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2020/6/17(うたの日366)

まだ少し違和感はある 叙情詩のようなあなたの実家の雑煮/木蓮

(2019/1/14「抒情詩」)


雑煮×抒情詩の取り合わせが面白い。「叙情詩」が何か知らなくても(自分もそういえば説明できないな…と思って検索しました。「詩人個人の主観的な感情や思想を表現し、自らの内面的な世界を読者に伝える詩」らしいです)なんだか腑に落ちる比喩だと思う。また、雑煮についての描写がないのにどんな雑煮なのかイメージできる…自分は白味噌の甘い感じで、具が豪華な感じなのかと想像した。主体はそんな雑煮に「違和感」があるということは、すまし汁っぽい簡素な具の雑煮で育ったのかなあ、とか。どちらかというとその主体はそんな雑煮が好きではないのだろう。でも雑煮は正月のときくらいしか食べることのないメニューだし、自分の実家ではなく「あなたの実家」なので残すことも難しい。…それも「雑煮」だとそれまで食べ続けてきた家族の歴史を否定することにもなってしまう。また、自分もその家族の「叙情詩」に加えられることを予感してもいるのだろう。雑煮のどろっとした感じと家族の縁のようなものが想起されて上手いと思う。


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