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2020/1/27(うたの日366)
子の髪に干し草匂ふ母さんも昔は魔法使いだつたよ /あおきぼたん
(2019/1/21「「よ」で終わる短歌」)
イメージをすごく上手く繋いでいて、飛躍しつつも「解る…!」という絶妙なラインにのせた歌だと思う。というのもまず、「子の髪に干し草匂う」というフレーズにたくさんのイメージが集約されている。嬰児より少し成長したくらいの子ども独特の日向のような髪の毛の匂いのことを詠んでいるのだろうけれど、下の句の「魔法使い」ということばで、家のなかにいたのに何処か違う場所に行っていたかのようなイメージに繋がる。
「魔法使い」はそれ以外にも、子どものなかに眠る可能性のこと、想像力で大半のことを補えたことにも触れていると思う。また、大人になるに連れて魔法の力はなくなってしまうという、ファンタジーのセオリーも押さえている。共通認識を上手く使っているので、説明過剰にならずにきれいな言葉選びが際立つ。ファンタジックなのに、自分に引きつけても読めるすてきな歌だ。
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