雑な麺は夏の季語 (日記200502)

昨日の日記

 目が覚めた瞬間に「こりゃ10時半ですわ」と確信するほどの日差し。いつもより早く寝たつもりだったんだけどな〜とため息をついて、エアコンのリモコンを探す。最近は人に会わないから腕時計をしていない。それに、目を休めたいという理由でスマホを階下に置いてから床につくようにしている。だから朝起きてもすぐに時間を確認できなくて、どうしても、の場合は空調のリモコンについている時計表示を見るしかない。それってなんなの、と思いつつ小さなディスプレイに目をやると全然7時前だった。夏か?

 結論から言うと夏だった。それも好きな方の。いつの間にか暑めの春ではなく涼しめの夏になっていて、一日中いい気分で過ごした。冷たいコーヒー牛乳を作って飲む。昼ごはんはインスタントの台湾まぜそばだった。雑な麺は夏の季語。

一時すぎ トマトときゅうりと 雑な麺

 ゴールデンウィークの初日で、家族三人ともが家にいる。広くもなく、各々に個室があるわけでもない家で、なんとなくバラけてお互い干渉せずに過ごす。家庭内ソーシャルディスタンス。ぼくはリビングで読書、母親は本棚のそばで調べ物をし、父親はテラスにローテーブルとクッションを持ち込んで仕事をしていた。タープを張ってはいたが、これは少しサイズが大きくて、真ん中が垂れて窮屈そうだった。一旦処分して一回り小さいものを買ったほうがいい。しばらくは風が吹いていて快適だったらしいが、昼ごろに降りてきた。日差しが強まってきた。

 前日に届いた「あの本は読まれているか」を開く。

 寝るまでに7割くらい読んでしまった。おもしろい。東西冷戦時代、ロシアでは体制を批判したり、西側諸国を魅力的に描いたりした本を禁書としていた。しかし、それでもある本は国内で出版されたのだが、それにはアメリカのCIAが関与していたらしい。この本は、その作戦の一部始終を下敷きにしている。

 だれが味方なのか分からないスパイものの緊張感、冷戦時代の厳しい現実の描き方がページを進める。そして友情と愛情と仕事への矜持、社会からの抑圧。作戦の内容や組織の態度よりも、登場人物たちの心や、他者との関係の結び方が印象深かった。ロシアの小説家、その愛人、CIA側の運び屋、スパイなどが登場するが、だれもが強さと弱さを併せ持つ、人間らしい人間として描かれていた。CIAの運び屋もスパイも女性だ。この小説は女性の力を扱っている作品でもある。残りは明日読む。

 芥川龍之介の河童も読んだ。NHKの7人の小さな探求者というドキュメントも見た。あの内容で「小さな」と付けるのはあえてなのか。「最近気になったニュースは?」みたいなのって就活で聞かれがちらしいが、記憶力が一切なく普段メモもあまり取らないので1つも思い出せない。Discordで音声配信、というかツイキャスみたいな使い方をしている人がいた。クローズドの小規模SNSという感じでおもしろそう。選考日程が二度延期した志望先の企業からメッセージが届き、少しやる気が出た。改めて猶予ができたし、面接の日までに痩せてかわいくなってやるんだから、と思った。有酸素運動と筋トレ、食事制限。ねぇ一緒に踊ろうよ、アーモンドフィッシュの爆食いなんて忘れてさ。ダイエットは常に次の日から始まる。それはぼくも例外じゃないってワケ。おわり。



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