話だと思いますが、テレワークに移行する際に、勤怠管理をどうするか悩まれている会社さんも多いかと思います。ウチは導入していたジョブカン がリモート打刻に対応していたので、テレワークの際もリモート打刻してもらう様にすることで解決しました。
 もちろん、タイムカードを押さないという対応もアリかなと思ったのですが、労務的に管理しておかないと会社が問題を指摘されてしまうということと、テレワークの問題点として「つい働きすぎてしまう」という問題が挙げられていましたので、自宅で業務の区切りをちゃんとつけて休んでもらうという意味でもリモート打刻を行ってもらうことにしました。

などなど、一気に書いてきましたが、世の中には実にいろんなサービスがあるので、料金や内容含め迷うところも多いかと思いますし、実際のところ、ウチでも変更しようかなと思っているところもあります。

とはいえ、ある程度、業務を回せていますので、これから、いろんなサービスを検討しようと思っている方の参考になれば幸いです。


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