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2020/4/24(うたの日366)

ひまわりのでっかいやつが咲いているような気がしたんだけど、君か/黛カイリ

(2019/8/10「自由詠」)


もう、このままと云われたら素直にこのままな歌ではあるのかもしれないけれども、好きです。こういう風に云われたいし思われたい。
「ひまわり」「でっかいやつ」「咲いて」とポジティブな単語が集約されて「だけど」からの「君か」までの緩急ができている。教科書通り(良い意味です)の読ませるテクニックと、「大事なことは最後に云う」テクニックを使ってきて、そのため短歌を読んだこともないひとも一読して好きになる歌に仕上がっている。シチュエーション的には、なんとなくひまわりを見てその場所まで走って行ったら、そこにはきみが笑って立っていただけ、という感じだろうか。実際にそういう場面でなくても、例えば手紙の書き出しのように記されていたらとても嬉しくなるフレーズだと思う。…と、細かくいちいち云うと良さが壊れる類の短歌である気がする。ストレートに好きな短歌。



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