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2020/7/24(うたの日366)

失恋の影響もなくマキちゃんの在庫チェックは今日も完璧/木鼠
(2015/4/13「響」)

マキちゃんすごいな…と思う一方、そんなマキちゃんの詳細を知っている主体との関係を考えると面白い歌だと思う。職場の同僚で、マキちゃんと親しいんだろうな、と。個人的にも親しくて、失恋した日に電話でその話を聞いたのかもしれないし、昼休みなどにその話を打ち明けられたのかもしれない…ただ、それだと「失恋の影響もなく」がドライすぎるというか、「影響のないように見せている」ことが解っているので、その表現にはならない気がする。なのでここは個人的に、マキちゃんを振ったのが主体である、という読みの方が面白いような気がするのでそれを推したい。
主体とマキちゃんは職場恋愛をしていたけれど、まあきっといろいろあって主体はマキちゃんに別れを告げる。なんと云ったかは解らないけれど、それに対してマキちゃんはたぶん気丈に振る舞ったんじゃないかなあ、と思う。「自分もそう思っていたところだった」とか「他に好きなひとができたところだった」とか…ので、主体はマキちゃんが悲しむ様を見なかったし、結果的に失恋したのは自分の方なような気持ちになったんじゃないだろうか。完全に深読みな域ではあるけれど、「失恋の影響もなく」はそんな主体の皮肉が籠っているのかなと思った。実際、マキちゃんがどれだけ悲しんでいるのかは誰も解らない。表の接客ではなく裏方の在庫チェックという仕事のチョイスがまた効いているなと感じた。

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