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2020/7/2(うたの日366)

月をみるクールミントのペンギンはいつかの駅のホームのわたし/計以
(2018/4/3「ミント」)

クールミントガムって、まだ売られているのだろうか…一読して、どんな景なのかがすっと立ち上がってきて、めちゃくちゃかっこいい。
短歌では「あの日」「あの夏」的な「あの」を使ってしまいがちな気がする(もちろん自分も…)。「あの」にはそのひとそれぞれの「あの」を重ねられるので、万能感があるので仕方がなかったりもするのだけれど…この歌はそれに代わって「いつか」が使われている。「あの」は過去を指す言葉であるが「いつか」は未来をも指すことができて、この歌に不思議な既視感を生むことに成功している。また、立っている場所が「駅のホーム」であるのも良い。駅ははじまりにも終点にもなる場所であり、「いつか」という言葉とすごく合っていると思う。いつか来る終わりを予感していながら、何処となくポジティブな雰囲気が出ている。ペンギンは温暖化がすすむと絶滅してしまう動物で、そ刹那的な感じも加味されていて、いいなと思う。この「いつか」の使い方は自分も試みてやってみたい。


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