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2020/4/20(うたの日366)

横恋慕(二重扉に鍵かけて誰も知らない猛獣を飼う)/葵の助

(2018/9/21「横」)


横恋慕は、既に相手のいる人に横合いをすることだけれど、それを辞書を引いた時のような文体にしつつ、この歌なりの解答になっている。バーレーンが「二重扉」の役割で、視覚的な効果も果たしていて、上手いだけじゃなく、面白いなと思う。
「誰も知らない猛獣」というのも面白くて、「誰も知らない」には「誰にも知られないようにする」なのか「誰も見たことがない」、その両方の意味があるような気がする。飼っている本人ですらそれを育てつつ、じっくり見ないようにしている、感情のような。二重扉を開けたとき、自分も、開けた相手もどうにかなってしまうのだと思う。
また、この猛獣を飼っているのは横恋慕をしている方なのかされた方(恋人をとられた方)なのか…なんとなく、そのどちらも飼うことになるのかなあ、と予測する。辞書には書かれていないけれども、その猛獣を解き放ってどちらかが倒れるまでが、「横恋慕」になるのかと思われる。

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